風の谷通信 No.2-206
連続の大豆脱穀作業に一段落をつけたのできょうは休養
・休業日。天気も良くないし、畑を休んで京都行き。雨の京都
もまた良かろうと。
もう何年か訪ねていないよ。息子が百万遍に下宿していた
ころには度々訪問したが、最近はとんとご無沙汰。この前に
行ったのは嵯峨野・常寂光院・大河内山荘だった。
今日はよく知った南禅寺へ向かったが、あまりにも人が多
いので、同じ山内の小さな院を見物した。
まずは天授庵。その見事な紅葉は旅の案内雑誌などに
度々登場する。玄関から座敷を透して中庭の紅葉を眺める
シーン。曇り空なのでまともな写真が撮れたとは思わないが
とにかくカメラに収めてきた。現像まで日数がかかりそう。
建物の横を回って庭に入るとその紅葉の下から逆方向に
玄関側が見える。 その庭もきれいで見事。
次は金地院。特別拝観で「猿侯捉月図」が公開されている
というので¥1100.也を払って中まで入る。
これは値打ちがあるよ! お奨めだよ! 金地院大方丈の
中に入れて頂いて屏風絵や茶室などを拝見する。特別案内
付き。小堀遠州の作という枯山水の名園、金箔を貼り付け
た屏風絵(狩野探幽と尚信の作)、長谷川等伯の襖絵「猿侯
捉月図」と「老松図」、本尊地蔵菩薩(快慶作)、狩野派の
弟子達による杉戸絵の菊、遠州作の茶室・・・という見事な
作品に接し、こけら葺きの屋根や瓦の大屋根などを眺めて
いると、本当の日本文化の底力といったものに打たれ圧倒
される。いま時の無国籍的な2×4やコンクリートのビルディ
ングなどと言った軽薄な建築が全くのにせものに見えてくる。
バスの途中で降りて「哲学の道」へ出る。落ち葉の数と同数
程の人間が歩いている。我もその一人。銀閣道へ出る。もう
八重洲口と変わらない人ごみ。入るなり、後ろから男子高校
生団体がどかどかと入ってきたので、早々に退散する。銀沙
灘(ぎんしゃだん)の高い盛りつけを眺めただけで出口へ。
銀閣は既に何度も訪ねたが今回は全くの素通りに近い。代
わりに銀閣道で喫茶店に入って、ありきたりのコーヒーを飲
んで帰途に着く。
疲れたけれど心愉しい一日であった。予定していた詩仙堂
と金福寺には時間切れで行けなかった。