風の谷通信

専業農家からの引退を画策する高齢者。ままならぬ世相を嘆きながらも、政治評論や文化・芸術・民俗などに関心を持っている。

5-096  夢前川を遡る

2010-09-28 21:27:04 | 季節の便り
風の谷通信 No.5-096

 県内陸部の三木山崎断層に沿って県道23号線と中国自動車道
が走っていて、それらとほぼ直角に県道36号線(姫路大河内線)
が交差している。その交差点の前之庄から北へ向かうと雪彦山に
至る。せっぴこやまは日本に三つある「彦」山の一つとして知ら
れる。標高は915㍍程で低いが、険しい岩山らしい。

 きょうは縁あってその麓近くまで出掛けた。前之庄から北へは
地図に里程が書いてない。数キロゆくと谷が深く狭くなり、山奥
の感じが強くなる。兵庫県にもこんな山里があるのか!といった
感じがする。夢前川の清流に沿って遡り新庄の大きな集落を過ぎ
てもう住家が無いだろうと思っていると、急に川沿いに鮎狩り場が
2軒あったり、ささやかながら仙境を思わせるような家が岩壁の
隙間に建っていたり、かと思うとかなり大きな自動車屋さんがあって
ついでに大きな集落が現れる。驚くこと頻りである。特にこの自動車
屋さんには驚いた。しつれいながらこんな深い谷の村であんなに
沢山の車を置いて経営が成り立つのだろうか・・・と訝しく思うほど
の地域である。恐らく昔は林業で栄えたのだろうと思えるたたずまい
の集落であるが今は何を生業にしているのであろうか。  
 こんな山里にこれだけの構えの邸宅が並んでいたらどんな生活だろ
うかと思うが、実は過疎の村だと(あとで麓のムラで)聴いた。いずこ
も同じ山里の景色である。この集落よりも更に奥に学校があった
という。地図に山之内小学校の名前が残っている。つまり、昔はそれ
だけの人口があったということか。昔の行政では独立した「村」だった
だろう。その(例えば)飾磨郡山之内村が夢前町になり、更に姫路市
夢前町山之内になったのだろうか。それで学校はなくなったという。
あのムラに住んでいたら学校へ通うのが大変だ。学校が前之庄にある
としてもやはり相当な長距離なので歩いては通えない。まして冬の雪
の季節には苦しいことであろう。毎日生きること自体が大仕事だろう
と推測できる。

 過疎のムラの苦痛は自分のムラの苦境に照らし合わせて充分に
理解できるが、時たま訪ねる身には穏やかで心豊かな故里を思わ
せるたたずまいである。
 緑豊かに水清く草は茂り人混みとは無縁で、なごやかな景色が
広がる。 楽しい旅だった。 

 しかし、わが身は便利な都会に住みながら、故里だけは昔の姿で
いてほしいという現在の世相はいささか身勝手だと思う。

5-095  仙谷腰抜けコメント

2010-09-27 19:53:11 | 世相あれこれ
風の谷通信 No.5-094

 今日のテレビニュースでは、尖閣諸島に隣接する海域に
中国の漁業監視船2隻が航海していると報じた。それに
対する仙谷官房長のコメントはまるで他人事のようだ。
曰く「中国に抗議した。・・・そんなことはおやめになった
方がいいのではないですか・・・」だと。 アホか。

 先に日本大使を夜間(あるいは未明)に呼びつけたという
行為に対する抗議も「日本政府は遺憾である・・・」という
ことで、この点について桜井よし子がブログで手厳しく批判
している。かねてより彼女の旧時代的な思想に疑問を抱いて
いたのではあるが、この漁船問題に関する彼女の評論と政府
批判は賛同することが多い。願わくば彼女が昭和前期の国権
主義へ回帰することだけは避けて欲しいとは思う。時々安倍
元首相と共通するような意見がみえるのには賛成できない。
それはともかくとして、桜井氏にこき下ろされるような政府
では中国からバカにされてもいたし方無い。
「桜井よし子のブログ」を覗いてみてほしい。

 先方の漁船監視船が出張るのに「お止めになった方がいいの
では・・・」だと。笑わせるよ。国会議員の中に「自衛隊を
尖閣に常駐させよ」という意見が出てきたのもむべなるかな。
腰を屈して小国に甘んじることがイヤならばせめて外国から
軽蔑されない程度の外交をしてほしい。

 かの地では領海侵犯した船長は凱旋英雄であり、勝利のサイン
を掲げて街頭行進している。今後の日本は立場を変えて、尖閣
日本の領土であることを中国にお願いすることになるのだろうか。
いくら「日本固有の領土である」と繰り返しても周辺諸国にその
真意は伝わっていない。お題目を唱えるだけで実質何も説明して
いないのだから理解されるはずがない。

 せめて東南アジアの諸国と連携して中国の横暴を阻止・破砕す
るだけの外交力を見せてほしい。でないと石垣の漁民も開場保安
庁もやる気をなくするよ。

 いくらでも言いたいことがあるが、所詮は新聞・テレビの報道だ
けを源に解釈しているのではカクカソウヨウ(この言葉が直接変換
できないのだ!)のストレスだけが溜まってゆく。

5-094  中国の追加要求

2010-09-26 17:50:31 | 世相あれこれ
風の谷通信 No.5-094

 「それ観たことか/やっぱりな」と思う。中国は船長釈放だけでは
満足せず、謝罪と賠償を要求してきた。日本の行為は「不法で無効
だ」と言う。
 日本の善意が通じる国ではないのだ。そのクニに向かって法を無視
してまで妥協した。その菅は売国奴。
 那覇地検が「国民生活への影響を考えた・・・」と言った。まさに
その通り、既に石垣の漁民たちに影響が出ている。それもまったく
反対の方向で。
 石垣の漁民達が事態の推移を恐れている。これからは中国や台湾の
漁船が尖閣地域に現れてワレワレを威嚇する。網を切られると思うと
怖ろしい。安心して漁ができなくなる。日本政府はなぜ日本の領土と
漁業を守ってはくれないのか・・・。地検の判断が漁民をおびえさせ
ているのだ。

 そして、海外メディアの多くも「日本が中国の脅しに屈した」と評価
しているらしい。これらを考えると日本人はまったく平和な人種だなあ
と思う。自分達の領土や権益が犯されているのに抗議できない。脅される
とクニの法律を自ら放棄して中国に従う。相手が網を切りに来るのに、
こちらからは反撃しない。一方で、拘留された4人について中国に抗議
しない。まるで日本人の違法行為を認めたような反応である。理不尽な
恫喝に対して膝を屈してしまう。

 そんな平和な人種なのに先の大戦でどうしてあんなに野蛮な侵略行為が
できたのだろう? 実に不可解である。
 
 もう一つ、河北省の4人が本当に中国の軍事施設に踏み込んでしかも
写真撮影したすれば、日本人の安全問題への無神経さに驚く。実際、
海外で置き引きやスリの被害に合う日本人のうかつさには定評がある。
ヒト(他人)を疑うことを知らない。このクニはそんなことが不要な
平和なクニなのだ。

 そんなに平和ボケの日本人ならば中国や韓国に対して領土を争う資格が
ないのかも知れない。ならば、周りから攻め込まれても一切抗議も抵抗も
せず、おとなしく受け容れるのが賢明だろう。なまじ大国であろうとし、
大国らしく振舞い、世界のリーダーの一翼を担うよりも、ひたすら謙虚に
小国となって、平和一筋・神とまつろうて静かに暮らすのがよかろう。

 ここ数日、尖閣の問題でイライラし続けてきたが、所詮はこのクニの
限界が見えたと思う。今更武装しても始まらない。するならば「核武装」
抜きでは意味がない。中国相手に戦えば、少しの間は勝てるだろうが、
レアアースがなければやがて戦闘機も飛ばず、イージス艦も機能せず、
レーダーも機能しなくなる。そこで戦争は負けになる。これは、鉄と油
がなくて敗れた先の大戦と同じことだ。所詮は資源小国の悲哀。

 とすれば、悔しいけれど小国になって平和に徹するしかない。その時に
活用できるものは外効能力しかないだろう。同じ苦衷を味わっている
小さな諸国とともに中国に対抗するのが一つの策であろう。 ところが
その外交が今回「支離滅裂・弱腰」であることが明らかになり、中国か
ら侮辱を受けているのだ。 これも先の大戦と同じ状況だろう。

 だから、日本が経済大国だとか「神州不滅」なんて大国ぶることを
やめれば良い。所詮は資源のない小国だと諦めて、国際的負担も放り出し
て平和・環境・学芸などを重視していれば、いずれはこの「神まつろう
クニ」が世界のリーダーに祭り上げられる時がくるだろう。かも。

5-093 尖閣を売る菅

2010-09-24 20:06:18 | 世相あれこれ
風の谷通信 No.5-093

 午後のラジオニュースを聴いていて唖然とした。怒りと
バカバカしさであきれてしまった。尖閣に領海侵犯した漁船の
船長を「処分保留で釈放する」という。内閣はこの判断に干渉
しなかった、司法独自の判断であると強調してはいるがそんな
釈明は信じ難い。これだけの政治的判断を那覇地検ができる
はずがない。政府がクニを売るような干渉をしたと信じるのが
正常であろう。検察が国内法に従って「粛々と」執行するの
ならば当然逮捕・起訴・投獄になるはずだ。

 「日本国民への影響と今後の日中関係を考慮」すればここで
引き下がるべき理由はなかろうに。
 
 その30分後に中国国営放送は「日本が不法に拘留した」と
報じた。いまだに正当な法支配がない中国政府からこんな言い方を
されて抗議もしないのか。反権力闘争を無法に取り締まって、人権
侵害を繰り返している国が日本に対してこんなことを言えるのか。
日本は中国にこんなことを言わせておくのか。

 非武装・平和を信条としてきた自分が、この頃武装・武闘の
必要性を認めるようになってきた。中国と朝鮮の暴力に対する反応
であるが、先の侵略戦争への反省を過去完了のものとして、改めて
この理不尽な隣国に対して武力を背景に臨んだほうが良さそうに思
えてくる。なんとも怖ろしいことだ。



5-092 ゲリラ豪雨

2010-09-22 18:23:07 | 季節の便り
風の谷通信 No.5-092

 暑かった!まるで蒸し焼きにされるような感覚だった。

 16時半頃、厚い雲の間からわずかに漏れる夕陽が世間を
薄く染めているのを窓の隙間から眺めながら湯船に浸かっていた。
ラジオ放送を聴きながら汗を落としてゆったりしていた。
 突然、ガシャガシャという騒音がラジオに混ざった。まるで
天井でネズミが騒いでいるような音だった。すぐに一旦鎮まった後
再び音が大きくなったのでラジオを消すと、雨の音だ。
 突然の豪雨がエスロン屋根を叩く。土砂降りの雨だ。

 芽吹いたダイコンに寒冷紗を掛けておいた。先ほど播いたハクサイ
のタネにも寒冷紗を掛けておいた。ヤレヤレ、畑へ走る心配がなくて
よかった。だけど本葉が出始めた若いキウリは大丈夫だろうか?
数メートルだけ寒冷紗をはがしたニンジンは大丈夫だろうか?

 なんて・・・考えているうちに豪雨がやんで、雲が切れて、エスロン
屋根の音が穏やかになった。ヤレヤレ。