BUONA GIORNATA!

取材や旅、見仏、ヨーガ、読書の日々をつづります

3月の本たち

2008年04月01日 | 
3月に読んだ本の一部。
特によかったのは、いずれも新刊ではないけれど、「見仏記」と「魔女の1ダース」。

「見仏記」は仏友として友情を深め合うみうらじゅんといとうせいこうの、その名のとおり、さまざまな仏像を見た記録です。
仏像好き必見!というか、バイブルです!
いとうせいこうの、意外にもまじめな文章と、みうらじゅんのかなり笑える挿絵が一気に読ませます。
なんと、職場の私の仏友が次々にこの本にはまっているのです!出版から何年もたった今、なぜか大ブーム中。
ところで私は「いとうせいこうタイプ」です。え?わけ分からない?読んでみてください!

それから米原万里の「魔女の1ダース」は独自の比較文化論がおもしろいです。いや、比較文化論っていうか。ロシア語通訳さんですから、やっぱりいろんな国の言葉に接すると、いろんなことに気が付くわけですよね。外交会議の通訳の難しさとか、その国の言語ではいたって普通の固有名詞や単語が日本語だと下ネタだったり、またその逆もたくさんあったり。そんな具体的なエピソードが満載です。

川上弘美の「古道具 中野商店」は独特の雰囲気があっておもしろいのですが、最近、どうしてこういう、主人公の女性が年下の男性ともどかしい恋愛(またはゆる~い感じの恋愛)をするとか、主人公の周りの人たちが自由恋愛を楽しむとか苦しむとかいう状況設定の小説が多いんだろう?そういう時代なんでしょうか…。ちょっと私の中では飽和状態。

4月は「見仏記」の2~4巻を読まねば。
しばらく私の脳はホトケワールド彷徨い中です。

大妖怪展

2008年04月01日 | Weblog
新年度がスタート!

そんな晴れがましい日にあまりそぐわないこの画像…。
その名もずばり「大妖怪展」図録。
お友達のピクシィちゃんが嬉々として貸してくれました(彼女のかわいくて女の子らしい見た目を裏切る、渋い趣味にいつも驚かされます)。

大妖怪展は8年前に朝日新聞の主催で全国4箇所で開催されています。

中身はというと、うーんこれはすごい!1冊ほしい!
百鬼夜行図から応挙の幽霊画、歌川国芳の浮世絵(巨大な骸骨で有名!)、文楽のお岩さん人形、そして全国妖怪マップまで!妖怪や怪談が出るわ出るわの大盤振る舞い!
百鬼夜行図なんかはユーモラスですが、人形嫌いとしては、特に文楽人形が夜ながめると怖いです。おどろおどろしさまんてんです!

八百万の神々やこうした目に見えないものたちを、畏怖しつつ楽しみつつ日々の暮らしを営んでいた昔の日本人は、いまよりずっと、想像力もユーモアのセンスもあったんじゃないでしょうか。
日本人って、西洋文化を崇め奉るきらいがありますが(以前は私もそのひとり)、日本の文化はかなり凄いとうならされます。ひけをとらない、というか、やはりそれぞれの分野で何か突出して豊かに育ったものがあるんだな、ということに気づきますね。

と、ちょっと小難しいことを考えるのは、さっきも見た図録の気味悪さを一時的に忘れるためです!夢にでてきそう~~