風の谷通信No.9-038
書いた文書を後日読み直してみると出来の悪いのが多い。やはり眠気に追われながら書いた文章は欠点が目立ちます。そこで、少々書き直ししました。
オリンピック誘致演説の現場でフクシマの現状についてアベさんが宣言したことは嘘です。状況は決して統御されてはいません。それどころか、現在も新たな問題が起きています。例えば汚染水は止まりません。上からどんどん流れてくる水が、核汚染が広がっている地区を通過して海へ向かうのに、それがあの狭い港の中に留まっているはすがありません。海の汚染は大きく広がっています。とてもじゃないが「状況は統御されている」はずがないです。
フクシマでは核燃料は行方不明、汚染水タンクはだだ漏れ、建屋内は爆発直後のままの混乱、宅地も農地も復旧できず、おまけに街路にも高い放射能があります。その混乱と汚染の中へ住民を帰還させよという計画もあれば他の原発を再稼働させようという計画も動いています。いまだに13万人という避難民が放浪し続けているのにです。
この現状についてこの国のマスコミ(例えばNHK)は報じていません。汚染や子供の疾病や、放射能の被害についてさえ欺瞞と隠蔽が続いています。あの爆発直後のスピーディⅠのデータ隠しと同じです。フクシマの爆発直後の汚染状況や汚染大気の流れをスピーディⅠで予測したものを住民には公表しませんでした。理由は「不確実なものを公表したら混乱を与える」という素人にもバカバカしいようなことでした。それでいて、そのデータを米軍には伝達していたというのですから国民を二重に馬鹿にしたと言えます。
当時、ドイツ気象庁が汚染大気の流れを予測して公表していました(当ブログでも紹介しました)。しかし福島県民はそのデータやスピーディⅠのデータを知れされないままに、まさに汚染大気の流れる方角へ「避難」していたのです。無用な放射能汚染を拡散していたのです。
そこで今度の「アベさんの嘘」についての報道ですが、アベさんが大見えを切ったものの状況は決して統御されていないという実情を、これまたドイツのテレビが報道しました。題して「フクシマの嘘」。
なかなか見ごたえのある内容です。ちょうど朝日新聞の連載記事「プロメテウスの罠」に、元GEの技術者ケイ・スガオカが原子炉に亀裂を見つけたのを東電やGEが隠したという事件の内部告発顛末記事が載っています。それに対応するような、このドイツ放送局の報道です。
ところが、このテレビ報道に対して誰かが攻撃を仕掛けて削除しているそうです。世界に知れると不都合だから拡散を妨害するのでしょう。当然ながら、一方でこの情報を拡散しようとする勢力があり、二つの間でイタチごっこになっているみたいです。
その番組(動画)のURLを植草一秀さんがブログに掲載しているので、ここへ転載します。どうぞ訪問してみて下さい。
引用紹介始め 『フクシマの嘘』
http://www.youtube.com/watch?v=8MZKxWLruZQ
『フクシマの嘘 其の弐』
http://www.youtube.com/watch?v=8wCehe0iaKc
の閲覧が可能なので、市民のネットワークで閲覧を広げてゆく必要がある。
引用紹介終わり
もし上記の引用紹介のURLにつながらない場合は「ZDF」で検索して下さい。このZDFのタイトル記事一覧の中に「フクシマの嘘」が見つかります。あのスピーディⅠのデータを公表しなかった隠蔽体質が今も続いているのです。どうぞ上の番組を覗いて、実態を眺めてみて下さい。原発再稼働などという不条理がまかり通るはずがないと思えるでしょう。
話はかわりますが、このクニに【DAYS JAPAN】という雑誌があります。イラク戦争の実態を記録した写真を世界中の報道機関が無視し排除したという実態に直面して「目をそらしてはいけない」という姿勢で以て発刊されたそうで、世界のさまざまな国・民族からの写真を載せた写真雑誌(フォトジャーナル)です。この雑誌はいくつものテーマの中でフクシマの情報を絶えず報じています。その中にフクシマ周辺の各地における汚染の実態を計測・報道したものがあります。この雑誌に掲載された汚染実態を、次号で引用紹介したいと思います。「フクシマの嘘」の裏付けになる測定データが盛り沢山です。本誌の著作権を侵害しないように注意しながら、ごく概略の紹介になりますが、それでもきっと驚かれると思います。上のZDFの動画と合わせてぜひ見てください。あるいはこの報道誌の購読をおすすめします。