早口言葉というのは老年になると普通は不得意になります。
唇や舌、のどが老化してくるので発声がうまくいかなくなるという風に考えられていますが、筋肉だけの問題ではありません。
声を出さず、また唇や舌を動かさないで心の中で音声をイメージしながら早口言葉を読んで(つまり黙読)みます。
黙読でも早く読もうとすると間違ったり、つかえたりします。
実際に唇や舌の筋肉を動かさなくても「東京と特許許可局」と心の中で言おうとするともつれる感じになります。
つまり音声イメージがもつれたものになります。
イメージの中の段階でうまく早口言葉ができていないのです。
イメージの段階で練習をしても、つかえることがなくなれば、つぎに声を出さないで唇と舌を動かして早口言葉を読んでみます。
そうすると以前より早口が上達していることが実感できます。
そこで発声はしないで唇や舌を動かして早く読む練習をして、うまくできるようになれば今度は実際に発声をして早く読んで見ます。
発声せずに舌と唇を動かして早く読むことができれば、発声をした場合もそれまでよりうまくいくようになります。
音声をイメージする、舌と唇を動かす、発声をするといったことを段階的に意識して練習すると、こんどは音声イメージをともなわないで単語や文を読むこともできるようになります。
早口言葉の文を読むとき、ひらがなだけで書かれたものを読んでいこうとすると、読む速度がゆっくりのうちはよいのですが、ある程度のスピードが出てくると文字を一つ一つ眼で追うのがまだるっこしくなります。
そうすると漢字かな混じり文のほうが眼で追いやすくなります。
漢字や漢字熟語の場合は音節の一つづつが明示されていないで、いくつかの音節のかたまりを表わしています。
したがって音節をひとつづつ順に追わなくても、漢字で表された単語は頭の中に入るようになります。
漢字を習うときはゆっくり音声化して、単語と音を結び付けているのですが、ゆっくり読む癖あるいは普通の音読のスピードに慣れていると、漢字と音声は結びついたままです。
音読でもスピードを上げることはできますが、声を出さず唇と舌だけを動かす場合はさらにスピードが上がります。
さらに音声イメージだけで、唇と舌を動かさないで内読すればさらにスピードは上がります。
さらに音声イメージなしで読めばもっとスピードはあがりますが、意味の理解が追いつくかどうかは別として、眼が固視をしなくなるので眼は疲れにくくなります。