「ひるるすばんにこい」という書き方をするより「ひる るすばんに こい」か「ひる るす ばんにこい」としたほうが分かりやすいでしょう。
分かち書きをしなければどのような読み方をするか、自由度が高くなっていますが、分かち書きをすれば読み方が決まり、読み方の自由度がなくなります。
漢字かな交じり文にして「昼留守番に来い」か「昼留守晩に来い」とすれば、分かち書きにしなくても読み方の自由度が少なくなくなり、意味のとり方が決まります。
漢字かな交じり文では、漢字が入ることにより、感じに注意が向いて、漢字を中心に語のグループ化を自動的にするためです。
上の左図ではaとbは同じ明るさの灰色なのですが、bのほうがやや濃く見えるとはいえ、差はあまり感じられません。
ところが右図のようになるとbのほうが濃く感じるようになります。
右の図のなかでaを見るときは自然に縦に5つ並んでいる四角形の真ん中の図形として見ます。
そうするとこのグループは全体に色が濃く、そのなかでaは上下を濃い色で挟まれているので相対的に明るく感じます。
一方bは縦に並んでいる四角形のグループの中でいちばん濃いので、対比効果でより濃く見えます。
左の図ではaもbも縦に並ぶ四辺形の要素として見ることも出来ますが、横に並ぶ四辺形の要素として見ることも出来ます。
あるいはaとbの間にある四辺形を上下左右で囲む十字型の要素として見ることも出来ますし,それぞれ同じ濃さの四辺形で×型をつくる交点と見ることも出来ます。
つまり、左の図では図形の見方の自由度が高く、いろんな見方が出来その見方によって色の濃さの感じ方が違います。
図形の見方が自動的に決まらないため、色の濃さの感じ方がハッキリしないのです。
右の図ではaもbも縦系列の四辺形のグループに属すると見るのが自然で、自然に注意が縦方向に向かいます。
図形が直線的に並んでいるとそちらに注意がひきつけられ、縦系列の四辺形のグループとしてみるという視覚体制になるのです。
そのため各グループ内の対比でaは相対的に明るく感じ、bは濃く感じるのです。