レベル・サーティーン

（原題：13）
【2006年・タイ】試写会で鑑賞（★★★☆☆）

タイで人気の漫画家エカシット・タイラットの原作「OUT OF CONTROL」を映画化したシチュエーション・スリラー。

楽器販売会社に勤めるプチット（クリサダ・スコソル・クラップ）は、クレジット会社から借金をしている身で、ローンが払えず車を没収され、母親からは金を無心されている最悪の状況だった。営業成績が振るわ内政で会社をクビになってしまう。そんなプチットの元にある電話がかかってくる。それは13のゲームに挑戦して、クリアするごとにそれに見合った賞金が入手できる。最終的に13の課題をクリアできたらトータルで１億バーツ（約３億5000万円くらい）もらうことができると言う。最初に出された課題レベル１は、【床に落ちている雑誌でハエを叩き落とす】というものだった。最初は友人のイタズラかと思っていたプチットだが、ハエをたたき落とすと銀行から携帯に１万バーツが入金されたという通知が届く。ここで再び謎の人物から電話が入り、ゲームの詳しいルールが告げられる。このゲームは、プレイヤーが課題をクリアできなかった時、本人から終了が告げられ時、プレイヤーが管理人を詮索した時に終了する。しかし、その時点での賞金はすべて没収される。借金まみれのプチットは、このゲームに参加していくコトを決意する。そんなプチットに出された２つ目の課題は、【叩き落としたハエを食べろ】というモノだった…。



タイ映画ですよ、タイ映画！
この作品で描かれているのは、ネット社会の暗黒面。
タイ映画といえば2004年製作の「ガルーダ」（英題：GARUDA）のように、稀に傑作に出会えますからねぇ。
あなどれません。
主人公が不可解なゲームに巻き込まれていく映画といえば、マイケル・ダグラス主演で1997年に公開された「ゲーム」（原題：THE GAME）がありますね。



それにしてもタイ版のポスターはすんごい格好良いのに、なんでこんなにしちゃうんだろう。
眼鏡に勝手に色付けて、まるでロシア映画の「ナイト・ウォッチ」みたい。
それを狙っていたのかもしれないけど、ともやはタイ版のポスターの方が好きだなぁ。



主人公のプチットには様々な課題が出されていく。
レベル１：壁に止まったハエを叩きつぶす。
レベル２：叩き落としたハエを食べる。
レベル３：保育園で３人以上の子供を泣かせる。
レベル４：路上の物乞いが集めた小銭を奪う。
レベル５：レストランで出されたモノを残らず食べる。
レベル６：バスに乗っている乗客を叩きのめす。
レベル７：井戸の底で亡くなっている老人を引き上げ、家族に連絡する。
レベル８：元カノが付き合っている彼氏を叩きのめす。
レベル９：入院している老婆を病院から連れ出す…などなど。

最初は簡単だった課題は徐々にエスカレートしていく。
それらの課題は、プチットの人間性を少しずつ壊していくものだった。

個人的にはレベル５でちょっと引きました。
基本的にグロは大丈夫なんだけど、ス●●●は…。
お国柄というのがあるんでしょうが、ちょっと課題が物足りなかったっていうのはあります。
この作品はハリウッドでリメイクが決まっていて、ハリウッドならもっとえげつない課題のゲームを作ってくれそうですね。
いつになるかは分からないけど楽しみ、楽しみ。



ちなみに主人公プチットを演じるクリサダ・スコソル・クラップ。
「プリズン・ブレイク」のマイケル・スコフィールドを彷彿とさせます。
ちょっと貧弱なマイケル…ね（笑）。
タイではスーツにネクタイってスタイルをしている人が珍しいのかなぁ。
そんな疑問を思ったり思わなかったり…。
一度は行ってみたい国ですね、タイは。

監督はマシュー・チューキアット・サックヴィーラクル。

2007年６月９日よりシネセゾン渋谷で公開
公式ＨＰ：レベル・サーティーン

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