60歳からの視覚能力

文字を読んで眼が疲れない、記憶力、平衡感覚の維持のために

伏目で見ると疲れる

2007-11-24 23:53:41 | 文字を読む

 老眼になると近い距離に焦点が合わなくなるので、文字を読もうとしたとき字がぼやけて見えます。
 このときに焦点を合わせようとして、文字を離して見ようとする方法もありますが、本などをそうそう離して見るのも見にくいものです。
 そうると、つい目を細めて見ることになります。
 目を細めて見るとやや焦点が合うようになるので、ぼやけたり二重に見えていた文字が何とか正常に見えることがあります。
 
 それなら目を細めて見ればよいかというと、そうはいきません。
 まず第一に目を細めてみた場合は、図の下のように目に入る光の量が少なくなるので視野が暗くなります。
 また見える文字の大きさが小さくなるため、読みにくくなり、狭い範囲に注意を集中させるようになり、文字の見える範囲が狭まります。
 そのため文章を見渡せる範囲が狭くなるので、意味の理解に時間がかかるようになります。
 特定の文字を見分けるという程度ならいいのですが、文章を読むということになると非常に能率がよくないのです。
 そればかりか、目の筋肉を緊張させ続けるため、眼がすぐに疲れてしまい、少しの時間しか文字を読むことができません。

 意識的に目を細めなくても、伏目になる姿勢で文字を読んだ場合も結果的には目を細めて読む場合と同じになるので注意が必要です。
 眼が疲れないようにと、目の下に文字が来るようにして読むほうが良いと考えがちですが、目の下に文字が来るようにしてみると、自然に伏目がちになります。
 その結果いつのまにか焦点を近くに固定しようとしているため、毛様体筋が緊張していて眼が疲れてしまいます。
 
 伏目勝ちの状態で文字を読んでいるときは、自然で楽な状態で読んでいると考えられるので、目が疲れないと思ってしまいますが、実際は焦点距離を固定しているため、眼筋は疲れてしまうのです。
 本や雑誌をを顔の前まであげて読むようにしたほうが、目に入る光の量が増え、視野も広がるので眼は疲れにくいのです。