昆布が美味い

羅臼の昆布漁を見た時にスタートしたblogです。昆布のダシのように、人生の旅にも味付けをしたい。旅を中心に纏めています。

みちのく05恐山その二

2007-06-06 | 国内旅行
標高879mの宇曾利(うそり)山はカルデラ湖を持つ火山である。むつ市の市街から約15kmのドライブウエイをあがる。

この山にはヒバの大木からなる群落が残っている。ビバは全国各地にあったのだが、奈良時代からすでに伐採されて都に送られ、建築材として使われた(大仏殿など)。
 霊場恐山の入口の標識の門である。


山の麓から丁石が立っている。見れば麓からは100丁を超えている。その近くには、石仏が立っている。徒歩で山に入る人にとっては大きな慰めになるだろう。
右は途中にある水飲み場である。山から湧く清水が2筋流れる。


頂上のカルデラ湖が見えるころ、この宇曾利湖(うそりこ)から唯一流れ出る川を越す。この川を人呼んで三途の川と言う。
バスガイドは「ここから浄土に入る。あの世とこの世の境だ」と言う。


ところで、さる和尚から聞いた話を紹介します。
 死ぬと、多くの人に見送られながら、あの世に向かう為に山に入る。その為に草鞋を履くという。
 山を降りたところに、服装を脱がす奪衣(だつえ)婆といわれる鬼婆がいて、亡者の着物を奪い取る。その着物を懸衣翁(けんえおう)に渡す。
 受け取った彼は、そばにある衣領樹(えりょうじゅ)の木の上に投げる。着物が木の枝の下のほうに懸かると、三途の川の立派な橋を渡ることができる。中くらいの高さに懸かると、三途の川の橋はなくて、流れの穏やかなところで渡る。上の方に懸かると、橋がないどころか、急流のところで川を渡る。
 以上の三つの渡り方があるので、三途の川と言うそうだ。この絵では船は出てこない。

下の絵は、奈良のさるお寺の地獄絵図の一部であるが、上のほうから溝のような道に沿って亡者が落ちてくる。(下半身だけ見えている)
 下のほうで、赤い服を着て座っているのが、服を脱がせる奪衣婆である。(裸の亡者が座っている) その前に立っているのが衣を衣領樹に投げ上げる懸衣翁である。婆の背後に木が生えているが、木の枝には衣が沢山懸かっている。

そこで三途の川を渡るのであるが、
 左側の一番下が、立派な構造の橋である。ながれも穏やかである。
 中央になると、裸の亡者が川のほうに向かっており、その後ろには鬼に髪の毛を引っ張られている亡者がいる。
 その上では、川の流れも激しい場所で、鬼の持った金棒で、川の中に突き落とされている亡者がいる。


さて、バスは無事三途の川を渡り、恐山菩提寺に着く。正面に境内に入る総門がある。 祭祀の日には、左手の長い塀沿いに”いたこ”が小屋を構え、霊を呼び出してくれる。依頼した人が外人であっても、呼び出された霊は津軽弁でしゃべると言う。後継者不足だと言う。


ここのお寺の本尊は地蔵菩薩である。総門前の広場の左手には六地蔵が並んでおわす。