*単なる雑談です。
よく「レンズは資産」などと言われる。ボディはやがて陳腐化するが、レンズは長く使えるので資産になり得る、と言うもの。
まあ、そうなのだが、さいきんはレンズの方も進化しているので、実務的にはそうとも言えない面もある。標準ズームは特にそうだ。
8年前に僕が買った、D70sのキットレンズ、AF-S DX18-70mmG、これはDXレンズ初期の傑作として名高い。今でも好きなレンズだ。
ただ、その後世間ではいつの間にか手ぶれ補正が当たり前の時代になってしまった。今では普段使う機会の最も多いこの焦点域に、このレンズだけで全てをまかなうのは何となく心許ない。もちろん、趣味的に、このレンズの繊細で柔らかい描写を味わうには何の問題も無いが。ただ、次のボディを買うときは、ボディだけではなくやっぱり手ぶれ補正付きの最新の標準ズームも買いたくなってしまう。
これが単焦点レンズなら、「資産価値」の賞味期限はもっと長いだろう。もともと、キットレンズというのは、フィルム時代から数年単位で更新されており、資産として捉えるべきものではないのかも。
MFTもその歴史が始まってからまだ5年もたっていないのに、各社の標準ズームはそれこそ毎年のように新しいのが出て来て、ころころ変わっている。オリンパスの現行14-42mmⅡRも、3代目だ。僕が持っているのは初代のやつ(厳密に言うと、これはPL1のキットレンズで、マウントをプラにした廉価版)。
現行よりだいぶ太く、フィルター径も大きい(40.5mm)。世間では格好悪い、とさんざん言われている。
オリンパス最初のMFTはこの標準ズームと、パンケーキ17mm F2.8の2本のレンズでスタートした。4年前の今頃、E-P1の発売に世間は喝采を上げた(じぶんたちだけ?)が、レンズのデザインが格好悪い、と言う人はあまりいなかった(まあ、僕もズームはちょっと大きいな、とは思ったけど)。今からたった4年前なのだが。
沈胴式で、店頭でいじっているときは引き出し方がわからなくて迷った。伸ばすとたしかにあまり格好良くはない。
話はそれるが、少し後に出た望遠ズームもデザインや質感は安っぽかった。オリンパスもその後質感を気にするようになり、外装を替えたりするようになった。
同じ焦点域の、パナの標準ズームも持っているが、作りやデザインはパナの方が良い。
この初代ズームが、現行機やパナのズームより良いところは、最短撮影距離が5cm短いことだ。25cmまで近づける。室内で小物を撮るのにとても重宝する。
パナ14-42mmはこのくらいにしか撮れない。
この違いは大きい。
ちなみに、ズームの方向(広角から望遠)はオリンパスとパナソニックで逆だけど、不思議とそれで戸惑ったことがない。
マクロ域でなくても、全体に描写性能は良いように思える。パナのレンズもそれなりに評価が高いが、オリンパスも捨てがたい。ただ、AFは遅い。
取り替えるつもりはないが、その気があれば中古屋で1万円以下で、現行機が買える。しかし、結局安いのはボディと一緒に買うことだろう。
たとえばE-P3を買うならレンズキットがお得。ボディ単体より安いくらいだ。E-M5はどうか。ボディと、キット(12-50mm付き)との価格差は1万3千円弱。12-50mmって、スペック的にはそれほど魅力的には思えないけど、24mm(相当)が使えるし、まあキットで買ってもいいかな、と思ってしまう。こういうことを言っていると、どんどん、標準ズームばかり増えてしまう。やはり標準ズームはレンズ資産になり得ないか。