肯定的映画評論室・新館

一刀両断!コラムで映画を三枚おろし。

『ハッピー・フィート』、観ました。

2007-08-25 22:47:07 | 映画(は行)





監督: ジョージ・ミラー
声の出演:イライジャ・ウッド、ロビン・ウィリアムズ、ブリタニー・マーフィー

 『ハッピー・フィート』、観ました。
南極で一大帝国を築く皇帝ペンギン達は、心の中から湧き出る歌で愛を語り育むのが
習わしで、人生は歌で決まるといっても過言ではないほど。ところが、メンフィスと
ノーマ・ジーン夫妻に生まれたマンブルはちょっと毛色が変っていた。その歌声は
誰もが耳を塞ぎたくなる酷い代物。小さな足をパタパタさせるダンスだったら誰にも
負けないのに。歌えないまま成長した彼は忌み嫌われ帝国から追放されてしまう…。
 さもハリウッド的な歌やダンスを前面に、もっと単純に楽しめる“ファミリー向け
エンターテイメント”かと思ったが、(物語の過程で)いつしかパパは“うつ状態”、
主人公ペンギンも“抜け殻”みたくなっちまって、およそ“らしくない”重たい空気が
圧し掛かる。個人的には、序盤から中盤までの“底抜けに明るい展開”と、(主人公と
ヒロイン両者による)“爽やかなロマンス”の方に居心地の良さを感じていたので、
説教臭い終盤の展開は“夢の世界”から“暗い現実”へと引き戻されたようで、正直、
戸惑うことしきり。確かに、乱獲による生態系の破壊は深刻だし、環境保護は我々に
課せられた重要な使命だと思うが、(物語の)最後の方だけで取って付けたような
結論は、結果として“観る者の心”を映画から遠ざけてしまったのではないか。いっそ、
色恋モノを全部排除して、“メッセージ性”を前面に映画冒頭から打ち出すか…、
逆に、最後まで“娯楽”だけに徹するか‥‥。何だか映画の前半と後半で、全く
別の映画を2本見せられたみたいだったなぁ(笑)。
 さて、改めてこの映画を“映像面”から検証すれば、海に飛び込んだペンギンが、
海中から海面を通して海上の氷山を見るシーンや、水族館のプールに捕らえられた
主人公ペンギンが、ガラス越しに浮かび上がる“外の見物客”に恐怖する場面など、
従来のアニメーションではおよそ成し得なかった“CGアニメならではの立体感”に
驚かされる。ただ一方で、これを“ミュージカル”の側面からみてみると、無数の
ペンギンが一糸乱れぬフットワークでダンスを披露する場面では、“オールCG”で
描かれている以上は(動きが)揃っていて当たり前かな、なんて…、“ひねた大人の
視点”で見てしまう(笑)。やはり、ここは生身の人間が魂を込めて歌い、汗を流して
踊ってこその“ミュージカル”であって、意外なところで“アニメーションの限界”を
垣間見たような、そんな気がした。



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