風の谷通信

専業農家からの引退を画策する高齢者。ままならぬ世相を嘆きながらも、政治評論や文化・芸術・民俗などに関心を持っている。

沖縄の集団自決

2007-03-31 18:18:43 | 世相あれこれ

風の谷通信  No.21-074

 先の大戦の終局で悲惨を極めた沖縄の地上戦があり、追い詰め
られた非戦闘員(一般島民)が多数自決したことを、戦後のいろいろ
な文書の中で知っていました。

 きょうの新聞第一面ニュースは、文部省の教科書検定でこれが
否定されたことです。従軍慰安婦問題と同様、軍による強制は
なかったとする検定意見です。

 軍が日本人に対して銃を向ける状況で、自分の乳飲み子の鼻と
口をふさいで殺した島民の悲痛な声を読みました。親子・家族で
殺しあったことも読みました。洞窟から出ようとするとスパイ呼ば
わりされて後ろから撃たれた記事もありました。 すべてはその
修羅場を危機一髪で逃れた人たちの証言によるものです。

 それらが、歴史の検証という過程を抜きにして、検定という文部省
官僚の意見によって闇に葬られようとする、このクニの姿は異常です。
例によって、産経新聞と読売新聞では文部省の見解を支持して
いますが、両者には少し違いがあって、読売では悲惨な事実を伝え
残すべきだという署名の記事があります。産経は上坂さん(でした
か?)の調査結果を引用して、事実を全面的に否定し検定意見を
支持しています。

 従軍慰安婦問題、靖国の戦犯合祀問題、蟻の兵隊問題、残留孤児
問題、南京虐殺問題、原爆被爆問題、シベリア抑留問題等々、この
クニは戦争を知らない世代が権力を握るに連れて過去の大切な失敗
を否定する方向へとひた走りに走っています。 

 たしかに、慶良間諸島(でしたか?)の高級指揮官のようにそんな
命令を出したことがないと裁判に訴えている人もいるでしょうが、
命令を出したか誘導した指揮官または兵達がいたことは間違いない
でしょう。でなければ、一般島民が自決できません。穏やかな沖縄
の人達にはそんな怖ろしい勇気はなかったでしょう。

 当時の軍事・政治の話になると、その悪弊をなんとかして否定し、
あるいは過小評価しようとする動きがあって、「教科書検定」の場で
それを実現しているのが現在の政治です。まず教育に的を絞って
洗脳を図るのでしょう。その恐ろしさは60年前に体験したのと同じ
ことです。

 頼るべき右翼がこんな有様では、左翼に頼るしかないのか!という
絶望感が強くなります。日の丸を掲げて、このクニを誇りに思うには
不足な政治です。でも、もう老い先短い立場ですからあれこれ言う
こともないでしょう。これからの時代を担う若い人達がバカテレビに
浮かれて満足しているのならばそれで結構としましょうか。

 

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十三夜

2007-03-30 21:21:26 | 季節の便り

風の谷通信 さん農園便りNo.2-073


 早暁、激しい雨音に目覚めました。
 エスロン屋根を叩く雨の音、窓のすぐ外にクルマが停まってアイド
リングしているかのような激しい風音。窓の外は重苦しく暗い。 

 そのうちに光が走って一呼吸おいて遠雷の音。ドロドロドロと響きます。
暫くすると、強い稲妻に続いてやや近くに雷鳴。雲が低いせいか、この
谷間全体を揺り動かし、我が家も揺り動かしながらドロドロと上空を
渡ってゆきます。稲妻のあとには雨音がひとしきり強くなります。

 こんなに激しく降ると、きのう種まきして軽く覆土したニンジンの種が
はじき飛ばされて裸にされるのではないかなと心配で、午後にも空が
晴れたら覆土し直さなきゃいかんなア、と考えながらまた寝入ります。

 こんな風雨の夜には決まって古い歌「旅愁」を思い出します。
   更け行く秋の夜 旅の空の/ 侘しき想いに一人悩む/
   恋しや故里 懐かし父母/ 夢路に辿るは里の家路//

   窓打つ嵐に 夢も破れ/ 遙けき彼方に心迷う/
   恋しや故里 懐かし父母/ 思いに浮かぶは杜の梢//

 さて、夜が明けて午前中に明るい陽射の中でツバメを見かけました。
今年初めてのツバメです。いよいよ春ですね。

 1日中晴れ時々曇りの空模様が続いたあと、夜には、雨で洗い
流された空がきれいに澄み渡り、十三夜の月が中天に輝いていて、
深い夜空の藍色に心が吸い込まれてゆきそうな宵です。あの夜空の
果てに生命の故里があるのだなあ、と眺めます。
 星座も変化して、オリオン座が宵の口にすでに西に移っています。

 月が緑色に輝くこの季節は、晩秋に次いで私が好きな季節です。

 

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偽装請負 キャノンが是正計画

2007-03-29 20:47:03 | 世相あれこれ

風の谷通信  さんの縁便りNo.2-072

 キャノンが偽装請負を是正するそうです。経団連会長になった御手洗氏に
政界までも含めて各方面から批判が向けられたためか、遂にわずかながら
是正することになりました。

 キャノン・グループ全体の製造部門では、70%以上が非正規雇用者です。
そこで、現在の間接雇用者の中から1000人を正社員とし、更に2500人
を契約期間3年未満の期間社員とします。いかにコスト削減のためとは言え、
製造現場の70%を非正規雇用に任せていて、会社は安心しておれるので
しょうか。そのままでは、日本のもの作りの現場が荒れてしまうのではない
でしょうか。少しでも早く是正して、技術を伝え広めてゆく製造現場を作って
ほしいものです。もっとも、この3500人が全体の何パーセントに当たるかは
不明です。

 さて、この是正が他の企業にも及ぶでしょうか。トヨタ自動車の期間工は
変わるでしょうか? 松下グループの偽装はなくなるでしょうか? 国内
全体の非正規雇用慣習がなくならないと労働者全体の地位が上がりません。
だいたい、70%もの非正規労働者に作らせていると自社品の品質に確信
がもてないだろうと思いますがネ。  

 時は春、 庭先にレンギョウが黄色く浮き立ち、他家の庭では辛夷が満開
です。早いところでは木蓮も満開です。
 この時に、働く階層がせめて人間らしい待遇を受けるようになってほしい
ものです。

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菜種梅雨

2007-03-27 21:18:28 | 季節の便り

風の谷通信 さん農園便り No.2-071

 朝から冷たい雨が静かに降って、底冷えのする1日です。
空はどんよりと低く垂れて風がないので世間が澱んでいます。
こんな日は畑仕事はないし、外出を避けて縁側の安楽椅子で
厚手の毛布をかぶって本を読んで過ごします。きょうは午後一杯
ずっと縁側の窓の明かりで本を読んでいました。底冷えするとはいえ
穏やかな春先の1日です。
 
 今読んでいる本は 「ことば学びの放射線」 、副題が「歳時記」「風土記」
のこころ、 中洌正堯著 三省堂刊 。   副題にあるように、時の流れと場
の広がりを通しての言語学習を易しく開設された本で、生徒だけでなく大人
が読んでも楽しい本です。 中洌先生は広島大学出身、国語教育の専門家で
元兵庫教育大学学長、現同大学名誉教授です。

 畑では菜の花が咲き誇り、水仙も盛り近くなりました。全体にはまだ
花が少ないですが、春の姿が近づいてきます。この冷たい雨は菜種梅雨
の特徴でしょう。

  菜 種 梅 雨      3. 29, 96
長期予報通りだよ/
二日か三日おきに寒空が繰り返すよ//

菜の花が一杯に咲いて/
冷たい雨が降るよ//

足下がよく乾かないので/
タネまきも植え付けもできず//

空では百武彗星が/
雲の向こうに霞んでいるよ//

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フルート+ピアノ演奏会

2007-03-25 18:15:55 | 文化・文芸

風の谷通信  さん農園便りNo.2-070

 今月も小野市好古館から「お知らせ」を頂き、音楽会に出かけました。
東京芸大在学中のフルート奏者・押部 朋子さんは中学時代から各種芸術祭での上位入賞経歴を持つ人です。
ピアノ奏者・松本 由紀さんは小野市で生まれた西宮市民で桐朋学園大学卒後、演奏活動を続けながらまた同志社大学の音楽科に再入学しているという実力派です。

 印象に残った演奏曲:ボザの「イマージュ」(フルートソロ曲) フルートにしては激しい曲で、東洋的な印象の旋律   尾高尚忠の「フルート協奏曲 第1楽章」 いかにも込み入った曲で演奏がむずかしそう   木下愛子編曲  「春の小川」 と 「さくらさくら」  「春の小川」 は早瀬にきらめく日の光を思わせるような編曲 「さくらさくら」も特異なイントロの素晴らしい編曲  木下愛子さんは押部さんの同級生で作曲科在籍中 

 かねてより時々お報せしていますが、小野好古館の音楽会は100人程度のささやかな集まりで、いつも楽しい音楽に触れることができます。好古館館長さんが、博物館は市民との日常的な触れ合いが大切だ、という方針で企画にご苦労されている結果であると思います。

 ついでながら、小野市「うるおい交流館エクラ」での梯 剛之のピアノ・リサイタルの案内を受けました。
  盲目のピアニスト・梯さんのリサイタルは4月29日18:30開場 19:00開演です。 
     

    問い合わせは上記交流館 電話:0794-62-5080  FAX:0794-62-2400 



 

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