
電話に出てきたのは店長だった。
ひとしきり確認をしつつ謝った後に、差額をご返金するのでサービスカウンターに寄ってもらえないか、というようなことだった。
それとも、これから返金に行くので、住所と名前を教えてくれないかとも言う。
気になったのは、ペラペラと淀みなく話しながら、時々私のことを『奥さん』と呼ぶこと。
『お客様』とは言わずに確かに奥さんと言うので、私にすればうわずった高音で話しているつもりはないのに、彼の癖なのだろうか。
それともクレーマーとして現れる女性にはとりあえず、何回も『奥さん』と呼び掛けながら話すタイプの甘えん坊系なのかしら!?あらやだ。
最後に〇〇さんの下の名前も教えて欲しいと言うので、ついついすぐに教えてしまったのだが、そこで(あ、男だったのか)と思ったのかどうか。
来てくれると言うのなら、間違えた非はスーパー側なのだから、それはその方が良いと思い、おそらく家の周りにいるので、着いたら電話してくれるようにと頼んで切った。
同級生からは鰯の捌き方のレクチャーを受け、私は彼が傍に居ることでスーパーへの電話対応も冷静にすることができて嫌らしいクレーマーになることなくカスハラともならない穏やかな苦情の手本を見せたのであった。
そうして彼にわがニホンミツバチを見せながら話している時に、10kmの距離をすっとばしてきたらしい店長から着いたという電話が掛かってきた。 つづく
敷地内に勝手に生えている桑が勢いを増し実が熟し始めた。
鳥に食われる前に少しは味わいたいので通るたびにいくつか摘んで食べる。
子どもの頃に、アルミの弁当箱に沢山摘み取って、われらガキどもを羨ましがらせながら食べる障害のある大人が居た。
あれをやってみたいとよく思ったものだけれど、いまだに果たせていない。
昔のようにどこにでもあった桑畑がなければ大きい実は取れないだろうから、今更それは難しい。













































