ある医療系大学長のつぼやき

鈴鹿医療科学大学学長、元国立大学財務・経営センター理事長、元三重大学学長の「つぶやき」と「ぼやき」のblog

学生による授業評価の公開で鈴鹿医療科学大学の教育改革にはずみ(授業経営学その5)

2010年03月03日 | 高等教育
今までのブログで何回か書きましたように、私は自分自身で毎回の授業で学生による授業評価を自主的に実施していますが、鈴大では前期と後期の終わりに大学として学生による授業評価を実施しています。私の放射線技術科学科4年生の授業の評価結果が出たので、皆さんにもご報告いたしましょう。

対象人数88人中回答者は46人で、回答率は52.3%でした。この授業評価は、学生さんが任意に学内のネット上で記入するので、必ずしも回答率が高くないのですね。でも、私が独自に実施した授業評価と比べて、ほぼ同じような結果でした。

総合評価では“とても良い”が29人、“良い”が13人、“どちらともいえない”が4人で、それぞれ5点、4点、3点として合計点を出すと、4.54という値になり、これは私が最後の授業で実施した独自の授業評価の総合評価点数4.58(回答率80%)と、ほとんど一致しています。

学生さんたちの自由記載もご紹介しておきましょう。

・授業ごとにアンケートを実施していただき、本当に気軽に質問ができたのがとてもよかったと思います。また、意見した内容に関しても、本当に丁寧に説明や改善を行ってくれて、先生の熱意が伝わってくる授業でした。この授業は、模範だと思います。
・学生の意見を集計し、すぐに取り入れてくれる所かとても嬉しかったです。国試対策テストも勉強になりました。
・学生の声を聞いてくれた
・毎回の授業でアンケートをとってもらい、授業についての質問や意見が伝えやすかったです。
・豊田先生はとても学生思いの先生で、毎回授業が楽しみでした。先生のような、もっと学生の目線から考えてくれる先生が増えたら良いと思います。
・毎回授業でアンケートを行っていたので,学生の意見をよく反映させた授業であったと思う. ただ,他の授業や先生に対する文句をこの授業のアンケートでぶつける学生が多くうっとうしかった.
・とてもわかりやすく、質問などの回答もしっかりとしていただけたので、とてもよかったです。
・学生が意見できるよう配慮してくれ、先生の熱意が伝わってきたので非常に良かった
・love toyoda

そして、私がもっともうれしかったのは

・今すぐには改善できないことでも、徐々に改善していこうとすることで、後輩のためになるから、どんな些細な意見でも言って下さい。みんなで、鈴鹿医療科学大学をいい大学にしていこう。と先生がおっしゃられたことが心に残っています。

という学生さんのコメントでした。

大学を、教職員のみならず学生たちともいっしょに良くしていこうという私の語りかけに、学生さんがこのように反応してくれたとは!!彼らはもうすぐ卒業なので、意見を言っても、彼らには直接は還元されません。でも、彼らは後輩達のためを思って、いろんな意見を言ってくれました。

大切なことは、学生たちの意見が、ちゃんと改善に生かされたかどうかフォードバックすることですね。

さっそく、学生さんたちに、良い知らせをご報告いたしましょう。

つい最近の大学協議会で、学生による授業評価を学内で公開することが正式に決定されました。実は鈴大では今まで、学生による授業評価は、担当する先生お一人と、理事長、学長しか見ることができなかったのです。それが、今後は、全教職員と全学生が見ることができるようになります。今まで学生たちは、授業評価をしてもその結果を教えてもらえず、いったいどう生かされたのか、まったくわかりませんでしたが、今後は、少なくともその評価結果については、フィードバックされることになります。きっと授業評価の回答率も上昇することでしょう。

これは鈴鹿医療科学大学の教育改革にはずみをつける大きな第一歩になると思っています。
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