風の谷通信

専業農家からの引退を画策する高齢者。ままならぬ世相を嘆きながらも、政治評論や文化・芸術・民俗などに関心を持っている。

10-086原発の安全性・また聞き情報

2016-08-31 19:20:46 | この道の先に

風の谷通信No.11-086

けさのポータルサイトに同じテーマを取り上げたいくつかの記事が載った。

これはNHK解説委員たち7人が日本の原発問題を論じたもので8月26日(かな?)深夜の生放送「解説スタジアム」だったという。

原発の安全性・開発コスト・ランニングコスト・事故の可能性・自然条件・エネルギー問題・避難対策・廃炉経費・・・と、各種問題点について突っ込んだ議論をしたという。生放送なのでチェックも入らず政権のご機嫌伺いに追われているNHJKとしては珍しく政府の政策を批判したそうである。

あらためてNHKの姿勢を評価し直した評論家たちがいる。あの気違いじみた会長が就任して以来NHKをこき卸してきた人達が今改めてNHKに敬意を払い、称賛している。

実際のところ、地震・津波・火山の問題を抱えているこのクニで、原発が安全・効率的・経済的なはずがない。加えて規制委員会は「安全性の審査をしているだけで、安全とは言っていない」と開き直る有様。加えて政府が責任をとるとはいうが具体的にどう責任をとるのか不明。せいぜい「カネを出す」というくらいではないか。これでは国民は救われない。カネを出すのならそれはいずれは税金か電気代で払わされるものだ。

論者たちが訴えているようにこの討論を聴いたら「およそまともな思考力を持った国民ならみな、この国では原発は持てないことを理解するだろう」とまで書いている。

ここで取り上げられた批判項目の数々はすでに私が幾度も指摘してきた通りである。

それでもなお原発を止められないとすれば残る目的は ズバリただ一つ 原爆を持つために ということしか無い。政権は民意を考慮する気はまったくないから、意地でも原発を「とめるものか」と開き直って、機動隊を総動員してでも原発再稼動を進めるだろう。リオで大口を叩いた内容は最初から大ウソだと判っていたとおりだが、汚染水は港に留まっているはずはなく海へと流れるし、凍土壁という夢物語はまさに悪夢でしかなかったと判明した。

それでもアベ政権は「やる」と言うか。原発反対は右派も左派もないぞ!


11-085大型迷走台風10号

2016-08-29 19:12:15 | この道の先に

風の谷通信No.11-085

様々な形容詞を伴って台風10号が接近している。

まずは大型=中心が940hPaというのは恐ろしい。そして、迷走台風・風台風・雨台風。まだあるのかな?附属として、大潮に満潮に高潮。フクシマ事故の影響から回復してはいない地盤沈下地帯へも遠慮なく襲うのだろう。農村ではナシ畑やブドウ畑は倒壊防止や落果防止に懸命だし、漁業組合では漁船を港の奥深くへと引き込んでいる。農業被害・漁業被害とう修飾語もつく。

こんな恐怖事態なのに、罪深いことではあるが、我々は雨を歓迎している。なにしろこの地方では6月25日と7月08日に降った他はずっと晴・晴・晴の連続。おまけに気温は朝から35℃を超過。畑はガチガチに乾いて、トラクターのロータリーでも跳ね返される始末。鍬で打つくらいではとてもじゃないが耕起できない。秋植えの苗が育っているのに植え床が作れない。そんな訳でとにかく雨を待ち焦がれている。夏からずっと大雨に苦しんでいる北海道の皆さんには申し訳ないハナシです。

幸いなことに台風とは別に、北からの寒波が西日本を覆ったので、昨日の夜から相当大きな雨が降ってくれたので、畑は潤ったはずです。今週の後半には耕耘作業ができるはず。なんとか苗の成長と足並みがそろうことになる。有難うさん。

補足:昨日の午後、世間の気温が少し低くなってのを幸いと、ハクサイ苗約40株のポット上げを追加。昨日の夜から雨が降ったので定植苗が元気しています。


11-084狗賓童子の島

2016-08-25 15:49:57 | この道の先に

風の谷通信No.11-084

読書記録  狗賓童子の島(飯嶋和一作)

繰り返し読んでみた。時をまたいで区切り読みや通し読みを含めて全部で6回目だと思う。時代小説と言うには長くて、歴史小説と言うには短い感じの、それでも550ページの大作と言える。

時代背景として大塩の乱から明治維新までを縦糸とし、大阪・河内から隠岐の島まで含む地理や藩政や官吏に支配される民衆の生活を横糸とする。その中を、舞台回しとして大塩の乱に参与した父の責めに連座して15歳で隠岐に流された西村常太郎と種痘普及活動やコレラ防疫の活動などが描かれる。また添景として江州野洲川流域の大一揆や隠岐漁民の自律経済活動や、外国船の来訪とその艦載砲による長州・薩州の敗戦なども描かれる。

隠岐を支配する松江藩の場当たりな執政は幕末の混乱の中で無責任の極みに達し、遂には島民の反乱や分裂を招くに至る。時代小説の中ではごくありふれたテーマではあるが、そしてこの原作が2009~2012年に作られたにも関わらず、なんとも現在のこのクニの情勢に似通っているのが興味深い。幕末藩政の代官たちは何事にあれ松江のご意向ばかりを気にし、ご一新の掛け声を張り上げた明治政府の執政も混乱と無責任を絵に描いたような有様であった。結局は、政治に必要なカネを出す者たちのための政治が行われて、政治は特権付与された者たちと結託し、島民は「無理」の中に押し込められてゆく。執政達は維新の前後を問わず政治の無理・屁理屈を押し通すだけに過ぎない。下を向いて威張り散らし、上の御威光だけを気にしている現状は政治家や一部マスコミの姿そっくりである。

そして、民衆対代官という意味では、今日のアベ政権が沖縄・辺野古や高江で採っている行動がそっくり重なるのだ。国民・県民がどんなに訴えても全く考慮せず、すっとぼけた顔で強引に権力を揮っている。少なくとも民意が統一されていないという意味で、政権の行動は無理無体・我儘勝手・独断専行である。機動隊を動員して暴力で支配する様(サマ)も本作品と重なる。つまりは幕末と現代とはほとんど差がないと言えるのだ。

もう一つ興味深い話題がある。外国船の接近に慌てた松江藩・松平家が島の民衆を武装する。藩兵数十人を武装して送り込んだ上で、民衆を民兵に組織し訓練しようとする。その時の武具のひとつが竹槍である。鉄砲も大砲も外国船の装備には及ぶべくもないのに、民兵に竹槍を持たせて訓練する。お笑いである。なにがお笑いかというと、そっくりそのまま昭和20年になってもやったのだ。相手さんが1分間に何発発射できるかという自動小銃をやっきになって開発して実戦投入している時に、神国日本は竹槍戦術の本土決戦を本気で実践しようとしていたのだ。つまり、幕末から昭和までまるで進歩していなかったということだ。相手の事も知らないで。孫子の兵法はどこへいったのかね。それでよくもまあ、「日本不敗」なんて高言していたものだ。その戦争を、この平成時代になってもいまだに「聖戦」だと叫んでいる仲間もいる。お笑い草。私は皇統右派を自任していて、天皇皇后陛下を尊敬し、皇室を崇拝しているが、先の戦争を聖戦と呼ぶ気はないし、神国二ホンだとも思わない。まして、このクニタミが近辺諸国に比して優れた選良の民だとも思わない。

それにしても、6回も読んでなお「狗賓童子」とは何を指すのか理解できないし、550ページの作品をまとめるのは難しいなあ。

 


11-083ハクサイのポット上げ

2016-08-22 16:31:02 | 農業日記

風の谷通信No.11-083

久しぶりに農業の話題をひとつ。

連日暑さが続きます。早朝から室温が35℃も36℃にもなります。仏間に座ると熱い空気が背中から胸まで全身を包みまして、まるで蒸し焼きにされるみたいですから、頭の芯がジーンと痛くなってきます。お経を端折って外へ飛び出したい気分です。

きのうはムラの出役でアゼ刈りをしましたが、午前7時半に出て1時間ほどで眼の奥が緑色に光って視野が暗くなってきたので、適当に引き上げてきました。冷たい風呂に浸かったあと、氷枕をして玄関の板の間で寝転がっていました。

 

きょうは空の80%ほどが雲に閉ざされて少し涼しいので、夕方からハクサイ苗をポットに上げました。といっても理論も技術も知らないので、我流でして、ただタネ屋さんが「箱播きしてポットに上げたらよろしい」というので真似てみたのです。なにしろ、これだけ暑いと、畑に直播(じかまき)しても灼けて枯れてしまうだけですし、仮に発芽しても、畑の中で移植しても活着が難しいです。こんな難しい栽培を暑い陽射しの下で<一体誰のために>するのだろう???

わからん。だけど、ある知性豊かな友人が言います。「百姓は強いなぁ。これだけ儲からんのに平然と生きているぜ」と。全く同感です。暑さのさ中で農業をやりながら『どっこい生きている』とつぶやいています。 

    箱播き苗(手前)とポット上げの株


11-082東村高江集落・これが二ホンなの?

2016-08-18 20:33:18 | この道の先に

風の谷通信No.11-082

今月も DAYS JAPAN が届きました。沖縄県高江集落の現状を生々しい写真が伝えています。米軍ヘリコプターに頭上を占拠されたムラ、米軍訓練場と海岸線に挟まれたムラ。

そしてもう一つ、道路を埋めつくす警察機動隊の隊員たち。人権も無視されて悔しい毎日・辛い毎日を送る集落の人達をゴボウ抜きに排除してゆく屈強な機動隊員たち。

これがほんとうにこのクニなのかしらん?なんで気にかかるのかというと、この場所にヘリやオスプレイの訓練場を作らなければならないとい必然性が無いからです。静かに平和に生きることだけを願っている人達の頭の上をヘリコプターでかき乱さなくてもよさそうなものを。

高江とは別に、私たちのムラの頭上をヘリが飛びます。自衛隊が操縦訓練しているのです。このヘリは低空へ降りては来ません。民間のヘリも度々飛びます。何度かは航空写真撮影のために家の屋根のすぐ上まで降りて来たことがあります。その音の凄まじさと空気圧と機体の恐ろしさよ。あんな民生用の小型ヘリでも空恐ろしいものです。

それなのに、高江では米軍の軍用ヘリがすぐ頭上を飛び回るなんて、「戦争じゃないんだよ」と言われても恐ろしいですよ、戦闘と同じレベルの訓練なんだから!!!頭の真上30メートルや50メートルをホバリングしてみなさい。下にいたら気が狂いますよ。沖縄の人達は毎日そんなに苦しんでいます。

 

皆さん、 DAYSJAPAN を読んでみて下さい。人権さえも無視されて悔しさに苦しんでいる沖縄の人達の本当の姿が見えてきます。また、その購読料がこの記者たちの行動を支援する力になります。いつも書くように、右派も左派もない、このクニの姿を知りたいためです。