

田舎とは言え古い家ばかりではなく、しかるべき収入も財産もあるのだろうと思われる新築や改築済の綺麗な家も多い。
そんなお宅はほぼ全部が燕に軒先を貸すのを嫌い、燕お断りのキラキラテープをスダレ風に下げている。
それでも燕はローラー作戦訪問販売よろしく、黙認してくれる家に行き当たるようだ。
そうして雛が巣立っても当然ながら空中に浮遊する虫を捕えるまでの飛翔力が身につくまでは、きょうだいがかたまって電線などに止まり、親が近づいたら黄色い嘴を目一杯アピールしてねだる。
うちの周りを子育てに利用して飛び回っている燕には、私にすれば温かい視線を送るというわけにはいかない事情がある。
蜜蜂を食うという話なのだが、わがニホンミツバチの飛翔は複雑な軌跡を描くので空中での捕獲は難しいとは思う。
でも、『新女王が交尾のために空高く舞い上がっても燕に食われる可能性がないわけではない』というような記述を読んだことがある。
そんなことがあったら、養蜂をする者にとっては最悪なシナリオで女王の居なくなった群の行く末は消滅しかない。
巣立ちしたばかりの仔燕は、もともと人家の軒先で生まれ育っているので人馴れしていて近づいて撮ることもできた。
親が飛んでくると一斉に黄色い口を開けてねだるのだけれど、親は均等に餌をやるほど個別に識別しているのだろうか。
ねだり方の切迫感を感じ取って均等配分ができてしまうのだろうか。
わがニホンミツバチを捉えてやっていたりして、仔燕が蜜蜂の味を覚えたりした日には迷惑千万なことだ。