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テルミンとJAZZ
テルミンやマトリョミンの話。私、こちろうこと相田康一郎のプロフィールは左メニューバーのCATEGORYを。
 



呼吸の奥義―なぜ「吐く息」が大切なのか

講談社

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このBlogに「テルミン演奏時に息ができない」など、呼吸について書いている記事があるが、それを読んだある知人が呼吸法の本を紹介してくれた。(斎藤孝・呼吸入門

そこで、その本ともう1冊目星をつけていた本を見に行って、お勧めのほうではなかったが、この本を購入し、読んで感心、得心した。
著者の永田晟(あきら)さんは運動生理学の研究者で医学博士、このシリーズの性格もあって、前半部分は「呼吸の仕組み」といった学術的においのする内容で、斜め読みした。テルミン演奏時のことを考えながら納得しつつ熟読したのは後半部分、特に第5章「東洋の伝統スポーツと呼吸」、第6章「呼吸と心情」あたり。8章の「素晴らしい腹式呼吸」も参考になった。

「息をゆっくりはくといいですよ」という師匠の教えに論理的実証的裏付けを得て、私も、「よし真剣に実践しよう」、と思った。(素直なようでいて、先生のお言葉だけでは、実践しない悪い生徒である)
この本で実証的に述べられているのは「息ははく方(呼気)が大事」ということ。ヨーガも太極拳も気功も東洋の健身法の呼吸は全て「はく」息に重きを置いている。気功の呼吸法「静・深・細・均」である。

ゆっくりと腹式呼吸で息をはくと、横隔膜の筋からインパルスが出て副交感神経が活発になり、脳からはα派が出ると言う。つまり体の落ち着きとともに精神も落ち着くのだ。
また腹式呼吸の深呼吸が血圧を下げるのはよく知られているが、抗癌作用までもあるとの医学的研究(大阪大学)があるそうだ。
不老不死の研究もしていたのではと噂されるテルミンさんの長生き(96歳)はもしかするとこのためもあってのことかもしれない、などとふと思う。

私はいまだにテルミン演奏時のゆっくり呼吸ができずに陸に上がった魚のようになっている。悲しい。早死にするのか。してもいいが。

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