肯定的映画評論室・新館

一刀両断!コラムで映画を三枚おろし。

『カリガリ博士』、観ました。

2007-10-10 20:22:08 | 映画(か行)





監督:ロベルト・ヴィーネ
出演:ヴェルナー・クラウス、コンラート・ファイト

 『カリガリ博士』、観ました。
北ドイツのある街。カーニバルの見世物で、カリガリ博士は眠り男ツェザーレを使って
人の運命を占っていた。ツェザーレは博士の手で催眠術にかけられていたのだ。
ある日、友人フランシスとともに小屋をのぞいたアランは、明朝までの命と予言され、
まさに翌日には何者かに殺されてしまう。フランシスは疑惑究明に乗り出すが…。
 この、ふざけたようなタイトルにダマされちゃいけないッ(笑)。今から90年も昔に
作られたサイレント(無声)映画でありながら、一度観始めたら最後、その“驚異の
映像”に魅せられて、“幻惑のストーリー”に引き込まれた後、“驚愕の結末”に
愕然とする。それにしても、ときは20世紀初頭、《映画》という“娯楽”がこの地球上に
誕生して僅か10年あまりの映画創成期、すでにその舞台は“実像”から“虚像の
世界”へと進歩を遂げ、“人間のイマジネーション”を駆使した世界観が存在していた
事実にただただ驚かされる。しかも、“ドイツ表現主義(←後のティム・バートンら
多くに映画作家に影響を与える)”を取り入れた美術・セットの数々は“摩訶不思議な
幻想空間”を作り出し、物語の最後の最後で“特別な意味”を成してくる。その大胆な
仕掛けと鮮やかな結末は、今回2回目の鑑賞となるオイラにして“新鮮”に感じられ、
いざ終盤へと向かう場面では再び“胸の高鳴り”を抑え切れない。この、二重三重に
仕掛けられたどんでん返しは、仮に今の若い人たちがみても「面白い」と感じるだろうし、
いや、それ以前に度肝抜かすに違いない。一方、映画中盤、夢遊病患者ツェザーレが
深い眠りから覚め、妖しい瞳に光が戻り、ギラリと開かれた瞬間、思わず“凍りつく
ほどの恐怖”に襲われる。それは、この名画がどんでん返しだけに頼らずとも、
“普遍的なパワー”を持っていることの証明だろう。この作品が製作から90年経った
現在(いま)も風化することなく、きっとこれから90年先の未来へも‥‥、人類が
この地上に存在する限り受け継がれていく。それは我らにとって何事にも換えがたい
“貴重な財産”であると思う。



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