60歳からの視覚能力

文字を読んで眼が疲れない、記憶力、平衡感覚の維持のために

文字の大きさと視幅

2007-08-11 23:09:52 | 文字を読む

 一目で読み取れる文字数が多くなれば、一目で読み取れる情報量が多くなるわけですから、文章を早く読むことができるだけでなく、文章の意味を理解しやすくなります。
 人間の視力は中心視野だけが視力が高く、周辺視野になれば文字はぼやけて見え、読み取ることが困難になります。
 したがって中心視野に多くの文字数が入ればそれだけ多くの文字数が目に入るのですが、同じ視幅の中に多くの文字を入れようとすれば文字は小さくなります。

 図で、一行目の文字数は15で中心視野に納まりますが、文字が小さいので視線を動かさないですべての文字を読み取るのが困難です。
 見えているけれども同時に読み取ることができないのです。
 文字が小さくて読みにくいので一つ一つの文字を見極めようとして狭い範囲に注意を集中してしまうためとも考えられます。
 5行目のように文字が大きければ同じ幅に入る文字は7.5字と半分で、この場合は視線を動かさなくてもすべての文字を読み取れるでしょう。

 一行目の文字は字が小さくて読み取りにくいのですが、これは「農林水産省が発表した食料需給表」とわかっていれば、そのように見えるようになり、すんなりと読めるでしょう。
 しかし視線を動かさずに文字の一つ一つを確認しようとすると、視野が狭くなり8より10文字程度までとなります。
 一方で一番文字の大きな5行目についても「来年の経営統合に向けて検討を進め」と読んでから文字を眺めると、やはり8より10文字が視線を動かさず一つ一つの文字を確認できます。
 つまり視線を動かさないで文字の一つ一つを確認しようとすると7文字程度が限度で、文字の配列を知っていても8~10文字程度なのです。

 ところが文字の一つ一つに注意を向けるのではなく、文全体に注意を向けると15より16字の全体が読めるようになります。
 たとえば4行目は「原子力発電」、「稼働率」「高く設定」をそれぞれ一つ一つの文字に注意を向けずに一まとめにとらえていれば、「原子力発電」「の」「稼働率」「を」「高く設定する」と6つのブロックになるので一目で把握することができるのです。
 3行目も「原料表示」「と」「異なる肉」「が」「使われていた」と5つのブロックでとらえることができれば読み取りやすくなります。
 文章を読むとき文字の一つ一つが見えているというだけでは読めているということにはならないのです。
 少なくとも単語単位で見えるようになれば、視幅が広がり、文全体に注意を向けやすくなり、文の意味が理解しやすくなるのです。
 


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