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漢字を思い浮かべるか

2006-05-23 23:32:28 | 言葉と文字

 図はよく書き間違えやすいとされている漢字の例です。
 書き間違えやすいというだけでなく、間違えて書かれていても気がつかない場合が多いというものです。
 漢字の間違えというものの圧倒的に多いパターンは、読み方はあっているのに意味が違う文字を代用しているというものです。
 その場合言葉の意味にすこしは対応している場合もあるのですが、不正確で、場合によってはまったく違った意味だったりします。
 日本語は同音異義の言葉が多いので、漢字を思い浮かべて言葉の意味をあてるというようなことをよく言いますが、現実はそうではないようです。
 言葉を聴いていちいち漢字を思い浮かべていては、談話のスピードについていけません。
 たいていの場合は耳で聞いてそのまま意味を理解しています。

 図の例の場合でも、「あいぼう」と聞けば意味は即わかるので、なまじ漢字ではどう書くかといわれれば、「はて、どんな字だったかな」と考えて、間違った答えを出したりするのです。
 「相棒」は当て字なのですが、駕篭かきの片割れなので、「合棒」ではおかしいのですが、言葉の由来を知らなければ正解は出ません。
 ほかの例は漢語らしさがあるので、文字と意味が対応しているのですが、意味がわかっていながらどんな漢字なのか迷ってしまう例です。
 漢字に熟達している人なら間違えたりしないのでしょうが、そういう人ならいちいち漢字を思い浮かべなくても意味がすぐに分かるのではないでしょうか。
 普通の人は音声を聞いて、意味は分かるが漢字でどう書くかは意識に上らない場合がほとんどだと思います。
 意識に上っても、なぜその字なのかというハッキリした根拠は分からない場合が結構あるはずです。
 だから、紛らわしい漢字を書いてしまったり、間違った漢字を見ても気がつかなかったりするのです。

 たとえば、「さくたく」とはどのように漢字で書くかと聞かれたらどうでしょうか。
 「さく」と「たく」という読み方に対応する漢字を頭の中で思い浮かべて組み合わせてみるのでしょうか。
 どちらも20種以上の文字がありますから、組み合わせは400以上の候補になるので、とても頭の中で思い浮かべることなどできません。
 実は「さくたく」などという言葉は辞書にもない無意味語なのですが、「あいぼう」とか「あんばい」とかいった実際にある言葉でも同じことです。
 読みに対応する漢字の組み合わせはたいてい400以上になるので、どれが該当する組み合わせかを判断するのは普通の人にはできません。
 
 文字を書けるのは音声から意味が分かるから、漢字を思い出すので、記憶がしっかりしていれば正しい字がかけるし、あやふやなら間違えることもあるのです。
 「あいぼう」と聞いたときいみがとれなくて、「あいぼうって?」と訊いた場合、「そうだんのそうに、ぼうだ」と答えたりするので、漢字を思い浮かべることで分かる言う説が出てきたのでしょう。
 「なかまのことだ」と意味で答えたほうが分かりやすいはずなのですが、相手が言葉の意味を知らないかのようなニュアンスが出てしまったりするので、漢字でどう書くかを説明してしまうのでしょうか。
 


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