鳥瞰ニュース

空にいるような軽い気分で・・・

しゃべり方観察(その7)

2008年04月30日 09時54分56秒 | 言葉の世界
うなりしゃべり、がなりしゃべり、ねこなでしゃべり、おねがいしゃべり、したりしゃべり
こごとしゃべり、ぱずるしゃべり、はきすてしゃべり、のうがきしゃべり、てんびんしゃべり

《ぱずるしゃべり》
少し前まで携帯電話での会話は、要点だけを早口にしゃべらなければと焦りながら分秒を競った。わたしは効率よく経済的に話すセンスがない。言い間違いをして訂正する、言い換えを何度もする、あげくは的確な表現がみつからなくて立ち往生する、話があっちに飛びこっちに戻り、時間的経過も順序がバラバラで連ならない、焦っているうちに呂律まで回らなくなる。つまりわたしのしゃべりはパズルのピース状に分かれていて、聞いている相手は自分でそれを一つの絵に組み合わせなければならないのだ。ご苦労様です。

それでも、ほぼ毎日携帯電話で話をしなくてはならない。箇条書きの要領で出来るだけ文章を短く句読点をまめに・・というようなことを前もって頭のなかでイメージして電話を掛けるのだが、相手のその時々の状態も違ったり、いきなり思いがけない質問をされたり、反応が予想外であったりすると、話がぱずるしゃべりになってヨレヨレになる。

そこで最近は仕事の話でもプライベートでも、こちらからの発信はすべて携帯メールでやるようにしている。向こうからの電話は、これはもう相手の電話料金になるわけで、初めからこちらを知った上での覚悟の上だろうから不都合は我慢してもらうしかない。でもできるだけ一語一語無駄なくしゃべるようにしているつもりだ。努力もしているつもりだ。

こちらが、どんなにひどいぱずるしゃべりをしても、てきぱきとフォローして理解して話をすすめてくれる人がいる。聞き上手というよりすすめ上手とでも言うのだろうか。それぞれの仕事のプロは想定問答集が頭に入っているからだろう。

全面的に受け入れて想像力豊にこちらの言いたいことを引き出してまとめてくれるなら、それはヒーリング系ボランティアを自然にやっているということにもなろうか。ところが上手く話を聞きながらいつのまにかあるところに誘導してしまうような詐欺商売もはびこっているようだ。今日のニュースで言っていたが、年金課や税務署の職員を名乗って言葉巧みに騙す振り込め詐欺が急増しているそうだ。

話は戻るが、ぱずるしゃべりのわたしは本当に携帯メールとインターネットの普及が有難かった。一方的な独り言が多いのだけれど、自分の中のピースを一応まとまりのある絵にしようと時間を盗んでは打込んでいる。蛇足ながら『打込んでいる』はタイピングをする動作のことだ。求道的に打込んでいるのではない。
 (つづく)

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