ストループ効果というのは、色を表わした単語の文字の色を答えようとするとき、つい文字を読みそうになったり、読んでしまったりする現象です。
文字を見ると自動的に読んでしまうため、文字の色を答えようとする前に、文字の読みが口から出そうになるといわれています。
つまり文字の読みは自動化されていて、抑制力がないとブレーキが利かず、文字の色を答えるように要求されているのについ読んでしまうというのです。
もともとのストループテストというのは、アメリカで作られたものですから、文字は左から横書きの並べ方になっています。
欧米人は文字といえば横に並んでいるものを左から順に見ていくように習慣付けられていますから、眼の動きも自動化されています。
日本の場合は本来縦書きで右から左へ読むようになっているのですが、日本でストループテストをするとき、なぜか無条件に横書きで、左から右に並べています。
日本では横書きで左から右へ単語を並べる文章も普及しているのですが、縦書きのほうが一般的で、眼の動かし方はどちらかといえば縦書き対応が主です。
そこで文字を縦書きにしてみたのが上の図です。
英語の場合、並んでいる単語を見た場合、眼が横に並んでいるせいか、次の単語やその次の単語が順番に見えています。
したがって、左から順に答えていく場合には、次の単語やその次の単語は自然に眼に入って読み取れていますから、次の単語の色を答えようと注意を向けたときにはすでにその単語の読みが完了しています。
次の単語の色を答えようとするときはすでに単語を読み終わっているので、単語の読みが口から出てしまいがちです。
日本の場合は縦書きの場合でも、次の単語やその次の単語が読み取れないことはないのですが、横に並んでいる文字が目に入ってくる場合ほどではありません。
横の視野より縦の視野が狭いぶんだけ、縦書きの次の単語は読み取りにくいのです。
そのため縦書きのほうがやや文字色を答えやすくなっています。
文字の色を見分けるのと、文字の内容を読み取るのとどちらが容易かを比べてみると、多くの人は色を見分けるほうが楽なはずです。
たとえば右上の「きいろ」と書いてある緑色の文字に視線を向けた状態で、下の二つの単語の色は簡単に見分けられますが、文字は必ずしもすべて読み取れるとは限りません。
また図を全体的に見て赤い文字はどこにあって合計いくつあるか瞬間的に見て取れますが、赤い文字で書かれた内容は視線を動かさないですべて読み取るのは簡単ではありません。
黄色い文字、緑色の文字と順に見ていっても、色の見分けは楽ですが文字の読取は楽ではありません。
つまり周辺視で色の判断ができても、文字の読み取りはむずかしいのです。
文字の読取ということからすれば、ストループテストの訓練をするよりも、周辺視野で文字が読み取れるように訓練するほうが有益なのです。。
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