なにひとつ、うごかない。
空気も、光も、温度も、動かない。
膝を抱えて、
蹲っている僕は、
瞬きもせず、呼吸もせず、
何をみつめているのだろう。
なにひとつ、
愛おしいものはない。
咲き乱れる花々も、
鳥のさえずりも、
生命さえも、もはや輝きを失った。
泣くことも、笑うことも、
怒りも、喜びさえも、
もう、遠くに行ってしまった。
どこかに、忘れてしまった。
よどんだ空気と、彩りを失った光と、
固まってしまった温度が、ここにある。
蹲ったままで僕は、その中にいる。
僕は、地面をみつめていた。
僕は、埃っぽい茶色い地面をみつめていた。
小さな蟻が、
小さな、小さな、蟻が、動いていた。
小さな雨粒が、
小さな、小さな、雨粒が、僕の頬に落ちた。
やがて、風が吹き、
木の葉が揺らめき、
僕は、そっと、息を吐く。
そっと、顔をあげて、空を仰ぐ。
僕は、
何もかもが動いている事を
見逃していただけなのかもしれない。
膝を抱え、蹲っている僕さえも、変化している。
きっと・・・
変化している・・・
僕は、膝を抱え、蹲ったまま、そこにいる。
僕は、膝を抱え、蹲ったまま、そこで考えている。
空気も、光も、温度も、動かない。
膝を抱えて、
蹲っている僕は、
瞬きもせず、呼吸もせず、
何をみつめているのだろう。
なにひとつ、
愛おしいものはない。
咲き乱れる花々も、
鳥のさえずりも、
生命さえも、もはや輝きを失った。
泣くことも、笑うことも、
怒りも、喜びさえも、
もう、遠くに行ってしまった。
どこかに、忘れてしまった。
よどんだ空気と、彩りを失った光と、
固まってしまった温度が、ここにある。
蹲ったままで僕は、その中にいる。
僕は、地面をみつめていた。
僕は、埃っぽい茶色い地面をみつめていた。
小さな蟻が、
小さな、小さな、蟻が、動いていた。
小さな雨粒が、
小さな、小さな、雨粒が、僕の頬に落ちた。
やがて、風が吹き、
木の葉が揺らめき、
僕は、そっと、息を吐く。
そっと、顔をあげて、空を仰ぐ。
僕は、
何もかもが動いている事を
見逃していただけなのかもしれない。
膝を抱え、蹲っている僕さえも、変化している。
きっと・・・
変化している・・・
僕は、膝を抱え、蹲ったまま、そこにいる。
僕は、膝を抱え、蹲ったまま、そこで考えている。