よくおなかが空いていたときに食事をすると、食べ終わった後でまだなんか食べたりない、と感じるときがある。体が満腹の信号を脳に送るのに時間がかかるためだが、買い物にもそんなことがあるのかもしれない。
先日Powershot SX150ISを買ったが、同時に比較していたのがオリンパスのSZ-14と、パナソニックのDMC-SZ7 (今気がついたが、違う会社なのに型番がやけに似ている。Super Zoomなのでしょうね)だった。SZ-14は機能的にはかなりいいが、一眼レフのレリーフみたいなデザインがちょっと・・ということで次点になった。
パナソニックの方はルックスはかなり良く、触った感じも良かったが、ネット上でのレビュー、口コミ等がほとんど見つからなかった。SX150ISもその点は全然ないのだが、本機は旧モデルSX130ISからほとんど変わっておらず、そちらの方の記事はそこそこ見かける。DMC-SZ7は一応ブランニューの新シリーズで、カタログでも表紙で取り上げている程なのだが。
これを買わなかったのは、ネットの評判もさることながら、手持ちのIXY31sとの兼ね合いも考えたからだ。DMC-SZ7は重量、ズーム倍率などIXYに勝り、これを買うとIXYの出番がなくなってしまいそうである。別の言い方をすると、望遠が強い以外はIXYとできる仕事は変わらない、ともいえる(ただ、画質はどうなのかよくわからない。以前に、雑誌で山田久美夫氏が、IXYは周辺の画質をはしょるが、パナソニックのレンズは手抜きがない、などとほめていたが)。
SX150ISはずんぐりしたボディだがマニュアル機能もある程度あり、単三電池使用、撮像素子がCCDで日中の画像がきれい、など、IXYと補完関係が(頭の中では)成り立ちやすい。安かったし。
というわけで、SZ7は買わなかったが、何となくまだ満腹感が足りなくて、量販店でちょっといじってみたりしている。量販店でも安くて、16千円ぐらいだ。アメリカではこれの新型らしきものが発表されているので、モデルチェンジも近いのだろう(Lumix G5を含め4機種ぐらい発表になり、話題になったが、ここでも完全に無視されている)。ビックのポイントがたまっているので、買おうと思えば買えるけどなあ、なんて思ったりもしている。
同じものばかり持っていても仕方ない。数年たったら買い換えればいい。今までもそうしてきたのだが、実は将来には一抹の不安を感じてもいる。
一つは消費税が上がること。もう一つは、リーズナブルな価格と品質のコンパクトデジカメが、このまま供給され続けるかどうかへの懸念である。
今の家に越してきたとき(14年くらい前)、(語学)勉強用及び一般用途としてラジカセ(ラジMD)を買った。部屋に置いてもそう違和感がない程度の作りの良さと、それに折り合った価格(3万円ぐらい?)とうことで選んだが、その頃既にラジカセは、メーカーがしのぎを削って新製品攻勢をかける、という状況ではなかったし、たとえばオーディオ雑誌を読んでも、ラジカセの選び方なんて記事はどこにも載っていなかった。
ので、選ぶのに結構苦労した。買ってしまうとそう何度も買い換えるようなものでもなかったので。実際、未だに寝室でラジオとして使っている。ラジカセのようなものをいくつも買いかえるような人は、ある種特殊なマニアといってもいいだろう。
しかし、この10年の時代の流れはラジカセを押し流してしまった。今でもラジカセは買えるが、それこそ数千円台の、本当の安物が主流だ。基本的な性能は(受信感度とか)は悪いわけではないのだが、日常使うものとしては情けなさ過ぎる。実際そう使う人も多くないのだろう。いま大人向けの、マニアックでないラジオを買いたかったら、チボリオーディオとかボーズとかの海外ブランドになるのだろうか?
コンパクトデジカメも、最初は雑誌が色々取り上げていたが、デジ一が手の届く範囲になってからは話題にならなくなり、話にのぼるのはいわゆる高級コンパクトだけだ。ネット上でも、今売られているデジカメならどれを買っても失敗だと思うことはないでしょう、と言われるようになって久しい。ここ数年はスマホがコンデジに代わるようになってきているし、そろそろコンデジもラジカセ化していくのではないだろうか。