昆布が美味い

羅臼の昆布漁を見た時にスタートしたblogです。昆布のダシのように、人生の旅にも味付けをしたい。旅を中心に纏めています。

夏椿

2005-06-30 | 自然界

 誰が言い出したか、沙羅の木と認められた夏椿です。
 巨大なラワンの原木の沙羅の木と違って、なんと端麗な清楚な夏椿でしょうか。ホッとした落ち着きがあります。
 この写真は、京都広隆寺の境内のものです。
 こうして、お寺とかに一本あると、カメラを向けたくなります。蕾の球体が大変形がよろしい。
 ところが北関東地方では、街の中、郊外いずれも夏椿だらけで、珍しくとも何ともない。街の中の駐車場の周囲にまで、これが並木になって植えられていたりします。

水生植物園15

2005-06-30 | 自然界

 沙羅の木の後日談。
 琵琶湖の沙羅が花をつけたと教えてもらって「へーェ、もう一人前になって、そんなに大きくなったのか」と驚いたものでした。
 そして、やっと植物園に行ける時間が出来た時は、花どころか、種子どころか、既に種子が落ちてしまっていた時でした。
 プロペラつきの種子での遊びは、空中で回転するヘリコプターでした。
 そして、植木鉢に落ちていた種子を持ち帰り、ミズゴケに包んで、目下養殖中です。すでに根が出て地面に向かっています。
 いつまで、どこまで生き長らえる事やら分かりませんが、毎日部屋の中に置いて眺めているので、そこから萎縮して枯れるのではないかと心配です。
 熱帯性ですから、現在は梅雨で、高温多湿のジャングルの環境に近いかと思っていますが、どうなる事やら。

水生植物園10

2005-06-29 | 自然界
 「沙羅の花はどうなりましたか」と受付で尋ねると、もう花ではなくて種子になって、もう落ちてしまったと言う。
 そして受付の横に置いています。というのがこの写真です。立派な羽根がついている。

 この沙羅という木は、フタバガキ科の樹木で、ラワン材の一つです。
 インドでは、フタバガキ科の樹木は高木で白ラワン・赤ラワン・サラなどを纏めてラワンと言うそうです。勿論、建材として利用される木材です。サラは種子から油を搾ると言います。

 これで、すっかり、優雅で繊細な、可憐さを伴う日本の夏椿のイメージは飛んでいってしまいました。しかし、現地インドでは、建材として役に立ち、生活の基盤となる頼りがいのある木になっていると思います。

 
 

水生植物園09

2005-06-29 | 自然界
 これが、今年の沙羅の木です。まだ天井には届いていませんが、樹高6mは越えています。今年花が咲いたのですから、もう立派に一人前です。

 よく見ると、花が終って、すでに種子になっています。多くの種子の中で、まだ枝から落ちないで残っているのがあります。茶色のプロペラが分かると思います。
 丁度、お正月の羽子突きのような羽子を持っています。羽子の錘になる玉のところは、ムクロジの実が硬くて良いのですが、この沙羅の木の種子は、羽子突きの羽子とよく似ています。

 近くの枝に見られますが、葡萄の房の実を食べてしっまって枝だけになったような感じに、見えているところがあります。ここにはすべて、花そして種子が付いていた所です。

 双樹2本のうち、この個体だけが、種子を作っていましたから、もしかして雌の木かも知れません。

水生植物園08

2005-06-29 | 自然界
 写真はこの時の沙羅の木の落ち葉です。植木鉢の中に落ちていた2枚の葉を貰ってきました。それを標本にして大切に保管しています。
 さて、沙羅と言えば、お釈迦様の涅槃の時の沙羅双樹であり、どこのお寺に行っても、高貴な花として大事にされているのが頭に焼き付いています。
 誰も信じて疑わないほど「夏椿」が沙羅の木として認められています。

 ところが涅槃図(釈迦が横になって往生して、その周囲を、人は勿論あらゆる動物が釈迦の死を歎いている絵図)を見ると、夏椿とは似ても似つかぬ樹木がベッドの周囲に描かれています。
 昔から、一般庶民は修行を積んだ僧の話を鵜呑みにした事でしょう。夏椿に沙羅のイメージを作ったのだと思います。

 この沙羅の木が、釈迦の往生とともに葉を一斉に真っ白にしたと言う。それが鶴のように見えたから、鶴林寺などの名があると言う。学者によっては、葉でなくて真っ白な花が、一度に落下したとも言います。
 つまり、我が国では夏椿を沙羅の木と言いますが、実はインドでは、この写真の木が沙羅なのでありました。

 この年の年末年始にかけて、ネパールに旅をして、もういいと言うほど沙羅の木を見ることになります。

水生植物園07

2005-06-29 | 自然界
 この写真が、平成9年の写真です。八角形の大きな植木鉢に植えられている沙羅です。高さ3mもないように思います。左右にあります。
 まだ子どもなんです。大きな葉はまるでコブシのような葉です。そしてそれが沙羅の木です。
 沙羅と言えば、仏教界ではお釈迦様の涅槃の時に、そのベッドの回りにあった木です。
 学者によって異なるそうですが、ベッドの四隅に二本ずつ(双樹)合計8本と思う人は、釈迦の涅槃図の絵にはそのように描きます。ベッドの4隅に一本ずつ、合計4本で描いてあるものもあります。
 ここの植物園も双樹だからと言うので、雄と雌の2本が植えてありました。