

5年ほど前に試しに食べてみたのだが、どのようにして食べたか、味はどうだったか全く記憶にない。
とにかく採るのが面倒だったという記憶だけがあり、その後、面倒だったのは地表部を切り取ったからなのだと分かった。
地中にある根からすぐ上の部分を切れば、葉がバラバラにならずに都合よく調理できるようだ。
したがって、手シャベルの先を斜め45度で地中に刺し、茎を切断する。
わざわざ山に入ったりせずに自分の敷地内に勝手に生えているのを1食のおかず分だけ採った。
その気になったのは、耕運機を掛けていて、畑にでたヤブカンゾウの新芽が太くて、そのまま機械で粉砕するに忍びなかったから。
検索すると、生でサラダにするのも良いが、サッと茹でるか蒸しておひたしか酢味噌和え・・・。
となれば、おひたしが簡単だろうとやってみた。
かなりきちんと洗ったつもりなのに、熱湯に入れたら、葉の付け根に入っていた土や汚れが湯の中で踊っていた。
蒸すのが1番甘みが際立つというような記述もあったのだが、熱湯に投入が正解だった。
初めてやった時は、葉がバラけていたので、それが無かったのだろう。
湯から引き上げるのもバラけていないので、シャブシャブと洗いながら引き上げた。
すっかり縮んで、多過ぎると思っていた嵩がちょうど1人前となった。
ほんのり甘くて、他の山菜のそれぞれの個性的な味を楽しむのとは次元が違う。
食感はシャキシャキとして、茹で過ぎかと思っていたのに、顎が疲れるくらいの歯応えがあった。
苦味や辛味やエグ味がないので有り難みに欠ける。
歯触りは楽しめるけれど、豊富に山菜の出るこの時季、わざわざ食べるほど値打ちのないのがよく分かった。
夏になるまで待って、つぼみか花を食べる方がまだマシのような気がする。
そのままにしておけば薹立ちして花を咲かせるに違いない太さのものを選んで摘んだのだから。