CuniCoの徒然・・・岩下邦子の独り言

日々の暮らしの中で、立ち止まったり、すれ違ったり。私の中のアレコレを思いつくまま、気の向くまま。

大相撲のこと、久しぶりに書きましょかね・・・

2020-07-27 10:41:26 | お相撲(スポーツ)のこと
五月、国技館に観客の声は響かず、
ピンと張りつめた空気がそこには流れていた。
その緊張感が、神事としての相撲を見せてくれた気がしてならない。
そんな中でも、観客の声援に助けられていることを実感した力士たち。
よい場所・・・だった気がする。

その後も、新型コロナウィルスの影響で、
地方巡業は中止となり、出稽古もできない日々が続いた。
糖尿病を患っている力士も多いと聞く。
新型コロナウィルスは、糖尿の持病があると重篤化することがあるので心配していた。
残念ながら、勝武士さんがCOVID19で命を落とした。
28歳という若さで・・・
高田川親方も、り患されご自身の闘病と弟子の逝去という事態となり、
どれほどの悲しみ、苦しみ、口惜しさ、そしてやり場のない怒り・・・
それを思うと胸が痛む。

五月場所中止となり、各部屋でも対策を取りながら、
七月・・・名古屋から国技館に場所を変え、二週間遅れでの開催となった。
昨日、中日、千秋楽まで・・・あと、7日である。

観客数を1/4まで減らし、声援は禁止、拍手での応援、支度部屋の工夫、
皆が様々な努力をし、場所を成立させるために頑張っているときに、
情けないニュースが飛び込んできた・・・語るにも値しない・・・
錣山親方の胸中・・・いかばかりか・・・
ご自身の子どものころの愛称を四股名とし、育ててきた弟子の愚行。
申し訳ないが、場所中の休場だけでは済まない問題であると私は思っている。
先代阿武松親方から、今の時代において相撲で弟子を育てることの難しさを漏れ聞いていたが、
本当に、何をどう話せばわかってもらえるのか・・・
抑えきれぬ怒りを抑えながら、指導にあたることの難しさ・・・
錣山親方のそばにいた人たちが、一人二人と去ってしまった今、どんな心持なのかと・・・

さて、本題に入ろう・・・相撲のことだ・・・今場所の相撲のこと。
観客が入り拍手もあり、それはそれでうれしいのだが、
無観客場所の緊張感に比べると、なんとなく、
緩んでいる感じに見えてしまうのは私だけだろうか・・・
相撲に締まりがない・・・そんな感じがする。
稽古不足がその要因なのだろう。
出稽古も巡業もない中で、
もちろん鍛錬はしてきただろうし、
それぞれの部屋で稽古をしてきたことは確かであろう。
しかし、どこか、集中にかけている。
その中で、いつも以上の集中をしているのは、横綱白鵬だ。
6日目までの立ち合いは申し分ない。
全盛期の白鵬を彷彿させるものだった。
中日の相撲について、荒磯親方は盤石とおっしゃったが、
私には少し違って見えた。
そのことは、今日は触れないでおこう。
もう一人、とてもいいバランスの集中ができているのが、
言わずもがなの新大関朝乃山である。
立ち合いがいい。
踏み込みがいい。
腰構えがいい。
申し分のない四相撲を、バランスのいい集中をもって取っている。
もちろん、このあと、横綱との優勝争いになっていくので、
そのプレッシャーとの戦いになるが、
自らの相撲を取りきることにだけに集中できれば・・・と思っている。
横綱になる関取だ・・・と久しぶりに思える人が現れた、心技体揃っている。

さて、一番書きたかったことを最後に書いておこう。
今場所は、小さな部屋の突き押し相撲の力士、にとって、試練の場所となっている。
理由は、多くは語るまい。
言い訳になってしまうのは、よくない。
重い相手にぶつかってぶつかってぶつかって相撲を磨く、その機会を奪われた。
どんなにトレーニングしても、それは、追いつかない・・・
そのことを、まざまざと見せつけられている。
稽古不足であっても、相撲勘は、場所の土俵上で戻るかもしれない。
が、突き押しの力・・・は、そんなに簡単に取り戻せない。
それは、筋力だけでなく、力の伝え方というか、押しどころというか・・・
うまく言えないが、何かがある気がしてならない・・・
充分稽古していても、出稽古や巡業があっても、突き押しの相撲の力士たちは、
場所中にひとたび力の伝え方、押し方に迷いが出ると、黒星が並んでしまう。
言い訳になる・・・ので、書きたくはなかった・・・が、
初日から、相撲になっていない阿武咲・・・
相撲後に土俵上で見せる顔が、すべてを物語っている。
悔しい顔すらできない状況なのだ・・・
なぜだ・・・という顔をしている。
まったく、ほんとうに、観ている方は、悔しくてならない。
せめて、小さな部屋は何部屋か限定した稽古ができるようにしていただきたい。
もちろん、感染に充分注意を払いながらであるが、今のままでは・・・
阿武松親方、不知火親方も、全力で稽古をつけてきたことだろう・・・
それでも、やはり、現役の関取同士で切磋琢磨できるように・・・
協会はなんとか、その方法を模索してほしいと切望する。

四相撲の力士以上に、突き押しの力士にとって、
そして、小さな(関取が一人の)部屋の力士にとって、
過酷な場所となっていることは確かな気がする。

さぁ、今日は中日に負け越しが決まった突き押しの豊山と阿武咲の取り組みがある。
どちらも思いっきり、自分の相撲を貫いてほしい・・・
どちらにも白星をあげたい・・・と思うのは、私だけではないだろう。
落ち着いて集中した力のこもった、あきらめない取り組みを見せてほしい。
千秋楽まで、このコロナ禍で、皆で支えている『場所』を見守っていきたいと思っている。

最後に・・・初っ切りでもたのしませてくれた勝武士さんの冥福を祈って・・・
竜電の土俵に心をよせて・・・場所を見守っていることを書き添えておく。

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