60歳からの視覚能力

文字を読んで眼が疲れない、記憶力、平衡感覚の維持のために

空白を埋める

2006-05-12 22:50:43 | 文字を読む

 記憶がハッキリしていない場合は、示唆の影響を受けやすいので、aのような質問を受けると記憶が変形する場合があるそうです。
 信号は赤であるのを目撃していたのに、黄色でしたかと聞かれ、黄色だったと思ってしまったり、男が眼鏡をかけていなかったのに、眼鏡をかけていたのを思い出すかと聞かれると、かけていたと思い出したりする例があるといいます。
 記憶がハッキリしていないときは、質問者から示唆をされるとその言葉で記憶イメージを補強してしまうのです。
 つまり脳には空白部分を補完しようとする傾向があるということで、穴が開いた状態を埋めようとするため、だまされることもあるのです。

 bのように伏字があれば、たいていの人はこれを埋めて読もうとします。
 カタカナ一文字を埋めるのですが、手がかりは前後のカナ文字と、文章全体の意味です。
 日本語は言葉を思い浮かべるとき漢字をイメージするという説がありますが、この場合は読みが確定していないので、漢字を先に思い浮かべるわけにはいきません。
 全体の意味とそれにマッチしそうな言葉を音声として思い出さないと適当であるかどうか判定できません。
 意味として適合し、音声として適合する単語を思い出せればよいので、特に漢字にしてみる必要も内容に思えます。

 cは誤用例なのですが、檄や綺羅という字の意味を知らないで使われているのですが、どのような意味と感じて使っているかは、読む側も感じ取ることが出来ます。
 読む側がこれらの文字を知らなければ、知らないままにするか辞書で調べればよいのですが、多くの場合は誤用した書き手の意味を感じ取って受け入れてしまいます。
 意味が分からないまま空白の状態にしたくないので、書き手の感じている意味を受け入れてしまうのです。
 そうすると誤用が再生産されて、普及していくということになります。
 dの場合は漢字が伏字になっていますが、この程度の場合は特に考えるまでもなく半ば自動的に伏字部分を生めることが出来ます。
 前後の文字と全体の文脈から適合する文字が自動的に思い浮かべられるのです。
 この場合も思い浮かぶのは文字が最初でなく、音声です。
 文字が最初に思い浮かぶという人もいるでしょうが、たいていは問題文の前後の意味と読みから、音声を推測して単語を思い浮かべることになります。
 


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