風の谷通信

専業農家からの引退を画策する高齢者。ままならぬ世相を嘆きながらも、政治評論や文化・芸術・民俗などに関心を持っている。

暖冬の終りか

2007-03-09 20:36:21 | 健康/生命

風の谷通信  さん農園便りNo.2-057

 暖かい日が続いてこのままでは春の作物の準備が遅れるのではないかと恐れて、いそいで春野菜の種を播きましたが、突然に寒風が吹き荒れて霜までも降りました。トンネルをかけていなかったアブラナ科野菜は早々と苔立ちするかも知れません。
 
上の二つは今朝の畑で水仙が霜に覆われた姿です。水仙の花と蕾が霜に覆われていたが、日の出とともに霜が少しずつ溶けてゆきます。 下の写真は冬を越したアブラナ科の花茎がやはり霜に覆われた姿です。



ところで今夜のニュースによれば、エルニーニョが終わったそうです。暖冬の原因のひとつであったエルニーニョが終わったので気温が下がるだろうといわれます。道理でここ数日、風と寒さが襲った訳です。

 いつも異常気候について話す時に「もしこれが太陽活動の変動による異変でなければ・・・」という保留条件を付けていたのですが、この条件は不要らしいです。アル・ゴア氏の「不都合な真実」を読み、IPCC報告の記事を読むにつけ、この変動の主たる原因は人間活動にあるということがはっきりと示されています。太陽活動の変化による長期気候変動の大枠を飛び出して大きく狂っているのが現在の気象危機です。 とすれば、この危機を克服するのは人間自身の活動でなければならないことが明白です。 
 身近なところでは、もうずっと以前から作物の生育サイクルが狂っています。他の事象もいろいろと狂っています。 化石燃料を節約し、再生可能なエネルギーへと転換して、温暖化を少しでも防ぐ努力をしないと、水と食べ物がなくなる危険が迫ります。欲望に任せて地中から好き勝手に資源を掘り出して使い放題に使ってきた人間活動が、いま人間自身の首を絞めているのです。 いつまでもウランを掘り出して、そのカスを露地に積み上げておくことは許されませんよ。そして、戦争なんかやってる場合じゃないですよ、アメリカさん。
 
 ところで、エルニーニョが消えて、次はラニーニャだとか、それによってまた暑い夏が来るとか言っていましたが、ラニーニャでは寒い夏になるのではないのでしょうか。今年も怖ろしいような台風・ハリケーン・サイクロン・竜巻が襲うのでしょうか。酷熱で何万人もが死ぬような怖いことが起きるのでしょうか。

 いずれにしても、ヒトが身体を平穏に維持できる環境の中で、作物が芽生えて実を結び、熟するという自然のサイクルが守られなければ、それに頼ってきた人間の生命が危険に曝されるのは自明の理です。 そんなことを畑の中で強く感じています。