『トーク・トゥ・ハー』 、観ました。
昏睡状態となり眠り続けるバレリーナ“アリシア”を献身的に世話をする看護士
ベニグノ。一方、同じく昏睡状態に陥った女闘牛士“リディア”の恋人マルコ。
互いの境遇を語り合う2人の間にはいつしか厚い友情が生まれるのだが‥‥。
たった今、映画を観終わって、感じたこと、伝えたいことがあり過ぎて、
頭の中で整理出来ないままに書いている。「無償の愛」と「不変の愛」について‥、
「愛することの幸福」と「愛されることの喜び」について‥、「愛の神秘」と
「奇跡」について‥、勿論、これを一言で“愛の映画”と言ってしまうのは簡単だ。
しかし、ここには何千何万の美辞麗句を使っても表現できない哀しくも美しい、
そして“強き愛の姿”があった。バレイ劇や無声映画の挿入など、この複雑な
構成を僅か2時間足らずにまとめ上げた脚本も素晴らしいし、要所要所で印象的に
使われる原色“赤”の使い方も見事。最後は沸きあがる感動に堪え切れず
泣いてしまう、『オール・アバウト・マイ・マザー』に続くペドロ・アルモドバル
再びの愛の大傑作、ボクも絶対的に支持します。
映画は事故によって昏睡状態となってしまった2人の女性、、それでもひたすら
想い続ける男性2人の物語。それは互いの体合わせても心までは触れられぬ、
あまりに残酷な愛‥。しかし、そこには2つの愛のコントラストがあり、
悲しみに暮れ愛を諦めた男と、それでも奇跡を信じ続ける男がいた。信じる男は
話し掛ける、例えその声が届くことのない“一方的な愛”だとしても‥‥。
だけどボクは思うんだ、きっと彼は彼女にただ愛されて欲しくて愛したんじゃない、
自分の愛を彼女に少しでも知って欲しかっただけなんだと‥‥。そして、他人から
どう思われようが、その時彼は“人を愛する喜び”を実感していたんだと‥‥。
そして“奇跡”は起きた、一つの愛を引き換えにして‥。この世で一番不幸なのは
“愛を信じられない人”かもしれない。
TB,&コメント、ありがとうございます。
この映画、内容的に誤解されやすい映画だと思うけど、
ここに描かれているテーマは、とっても大きくて深い。
観終わった後の余韻というか、
あの、何ともいえない感覚は、
あれからもう数年が経とうとしているのに、
まだ続いているような感じです。