肯定的映画評論室・新館

一刀両断!コラムで映画を三枚おろし。

『DEATH NOTE デスノート 前編』、観ました。

2007-02-22 22:33:00 | 映画(た行)






監督:金子修介
出演:藤原竜也, 松山ケンイチ

 『DEATH NOTE デスノート 前編』、観ました。
退屈な死神が人間界にノートを落とし、退屈な天才がそのノートを拾った。
そこに名前を書かれた人間は死ぬ。それは文字通り、人の死を決定付ける
"死のノート"。死神だけに許された究極の道具を手に入れたのは、誰にも
負けない頭脳を誇る全国トップのエリート大学生、夜神月(ライト)だった‥‥。
 前/後編ある2部作を、その“前編”だけ観て評価を云々(うんぬん)なんて
馬鹿げてる。だけど、そうも言ってられないBLOGの台所事情がありまして…(汗)、
よって、何とか無理矢理にでも書かねばなりますまい(笑)。うん、さすが、
大ヒット人気コミックが原作ということで、物語展開も面白いし、キャラクター
(設定)だってよく考えられていて感心する。中でも、鹿賀丈史が扮する“刑事
局長”の存在感がミソ。追う者("L"にとっての部下)と追われる者(ライト
にとっての父)とが、彼を介して繋がり、その彼を挟んだ両側でバチバチ激しい
火花がほとばしる。そして、その天才同士による水面下での攻防は、僅かの
ミスさえ命取りになる…、まさに“死のゲーム”の様相だ。
 と、そんな風に、映画はサスペンス要素と娯楽要素を散りばめながらも、
作品(少なくともこの前編?)が扱っているテーマは、思いのほかに重厚だ。
“法の裁き”の限界について…、“恐怖”で押さえつける平和について…、
そして“真の正義”のあり方について‥‥。ただ、何故だろう。観終わった
ボクには、それらのテーマがいまひとつ耳に響いてこない。では、思い出して
みよう、事の始まりはこうだ…。主人公ライトは、法の裁きを逃れた犯罪者が
のうのうと生きている、そんな社会の現実を打破すべく、デスノートを“正義の
ため”に使おうとする。ところが一転、自分が疑われ始めると、標的は“自分に
疑いを持った人間”へと移っていく。つまり、ライトはその「(行き過ぎた?)
正義」を貫こうとするあまり、いつしかライト自身が“悪の領域”に足を踏み入れて
しまうのだ。ボクがこの映画で残念だったのは、テーマの中核を成す…、
その大切な部分が意外なほどアッサリとしていて、ライトの「善」が「悪」へと
移り変わる、その瞬間がいつだったのか?、そのとき彼はどんな心理だったのか?、
そのあたりが十分に伝わってこないこと。まぁ、結局のところ、この前編では
問題を提議しただけで、この答えは次作『後編』でいうのが本当のところかな。
果たして、今のボクたちが従うべき…、そして“信じるべき正義”は「てめぇの
中だけのモラル」ってやつなのか…、それとも「でっかい社会が定めた法律」って
やつなのか…、次作『後編』がどんな回答を出すのか、非常に楽しみだ。



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