風の谷通信

専業農家からの引退を画策する高齢者。ままならぬ世相を嘆きながらも、政治評論や文化・芸術・民俗などに関心を持っている。

10-084農業が潰れる

2015-07-15 16:25:17 | 農業日記

風の谷通信No.10-082 

     (価格表記訂正版:原文最終段落の「¥6000」が正確)

妹が突然に電話してきて、いきなり大声でしゃべり始めました。

米作農家の従弟がコメを100袋収穫して農協へ搬入したところが、袋一つが¥6000. だと言われてバカバカしくなって出荷をやめ、全部持ち帰ってきた。それを食べてくれ、と言って持ってきて二袋置いていった。百袋をどうやって売り捌こうこうかと思案投げ首している・・・とのこと。

『こんな百姓はバカバカしくてやってはおれんナ。百姓が潰れるぜ、このクニが潰れれるゼ。怖ろしい世の中だ。』というのが妹の怒りの内容であります。

こんな怒りを私にぶつけてきてもどうにも仕様がないのですが、憤懣やるかたないということでしょう。私は遠慮なく自分の意見を言います。

勿論だよ。二ホンの農業は潰れるよ。このクニの食料生産は潰れるよ。クニが農業を潰そうとしているんだから。食料確保なんて選挙むけのサービス発言で、実際には米造りを放り出している。おまけにTPPという話しがある。自国の農地は休耕させておいて、アメリカのコメを輸入しようと言うんだから。クニの礎(いしづえ)が潰れるんだよ。古代の昔から、食料生産を疎かにして栄えたクニはない。いずれ二ホンもそうなるだろうよ。クニを挙げて、国民全部で、もう百姓は要らん、米作りはアメリカに任せておけ、アメリカの安いコメがあれば充分じゃ、と言うとる。自分の頸を絞めることになる。

そのうちに、世界中の凶作不作が起きて、食い物がなくなるぞ。その時になってあわてても遅かりしじゃ。早くそうなって、このクニが滅びを実感したほうが身のためじゃ。

 

農協だって、農家が持ち込んできた米を引き取る時には¥6000.だけど、自分が出荷する時にはもっと高くするんだ。例えば持ち込んだ農家が自作分を引き出す時に支払う金額の高さに驚かされるというのだから、世間が間違っています。もう、自分で自分の「食い扶持」を確保する以外の人の食生活は破滅的だと覚悟すべき時が来ます。クニ全体が飢えればいい、というのが私の逆説的食料哲学です。


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