風の谷通信No.13-058
巨大技術は崩壊する、というのは私の世間認識の基本項目のひとつ。その事例が合わせて顕現した。
まずは加古川(神戸製鋼所)の巨大クレーン車の倒壊。早朝のラジオ報道ではクレーンの高さが200メートルと思うような言葉であったがこれは信じがたかった。新聞記事によるとアーム(ブーム)の長さが200メートルだったのではないか。ブームの先に荷物を提げて旋回する操作の試験中だったという。それにしても結構大きすぎる。ここで死者が1人、負傷者が3人。
次の報道は東京の完工間近という建設現場で火災が発生。工事現場で死者が5人、けが人が約40人。巨大なだけではなく、可燃性建材もたくさん使っていたという。巨大技術、巨大作業のどこかに隙があったか、油断があったか、この可燃物に火が飛んだと考えられている。
いずれは崩壊する巨大技術。人間の管理能力を越える技術はその使い手である人間そのものを破壊する。ごくごく最近の世界を乱す熱波もこれら巨大技術の結果かもしれない。改めて欲張り生活を諦めないと来年、再来年と気象はますます人間を複利めることになるやも知れない。