60歳からの視覚能力

文字を読んで眼が疲れない、記憶力、平衡感覚の維持のために

周辺視野がぼやけて見えるほうがよい

2006-09-04 22:23:13 | 文字を読む

 図の真ん中付近は文字がハッキリしていますが、周囲に行くほどぼやけています。
 これは真ん中付近に注意を向けてみたときの、網膜に映っている像をイメージ化したものです。
 本を読んでいるときは、注意を向けている場所はハッキリ見えても、周辺部分はぼやけて、文字を判読できないのですが、そのようには感じていません。
 周りもハッキリ見えているように感じているのですが、そのまま視線を動かさずに中心から離れた部分の文字を読もうとしたとき、実は離れた部分はぼやけて読めないということに気がつくのです。
 中心視野の文字を見ているときは、ハッキリ見えるのと、視線を動かせば周りもハッキリ見えるので、周りがぼやけてしか見えないというふうに感じないのです。

 いま、図の中心部分に注意を向けてみていると、中心から遠い端のほうの文字はそれほどぼやけては見えないでしょう。
 もし端のほうの部分がハッキリ見えるのならば、端のほうの文字のぼやけ具合がハッキリと分かるはずです。
 端のほうの文字はぼやかしてあるので、端のほうに目を向けてみればそのぼやけ具合が分かります。
 ところが図の中央部分に注意を向けてみると、端のほうのぼやけた様子がハッキリと見えないで、あいまいになってしまいます。
 「ぼやけたものがぼやけたように見えない」ということは、ぼやけて見えているということなのです。

 注意を向けた中心視野だけがハッキリ見えて、周辺視野がぼやけて見えるというのは不便なようですが、じっさいはこの方が好都合です。
 もし周辺視野がハッキリと見えていれば、どこもかしこも注意を引き、同時に処理する視覚情報は桁違いに増えるので、混乱してしまいます。
 耳なら前後左右上下から大勢の人間から話しかけられるようなもので、脳は大混乱に陥ります。
 中心部分だけがハッキリ見え、周辺がぼやけて見えることで、自然に情報を絞り込めることが出来ているのです。

 この図はほぼ1/2ページで見開き2ページだと4倍となるので、端の方はますますぼやけ、見るだけですべての文字を頭に入れることは出来ません。
 端のほうも認識するためには、眼を動かせばよいのですが、目を動かした場合ははじめに見えた映像は消されないとごちゃごちゃになります。
 目を動かした後消される映像が忘れられてしまっては何もなりませんので、そのまま覚えておかなければなりません。
 文字を読まないで映像をそのまま受け取るという方法では、やたらに記憶量を増やさなければならないということになって大変不便なのです。
 


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