goo blog サービス終了のお知らせ 
テルミンとJAZZ
テルミンやマトリョミンの話。私、こちろうこと相田康一郎のプロフィールは左メニューバーのCATEGORYを。
 



フレンズオブテルミンの会報THE ETHER TIMES最新号(No.28・2005.7.15号)に掲載されている「テルミン設計者が語るテルミンのイロハ」はTAK・テルミン・ラボ主宰でテルミン「e-winds」の開発製造者である新沼好文さんが寄稿されている。

内容はテルミン発音原理の基本に始まり、製品の開発・製造のご苦労がしのばれる回路設計のノウハウ的な部分のサワリまで詳細にわたっている。今回はピッチ周りの説明であったが、是非音量コントロール回路についての説明もお願いしたいものである。

テルミンは発音させるだけのものなら、比較的簡単に作ることができるが、楽器として通用するものを作るのには大変な困難を伴うということがよく理解できる内容であった。どんな電子回路でも多少の試行錯誤は必要であろうが、テルミンに関しては、よほどの情熱がないと、途中で嫌気がさしてしまうのではないだろうか。そんな楽器の製造者が国内にいらっしゃるということは大変貴重なことであると思う。

新沼さんの記事の最後を締めくくる文章に印象的な部分があった。
「テルミンは・・・、(その回路の)不安定さを利用することで、なんとか成り立っている存在、・・・」 ( )内こちろう注

なるほど。これはテルミンを演奏する立場の者からもよく実感できることである。
その不安定さに魅力を感じつつ不安定から安定を引き出そうとする努力。
テルミンが現代にしっかりと定着し、今後も永遠の楽器となるためにはハード(楽器製造)、ソフト(演奏)両面の大いなる努力がこれからも必要である。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )




Etherwave Theremin(イーサウェーブ・テルミン)のスタンドに使うストレートのマイクスタンドについて。

私が長く使ったのは、御茶ノ水の楽器屋で見つけた無印激安品(中国製)。価格はもう記憶にないが、とにかく安いものを探したので、たぶん3,000円くらいで購入したのではないか。
スチール製で重いが、スタンドの安定性はその自重によるところも多いので、重いほうが良いともいえる。しかし、持ち運ぶには不便である。
私はケースにテルミンと一緒に収納するのを主目的としてスタンドをカットした(それを書いた記事はコチラ)のだが、今度はそれでも重さが気になってきた。

そこで、そもそも重量の軽いスタンドが欲しくなった。今度は定評のあるメーカーTAMAのアルミ製ストレートスタンドのMS100BKALを選んだ。
店頭で聞いてみてもアルミ製のしっかりしたストレートスタンドは「これしかない」という。

「よーし、これでグーンと軽く持ち運べるぞ」と喜んでカットした。
結果は・・・・・、前のスチール製のスタンドをカットしたものとほどんど重さの差はなかった。

_| ̄|○

カット前の重量ではあきらかにスチールが重く、アルミが軽いはずである。しかし、カットするパイプの部分よりも下部の足の部分およびそれを連結している部品の重量がはるかに大きく、カット後はほとんど重量差がなくなってしまったようだ。

スタンド選びのポイントは「揺れ、ブレ」が少ないこと。足の付け根のところがしっかりしていないとスタンド上部(テルミンをつなげる部分)では大きく揺れる。同じくスタンドのストレート部分を伸縮させるつなぎ目のところもしっかりしていないとここでブレが出てしまう。

クリテツさんが屋外演奏での風の影響をよく語っておられるが、室内演奏時でも不意にボリュームアンテナに手をぶつけてしまうことがあり、そのときにいつまでも楽器の揺れが収まらないと困る。

テルミン本体に比べれば、安いものなので、ここで多少節約するよりも定評のあるメーカーのしっかりしたものを用意したほうが良い。また、迷ったときは重いもののほうが安定していてよい。と、思う。

コメント ( 5 ) | Trackback ( 0 )




前回のエントリー(2005/7/14)の続き。
まず、蓋を閉めた状態でチューニングをとっておく。そして、音域が何オクターブあるかをしっかり確認しておく(体に近いところで音程がとれる最低音からオクターブ演奏を繰り返していって、確認する)。出荷時そのままだと、多くの場合、「4オクターブ少し」くらいが演奏可能な音域となっているはずである。

そして蓋を開けてゼロポイント(アンテナから徐々にゆっくり手を遠ざけていき、音が消えるポイント)を確認してみる。蓋を閉めているときのチューニングがきちんととてていれば、このときのゼロポンイントはピッチアンテナのすぐ近く、アンテナから5cmほど離れたところにあるはず。あわてず、アンテナからゆっくりと手を遠ざけて確認する。

そして、この「5cmくらいのゼロポイント位置」をこれから先の調整時に変えないようにするのが文字通りポイント

音域幅を広げる作業は、前々回(2005/7/13)のエントリーの写真のAとBのコアを時計回りに同じ角度くらい動かす。このとき、ほんの少しづつ動かしては5cmのゼロポイントを確認し、さらに蓋を閉めて音域がどのくらい変化したかを確認する。5オクターブくらいに音域を広げておくとよい。

最近製造されたモデルではコアを回す方向が逆になっているらしいことは音量コアのときと同じなので、そこも自分の耳で変化を確認するしかない。

コメント ( 3 ) | Trackback ( 0 )




天素堂さんや佐藤教授にほめられたことに気をよくして、音域の調整についても、もう少しきちんと書いておこうと思った。
(「あ、テルミン大学・7/17日の体験講座、早い回のほうに、まだ少し空きがあるようですよ」・・・ココ」)

まず、その意義について。

最初、私は「4オクターブも出ていれば十分じゃないか。」と考えていた。(管楽器の経験者などは特にそう思うだろう。)演奏していても、それで特段、不自由を感じるというほどのことはなく、むしろ、楽器としての制約条件として受け入れている部分もあった。

しかし、音域そのものの問題というよりも、高音部での表現力確保という意味合いが大きい、と知り、実際に調整してみてナルホドと感じたのである。

オクターブの均等性に優れた(低音部の1オクターブ変化の距離と高音部のそれとが変わらない)Etherwave Thereminであるが、それでもピッチアンテナに近いところになると一定の音域変化に必要な、手とアンテナの距離が縮まってくる。演奏表現上の通例として、高音部は多くの場合、曲の聞かせどころであり、テルミンがその美しさを聞かせるビブラートを多用する部分でもある。

一方、ビブラートは、竹内メソッドで教授されている方法だと、ピッチ軌道上の手の前後動であるため、ピッチが詰まった状態(すなわち、ピッチアンテナに近い高音部)では小さな動きが大きな(粗い)ビブラートとなってしまうのである。それは意図的なものであればそれでよいが、そうでなければ、文字通り粗い演奏となってしまう。これを防いで、より高い表現力を確保するための音域調整(音域を広げる)なのである。

狭い音域のテルミンで、ある曲の高音部をピッチアンテナに極く近い部分で演奏するのと、音域を広げたテルミンで、高音部であっても、ある程度、ピッチアンテナから離れた位置に手を置いて演奏できるのでは、表現力に差がでてくる。

と、いうことで、その「意義」について書いただけで、随分まどろっこしく、長くなってしまった。したがって実践編は次回へ続く。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




リクエストもあったので、昨日のエントリーの内容の詳細を写真つきでもう一度お伝えする。

ただし、音域の調整(上の写真のAとBを同じ方向に少しづつ回す)はちょっと失敗すると音が全く出なくなってパニクったりするので(私は何度か経験アリ)、より重要と思われる音量変化幅の調整の説明から。

簡単なのはゼロポイントのつまみの位置を変えたいときにBのバリアブルピッチのコアを調整すること。よくあるのは冬場にピッチつまみを左いっぱいに回してもゼロポイントがとれず、チューニング不能になること。このようなときはBのコアを回す(ピッチを広げる方向・・・コアを右に回す)と元に戻せる。・・・「もしかして、右と左が逆かも???」

さてさて、音量変化幅を持たせるために調整すべきコアは両方の写真で「コレ」と赤字で書いているコア。
このコアを調整用ドライバで少しづつ左に回すことで音量変化の幅を広くしていく。

まず、調整前の状態でどのような特性か、注意深く観察しておく。
その後上蓋の4すみのネジをはずして、電源のプラグを取りはずし、蓋をとって、ほんのちょっとだけコアを回してみる。そして蓋をかぶせて音量変化幅をみる。また蓋をはずして、ほんのちょっとだけコアを回す。その繰り返しで最適なコアの位置を見つける。コアは壊れやすいので扱いに注意。音が現れる高さから25センチ~30センチくらいまで音量が変化していくとすばらしいと思う。

Etherwaveの出荷時期によってずいぶんと調整範囲が異なるようだ。最近の製品ではコアを回す方向が上の説明と逆になっていたりもするらしいので、自分の耳を頼りにトライアンドエラーでやっていくしかない。

たっぷり時間が合って精神的余裕もあるときに取り組まれるのがよいと思う。
また、調整前の状態に戻せるように、目印をマジックペンなどでつけておくのもよいだろう。そうしておくと、失敗したときもあわてないで済む。


コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )




昨日、ひさしぶりにテルミンに触れた。文字通り「触れた」。
冬場にゼロポイントの調整をした際に音域を狭くしてしまい、面倒でそのままにしていたが、ようやくもとに戻せた。しばらく4オクターブちょっとしかなかったものを5オクターブ少しまで広げた。演奏時の感覚が違ってきてしまうが、やはり高音域の演奏が楽だ。

音量の変化にも常に不満があり、今回もあっちに回し、こっちに回ししてみたが、いいポイントが見つからない。結局最初と同じような位置のまま、ふたを閉めた。個体の問題か。

竹内先生もいつもおっしゃっているが、出荷状態のままのイーサウェーブテルミン(Etherwave Theremin)の音量変化特性はほぼ例外なくダメで、コイルのコア調整は必須である。
基盤にある3つのコア付きコイルのボリュームアンテナ側にあるコイルのコアをほんの少しづつ反時計方向に回して十分な音量変化幅を持たせるようにする。注意点は過ぎたるは及ばざるが如しで、最大音量のポイントが高くなってもその分ダイミックレンジが失われる状態にしてはいけないこと。
それとこれはコア調整の問題ではないが、前面のVOLUMEつまみは常に右回しきりにしておくこと。これは鉄則。

さて、以前にも書いていたようにも思うが、私のコイルの調整用ドライバはおおげさにいうと自作特製品である。普通のドライバでも用が足りるが、コイルのコアは壊れやすいのと、非導電性のものが望ましいのである。
ホームセンターなどで安価な専用品も販売されているが、私は割り箸をカッターナイフで削って作った。なかなか調子がよい。

コメント ( 12 ) | Trackback ( 0 )




EDIROLのR-1を買ってしまった。
1週間後、ガマンできずにポータブルのヘッドホンも買ってしまった。
とりあえず、どちらにも満足している。

今まで、テルミンのレッスンを受けるとき、ときどき録音していたが、MDに安物の外部マイクをつけて行なっていた。用途としてはそれで十分なのだが、MDもたまってくると、整理の悪い私にはなにがどこに入っているかわからなくなり、録音はしたものの、そのまんま、というテイクもあった。
このR-1はコンパクトフラッシュやUSBケーブルで瞬時にPCにファイル転送できて、便利である。
NetMDとかでもできるのかな。ただ、R-1の場合、MP3のほかリニアPCM24bit(WAVEファイル)の録音も可能なので、ATRACKより使いやすそうだし、将来のいろいろな使い方を考えてこれにした。

昨年末だか今年始めに発売されて、なにやら人気があって品薄なのも購買意欲をかきたてた。
私は御茶ノ水の石橋楽器のキーボードをたくさん売っているお店で最後の在庫が買えた。
通販などだと「入荷待ち」とかになっている。

レビュー記事その1
レビュー記事その2

せっかくいい音の録音機を買ったので、しょぼいイヤホンとかではもったいない気がしてきた。でも大きなヘッドホンだとコンパクトで軽い録音機に似合わない気もして、またお金を使ってしまった。
オーディオテクニカ(audio-technica.)のATH-ES5。私が買ったのは黒い方。電車のなかでも使える。なんでも、スーツ姿にも似合うようなデザインを考えた、とのこと。折りたたんで専用のポーチに入れると薄いカバンにも入る。


コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




ときわかねなりさんがテルミンにエフェクタをつなげた話しをブログの記事にされている(ブログ「theremin物欲oddysey」の当該記事はこちら

エフェクタを使う事によるマイナス点はさすがによく見通しておられる。たとえば、
>コンプや歪み系エフェクターは、音量コントロールが効きにくくなる・・・・
などであるが、基本的な結論としてエフェクタ使用を積極的に勧める内容の記事となっている。

ときわさんのご意見と同様、私自身もイーサウェーブテルミン(Etherwave Theremin)の素の音色そのものに、満足しているわけではない。さらには、エフェクタによる音色調整にも興味があるし、ライブでも無伴奏の曲のときに空間系エフェクトを使ったこともある。

しかし、私はテルミン練習者への一般論としてはやみくもなエフェクタ利用には警鐘を鳴らしたい。
前提は「練習者」というところと「一般論」というところである。
なぜか。
それは、音量変化のこともさることながら、練習者にとっては、「気持ちよくて」、「うまくなった気に」なってしまうことのマイナスを感じるからというのが、その理由である。

私は初めてテルミンを手にしたとき、アンプ(付スピーカー)を持っておらず、テルミンの出力をAV用アンプ(安物の5.1Chサラウンドアンプ)に繋いで鳴らしていた。そのときの音はなかなかに気持ちのいいものであった。なぜかというと部屋全体から響いてくる音が空間系エフェクターを使っているかのような効果をもたらしていたものと思う。
その後しばらくして、製造中止からしばらく経過したYAMAHAのMS60Sを購入し、テルミンの練習に使いはじめたところ、あまりの直接音に自らの技量のなさがくっきりと現れ(自分の出している音そのものをまさしくモニターされ)、随分下手になったような気がしたものだ。


Etherwave Pro が音色変更を可能にする機能を持っていることはとても使い勝手のいいものだと思う。演奏者が自らの好みや曲想に応じた音色を求めたり、ライブや録音時にある種のエフェクターを効果的に使用したりすることに反対するものではない。
あくまでも練習者にとってのエフェクター使用に「ちょっと注意が必要」という感覚である。

私は、まだ、今のところ、自身の技量を高めることにより、素のままのテルミンからよりよい音色が出せるようななることを信じている。音色を自らの身体や手や指から作り出せるものと、しばらくは、信じていきたい。

コメント ( 3 ) | Trackback ( 0 )




(その1は2005.2.21記事記事参照)
2005.4.6加筆訂正

一大決心をしてt-VOXの裏ぶたを開けてみた。ねじが10個くらいあった。ふ~。
Etherwaveオーナーはけげんに思われるかもしれないが、電池改造の仕方を詳しく説明したり、KitがあるEtherwaveとは「手を入れること」に対する考え方が正反対で、t-VOXは裏ぶたに封印シールが貼ってあり、これをはがすと(すなわち、裏ぶたを開けてしまうと)保証が効かなくなるのだ。

基板はボリューム基板とそれ以外との2枚に分かれている(Etherwaveは1枚基板)、普通にみられるような茶色や緑色した基板ではなく、どんよりした黄土色みたいな感じ。うーん、ロシアの雰囲気。つめたい。笑顔を排除し、突き放している感じだ。「安易に手をつけると取り返しのつかないことになるぞ」と基板が語っている。Etherwaveのどことなく素人っぽい雰囲気と大違い。表面実装部品が使われており、はんだ付けも自動機械で行なわれている感じ。抵抗やコンデンサが米粒以下の大きさなのに比較して目立つのは3つのコア付きコイル。Etherwaveのものより一回り大きい。真中にある、固定発振周波数用のコイルの周りは1センチ位の高さの金属板で囲われてシールドされている。

ちょっと不思議なのはRCAテルミンなどにあるような空芯コイルはもちろん、Etherwaveが使っているような鉄心つき巻線コイルも見当たらないことであった。(これがノイズへの抵抗力の弱さにつながっているのでは、とめぼしをつけておられる方もいらして、なるほどー、という感じ)
100V~220Vまでの電源電圧が使える(アダプターではなく直接AC電源コードを本体へ)のだが、電源回路の部品で特徴的なのは、電源トランスがとても可愛いトロイダルコアトランスであったこと。ミニドーナツくらいの大きさ。(私はこのトランスを中心とした電源回路の部品をみて、ノイズは電源から乗ってくるのかと考えていた)

本体上面の4つのツマミは基板直付けの4つのボリュームに直接つながっている。本体を上から見て一番左はピッチチューニング、真ん中の2つは2つの出力用レベルセット(出力端子が2系統ある)、右はじは音色調整である。

ふたを開ける気になったのは、ピッチチューニングつまみが左(反時計方向)回しきりの位置でぎりぎりチューニングのとれる状態であったため(ちなみに回す方向はEtherwaveとは逆でピッチを狭くしたい時が反時計回し)。どうしようもなくなったら、おそるおそるコアの芯をまわしてみることにしよう。たぶん、Eatherwaveの調整方法が使えるだろう。

「その後、コイル調整用の穴が裏ぶたについているはず」とのご指摘をある方からいただき、あれかな?と思っていたが、昨日裏ぶたに有る小さなフタのようなものを開けたらコイルの頭が見えた。不慣れだったので小一時間かかったが、ピッチの調整に成功した。コイル調整用穴は2つ開いており、ボリュームアンテナ側にもあるので、ボリューム感度の調整もある程度できるはず。

前回記事のところで大野さんからもご指摘いただいたt-VOX tourの価格の問題であるが、こちらには大変しっかりした専用のキャリングバッグが標準でついている。Etherwaveのギグバッグが59ドルすることを差し引いて考える必要あり。したがって、Etherwaveと同Proとの中間機種として、もし11万円で買えるのなら、価格的にはt-VOX tourの存在意義あり、と前回記事を訂正する(でも運送の費用なんかで結局12万円とすると、やっぱり・・・)。
サウンドハウスの通販でEtherwave本体およびバッグ購入 64,760円
サウンドハウスの通販でEtherwave Pro本体およびバッグ購入 149,300円

と、思ってたら伊井英理さんのサイトに生産終了のニュースが。


コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )




ロシア製テルミンをある方からいただいた。嬉しい。「チョウダイ」と手をあげてから半年かかってようやく我が家に。(おたがい、のんびりしている。)

1、2度フレンズオブテルミン東京支部の集まりでちょこっと演奏させてもらったことがあり、そのデザインと質感、音色には魅力を感じていた。
名前はTheremin vox(テルミンの声・・・ロシアでは楽器のテルミンのことをこう呼ぶらしい)からきているのだろう。
リディアさんのご主人が開発されたもので、今のリディアさんの現用機種(2004.10.2のモスクワでのコンサートもこれを使っておられた)である。

仕様的な特徴はボリューム設定(=最大音量変化をどのくらいの手の上げ方でコントロールするか)をセンサーで行うこと(センサーボタンを押して左手を望む位置に上げた状態で1秒ほど静止してFIXする・・・言葉で説明するのはなかなか困難)、出力が2つあり、自音モニター用やチューナーにつなげたりできること、ヘッドホン出力があること、ミュートがタッチセンサーでできること、などである。

また、その音色はEtherwave Thereminとはかなり違い、もちろん、人によって好みは分かれるが、「比べると、t-VOXのほうを好む」という方が多いかもしれない(フレンズオブテルミンのページにある各種テルミン比較)。リディアさんの好む音色はある評によるとwhistle-likeということだが、そんな音とも聞こえる。音色は本体上面にあるつまみ(Waveform)である程度変化させられる。

弱点(?)とよく言われていることはノイズに弱く、よく機嫌を損ねることがあるということである。アースをきちんと取ることを前提としているのかもしれない。いずれにしても、そういう評価があると、ライブにこれ1台を使うのは怖くなるが、これでたくさんのライブ演奏をこなしておられる方もいらっしゃるので、個体差があって、「ハズレが多い」ということなのだろうか。
それから、音量変化幅が小さいという評価もされる。微妙な音量変化をつけたいときにはコントロールが難しいということだろう。
最後の難点は価格と入手しにくさであろうか。現地価格で定価790ユーロは現在のレートで日本円にして約11万円。こうなると、Etherwave Proとほぼ同価格帯での勝負となり、音色やデザインによほど愛着が湧かない限り、今からこの2機種を比べて購入しようという検討の場合、かなり分が悪そうである。

日本での販売はここ

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )



« 前ページ 次ページ »