goo blog サービス終了のお知らせ 

続・凹凸~くだらない日々は続く

ヲタク話題だったり、猫話題だったり、愚痴だったり。人にとってはどうでもいいような日常話題あれこれ

ほっとひと息の週末です

2011-10-29 23:37:56 | 旧日記
 やっと、本当にやっと、週末なんです。
 一週間の残業の後、今日くらいは早く帰りたかったのに、締めとして会社のイベントで普段の残業時間くらいまで拘束されてました・・・しかも、全然嬉しくもないご褒美あり。
 死ぬほど最悪。
 あー辞めたい(辞めたい病)。
 勿論、妄想している暇もなし。

 しかし、実は、今週は1日だけ有給取って色々御用済ませてきました。
 平日じゃないとできない事は山ほどありますものね。 
 銀行行ってアレコレしたり、友人の出産祝い行ったり。
 まったり銭湯は行きましたが、家ではあまりまったりはできなかったかな。
 そろそろ、定例のアレルギー症状が出てきているので、病院も行かないと~・・・初回は毎度検査があるんで、時間に余裕のある時じゃないと行けませんが。・・・時間に余裕欲しい・・・。
 来週からは少しだけ仕事が楽になるようですし、来月末くらいからは比較的余裕ができるらしいから・・・、再来月にでもまた有給取ってまったりしましょうかと。紅葉にはもう遅すぎですけどね。
 銀行行って、アレコレして、資金繰りがちょっぴり怪しくなっているので・・・某茄子額が確定するまではやや節約傾向を心がけないとー。物欲抑制!
 それから、昔の友人から妙なプレッシャーを貰ったので、年末までしばらく憂鬱かも・・・あーメンドクサイ。ヤな事はさっさと済ませたい。

 愚痴から入る、週末日記(苦笑)。

 自分だけ楽しい、いつものものは・・・、
 百合子さんと鳥貝ちゃんのいっちゃいっちゃ妄想は頭の中だけでしています。
 そして、海編、今更書き進めています(苦笑)。終わり近くまで行っているものの、まだまとまらない。鳥貝ちゃんが旋毛を曲げてしまって、お話を進めさせてくれない感じ。
 次のリオさん話も、回想部分は書きあがっているけれど、根幹の部分がまだだから・・・それもなんとかしたいなー。しかし、ほとんどリオさんの独白の「台詞」だらけのお話。雑誌のインタビュー的な。
 更に次の斎さんのお話も、楽しいから書き進めたいんだけど、拗ねた百合子さんが進ませてくれない感じ。校内で鳥貝ちゃんと睦みあえるなら進ませてくれるかしら。
 12月までもつれ込みそうなら、海編の前に、既に書きあがっている冬のお話UPしましょうかな。

 衣替えまだです。
 うーん・・・明日は天気も悪いし、あまりしたくないなぁ。来週の祝日か土日かな。なんとか今ある服で調整しないと。

 マオウ様の膀胱炎、良くなってきているのか、抗生物質のおかげか、オシッコの頻度・量は落ち着きました。この調子で治ると良いのですが。病院は来週末。・・・キャリーケースに入れるのが、一苦労・・・とほほん。

 明日はまったりしながら色々動きましょう。


※ウェブ拍手ありがとうございます!
 連日くださっている方も、ここの所下さった方々も!
 この冬は年明けからが寒いそうです。
 ・・・が、ここの所冷え込みは増しています。例年より暖かいといえど、寒いものは寒いのです。
 寒い日は、暖かいものを食べましょう。おでんやシチューもいいですね~。お鍋とかね!
 ここまできたら年末はあっという間。
 体調管理にお気をつけて、年末年始を乗り越えましょうね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

一週間の末

2011-10-22 21:32:37 | 旧日記
 やっと週末です。
 今日まで仕事だったんですよ・・・とほほん。
 勿論連日残業だったんですが、昨日は午前中を休まざるを得ない状態に。
 マオウ様が・・・膀胱炎になりました・・・凹。
 2日前、残業から帰って来てマオウ様のトイレ掃除。・・・シッコの固まりが小さすぎる。おかしい、と思っていたら、案の定。一時間おきくらいに頻繁にトイレに行くし、実際ほとんどオシッコでていないわ。
 結石か膀胱炎だとはあたりはつけましたけど。
 その晩、トイレに頻繁に行くマオウ様もですが、わたしもほとんど眠れなかったです。
 マオウ様が心配で&マオウ様のトイレをかく音が頻繁に響いて。
 しかも、妙な夢を見ました。
 シッコのでないマオウ様。頑張っていきんだ末に、シッコの変わりに出てきたのは、奇妙な・・・虫? カタツムリかな? 殻がマゼンタ、体色がグリーン。まるでアメリカ製のキャラクタのような配色。そのカタツムリもどきが出た途端、マオウ様のシッコが正常に戻ってメデタシメデタシ・・・的な夢。しかもカタツムリもどきは、その後順調に成長して、なんかサルまで進化していました。
 ・・・覚えてるくらい、インパクトがあったらしい(苦笑)。
 で、診察の結果は、案の定膀胱炎。尿に血液反応が出ました。そして、アルカリ性の尿。結石がなかったのは幸いでしたが。
 原因は・・・なんでしょうねー。ストレス、なんだろうかな・・・。
 わたしが残業続いて家にほとんどいなかったからか、最近ご近所で家を建てているようで、その音が連日響いているせいか。
 外的要因じゃないと良い。・・・ネコ同士のケンカなら仕方ないけど、人間が関わってたらね・・・色々面倒ですから。
 ともかく、抗生物質を注射してもらい、また2週間後に病院です。
 それから、しばらく療法食です。
 ついでに、体重が増えていたので(はぁ・・・)、ダイエットも意識します・・・が、意識して、食事量を減らした途端、ここの所あまりしなかったのに、買い置きご飯を漁って自らお食事していまいした・・・くそぅ、マオウ様めぇぇ。
 まったく、手のかかるマオウ様です・・・。
 でも、元気で長生きしてもらわないと!
 マオウ様のいない生活なんて、考えられません。

 今週はさすがに、妄想している暇がなかったです。
 だから、ほとんど何も進んでなくて・・・淋しい~。
 読みたい、書きたい、妄想したい!
 百合子さんと鳥貝ちゃんのいっちゃいちゃが読みたいよぅ。
 明日は外出せずに掃除・洗濯・妄想・・・でもしましょうかな。あ、衣替えもしないと。

 昔懐かしゲー「弟切草」をDLで購入しました。
 「かまいたちの夜」は過去に散々プレイしましたが、こちらは初めて。
 普通に楽しいです。1プレイ30分かかるかかからないか。なので、寝る前にプレイしています。
 しかし・・・飽きも早いかも。
 ストーリーに整合性がない・・・分岐が多すぎるせい?
 新しい設定が出てきた! と、思ったら、その設定は次の瞬間に消えてるし。
 なので、ストーリーそのものが面白くなくなってきました。
 そこの所は「かまいた」の方が楽しかったような。
 このゲームも、全ストーリーを攻略すると、栞がピンクになる・・・とかあるのかな。でも、多分、そこまでプレイしないかも。
 何か楽しい昔ゲー、残業がマシになった購入しましょうか、と。

 妖怪人間ベムの実写版・・・。
 うーん・・・。
 この手のモノって、ジャニ系が関わってくるし。
 昔アニメリメイク実写は、ジャニファンのためのドラマ?
 見ませんけどね。
 主役の亀さん、いっそリアリティ追及に男らしくスキンヘッドにすりゃよかったのに。ベムといえば、スキンヘッドでしょう。これぞ漢!
 ベムかぁ・・・あのオープニングが怖くて怖くて。「早く人間になりたい!」
 きゃーきゃー云いながら、兄と一緒に見ていたなぁ。子供の頃の夏休みの思い出。
 あの切ないED、どうするんでしょうね。まさかのハッピーエンドなら、幻滅かも(苦笑)。ハッピーエンドは後味はいいんですけどね。

 昔アニメの実写化といえば。
 「らんま1/2」もまさかの実写化だとか。
 特別ドラマか、連ドラかは調べないと分からないけども。
 主役はあかねで、普通に若手女優(タレントかな?)さんが演じられるので(某KBでなくてよかった)、少し楽しみかも。見ますよ。
 設定上、裸シーンも多いハズですが・・・さすがにそこまではしませんよな。
 そういや、あのアニメ、女らんまの乳が普通に出ていたんですが・・・今のアニメの制約では多分無理なのでしょうな・・・。えっちぃ系のギリ年齢制限なしアニメでも、乳○は出しませんものね。
 乱馬役の俳優さん、全然知らない人でしたが、かっこよいと良い。
 玄馬パパパンダは、CGで頑張るのかしら。
 うーん色々な意味で楽しみ。

 きっと、近いうちにワンピの実写化もしそうね。
 CGも進化してきているし。
 お正月特別番組、とかで。
 ・・・アニメはアニメだから良いのになぁ・・・。
 昨今のドラマが低迷してるから、アニメ・漫画原作に逃げるか。
 そりゃ、確かに、個人的にも、ドラマ見るよりアニメみてた方が楽しいものなー。

 さて。
 明日は遅寝してから、動きましょうか。
 マオウ様の膀胱炎、改善されると良いけれど・・・まだ頻尿続き。まぁ、少ないとはいえ、出ているからいいか。・・・出なくなると、命の危機ですからね。

 あ~・・・今から銭湯行ってくるかなぁ・・・。
 広いお風呂にゆっくり入って、ついでにお風呂帰りにお酒買って来よう。最近、お酒がますます好きになってきて・・・危ないなぁ(苦笑)。
 土曜の夜だから、混んでるかも。
 ま、いいか。


※ウェブ拍手ありがとうございます!
 頻繁に下さっている方、ここの所くださった方、ありがとうございます!
 行楽には良い季節ですね。
 運動不足解消のためにも、どうぞお家の中にばかりいないで、お外でこの良い季節を楽しみましょうね♪
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ひつじものが目に付く今日この頃

2011-10-16 19:32:18 | 白いひつじ断片SS
<script language="javascript" src="/.shared-blogzine/decokiji/deco1003_line2/deco.js"></script>
 やっとプリンター買いました。
 単機能の顔料インク。写真の類は多分プリントしないので。使うのは年賀状と、時々ウェブページ、それから、自分の創作類くらい。それくらいで十分。
 熱帯雨林で購入で、とってもお安かったのですが・・・昨日立ち寄った閉店セールしていた電気屋さんのが安かった・・・とほ。まぁ、そっちは展示処分品だったんですけどね。
 やー、でも、やっぱり新しいものは良いねー。あまり使わないと思うけど、フチなし印刷もできるしね。試しにプリントしたら、すごい早かったし。顔料インクといえど、少なくとも前使っていた10数年モノのプリンタより写真印刷も綺麗だったし。
 しばらく、嬉しくて色々使っていそう。・・・すぐに飽きるけどね!

 冬って、限定モノのチョコレートがアレコレ出没しますね。
 メルティーキス、バッカス・レミー(お酒)、きなこもちチロル。
 どれも好きです。
 嬉しくて、目に付いたきなこもちチロルを衝動買いしました。
 バッカスも買ってます。
 残業のお供にメルティーキスも欲しい。
 食べ物の美味しい季節、冬。
 冬という名の魔物がやってきましたよ(苦笑)。
 運動して代謝あげないといかんよなぁ・・・。

 さて。
 自分だけ楽しい創作UPです。
 いちゃいちゃ続き。
 付き合って半年目でこういう会話をするのは、百合子さんのご両親の職業柄です。
 なんか、鳥貝ちゃんの将来は決まっちゃってるようです。でも、別に恋愛を重要視しない娘さんなので、それでも良いようですが。

--------------------------------------------------
<オリジナル小ネタ8>
『Mom』<後編>
 なお美はすぐに戻ってきた。
 手に薬の袋と、カルテを持っている。
「ついでにカルテつくらせてもらうけど、いいわよね。体調が悪いときは利用してちょうだい。女性の病気なら随時相談に乗るわよ。」
「はあ、」
 やや強引な所はやはり百合子の母だ。
 なお美の座るソファの対面を勧められて、鳥貝は診療室の気分も感じながらそこに腰掛けた。ちらりと百合子を見ると、母につきあってやれ、という意味に感じられる諦めの表情をしている。
「初診の人は事前に問診票を書いてもらうのが本来なんだけれどね、別に診療時間の診察じゃないからいいわね。病気なわけでもないし。必要なことだけ聞かせてもらうわ。」
「はい・・・、」
「普段の病気のことからね・・・持病は持ってる?」
 本当に、病院に診察に来た気分になってきた。ただ、鳥貝が普段、風邪の時などに行く内科と違うのは・・・病気や通院歴、過去の疾患の事などを聞かれた後に。
「生理は正常に来る?」
「・・・っ、」
 百合子が台所にいるのだ。こちらの会話も丸聞こえである。いくら体を許した相手とは云え・・・先月求められた時にはそれを理由に拒んだとはいえ、聞かれたい内容ではない。
 それを察知したなお美だけれど・・・苦笑して鳥貝に云う。
「付き合っているなら、千里にも知ってもらっておいた方がいいと思うわ。色々と、ね。」
 なお美の言葉の妙なニュアンスの真意を鳥貝は推し量れないままに、問診に答えるしかない。
 それに加え、更に。
「性交渉の頻度はどれくらい?」
「・・・っ!! そ、それは、」
「・・・って、そうよね、云いづらいわよね。婦人科では聞くのが普通なんだけどね。」
 真っ赤になってしまった鳥貝を見て、なお美はくすっと笑う。
「その質問は、今はなし、でいいでしょう。当事者とはいえ、医者として守秘義務は遵守する必要があるものね。」
 ちらりと百合子を見て微笑む。
「でも、このお薬の事だけは、聞いておいてね・・・千里も、」
「え? どうして、」
 鳥貝の言葉をよそに、なお美が手招きすると、百合子は何も云わずに側まで近寄って、鳥貝の背後のソファーの背にもたれて、母親と向き合う。
「これが、いわゆる経口ピル・・・春海ちゃんは、知らないわよね?」
「・・・? はい?」
 それからなお美はその薬の効用と服用方法等について説明してくれたのであるが・・・鳥貝は絶句してただ頷くしかできなかった。
 つまり、その薬は・・・妊娠を妨げるためのそれだったのだ。
「スキンはどうしても男性任せになるでしょう? 妊娠して大変な思いをするのは女性なのに、そういう事を男性だけに任せておけないわよね。だから、これは女性からの予防策というわけ。もちろん、併用が望ましいわよ。スキンも100%じゃないし、ピルも絶対とは云えないのだから。」
 ここまでが女医としてのなお美の言葉。
 これからが母親としての感想。
「千里は、いまいち信用できないでしょう。事、あなたに関すると、冷静ではいられないみたいだし・・・千里?」
「あー、まぁ、な・・・、」
 鳥貝はいまいち理解していなかったのだが、最初の夜は生で中だった。そういう事を親に云うわけはないが、思い当たる節のある百合子は曖昧な言葉を返して、さらに訝られた。
「まさか、スキンさえもつけてない?」
「や、それは、大丈夫、うん。」
 普通、親子でこういう会話をするものだろうか。いくら親が産科医とはいえ。
「・・・やっぱり、なんか、信用できない。春海ちゃん、くれぐれも気をつけるのよ? 妊娠して大変な思いをするの、あなたなの。美和子さんの話を聞いても、そう思わなかった?」
 兄夏目は望まれてできた子ではない。子供を身ごもってから、美和子の人生は一変した。
 鳥貝は、複雑な思いながらも、頷いた。
「ああ、でも誤解しないでちょうだいね。もしもあなたに子供ができちゃったとしたら、わたしはむしろ嬉しいのよ? ふたりとも大人な年齢なんだから、そこに問題はないの。ただ、あなたが困るでしょう? 10ヶ月、お腹の中に命を宿した末の大変な出産、それからさらに大変な育児。そうなったら、今のように学生生活が送れなくなるわ。美和子さんのように、自分の人生を変えなきゃならなくなる。・・・ごめんなさい、勝手に産むという前提でお話してるわ。堕胎という選択肢もあるのだけれど・・・あなたたちの子供に、わたしはそれは望まないから。・・・何より、その選択肢は春海ちゃんばかりが苦しまなきゃならないから。」
 云われている事は分かる。
 でも、ひどく現実味がない。
 現実味がないながらも・・・百合子としている行為には、そういう可能性が付きまとうのだと、改めて実感する。
 幸せとか快楽とか・・・それを優先してしまって、忘れてはいけない事がある。
「まぁ、とりあえずお袋、堅い部分はなし。できたらできたで、その時はその時。おれが春海を幸せにするから、」
「なぁに、親の脛囓りの、たかが学生の分際でよくそんな事が云えるわ。」
「金銭面は頼りないけど、精神面ではなんとかする。これがおれの現状。一応理解はしてるよ。」
「現実は厳しいのよ。出産も本来どれだけ費用がかかるか、あなた分かってないでしょう? うちの病院のことに興味ないものね。」
「おれが跡継ぎじゃなくて良かっただろ?」
「本当は跡を継いで欲しかったわよ。お義父さんもそう思ってらしたのに・・・なんでこんな風に育ったのかしら。」
「人には生まれついての向き不向きがある。」
 軽い調子で続く母息子の会話に、やはり口を挟めない鳥貝。
 百合子の母にそういう関係がバレてしまったのは身の置き場もないくらい恥ずかしいけれど・・・でも、理解ある母親の理解ある言葉に、鳥貝は自分がとても恵まれているのだと感じる。こういう所でも、百合子と付き合っていてよかったと思う。
「ともかく、おれは今の現状が気に入っているし・・・何より、春海と一緒にいられるのが幸せだから、今進んでいる道に後悔はない。それから、おれは春海を手放す気はないけど、こいつの負担になるような事態は避けたいから・・・気をつけはするよ。」
「信用していいのよね?」
「・・・頼りないかもだけど、しといて。」
 云いながら、鳥貝の首筋に腕を絡めて、肩口に顔を押しつけてきた。
 鳥貝に甘えているのだ。
 母親の前でも平気でこういう事をしてくる百合子に、鳥貝は戸惑うばかり。
 なお美は・・・その光景に唇を緩めている。
 息子の特殊な性癖を嘆いたことはないけれど・・・けれど、誰かに真剣に恋する様子がないのは哀しいと思っていた。
 兄代わりの夏目に執着するほど、他の恋人と呼ぶべき存在に執着を見せた事がなかった。
 それが、今は・・・きっと、夏目に対する以上に、彼女に執着している。
「ほんとにね、諦めていた事が、叶いそうで嬉しいわ。」 
「・・・え? おばさま?」
 独り言で済ませようかと思いながら・・・でも、鳥貝の戸惑いの表情が可笑しくて、もっとからかいたい気分になって、なお美は先を続けた。
「千里の進路を諦めたのはね、何も本人の資質ややる気だけのものじゃなくて、千里の性癖で諦めていた部分もあるのよ。」
 百合子の性癖。
 出会ってこの方、百合子本人も隠そうともしないから鳥貝も熟知している。要するに、同性愛の事か。
「・・・病院を継いでもらっても、跡継ぎ、できないでしょう? まぁ、千里の事だから、自分の邪魔にならない程度の適当な女性をお嫁さんにして、子供も作って、家族をほどほどに大切にしつつ、性癖を貫くくらいの器用さはあるとは思うけどね・・・それじゃあ生まれてくる子供は哀しいじゃない。・・・だから、あなたがいてくれて、本当に良かったと思うの。・・・まだ、先の事は分からないけれど。」
「こいつが現れなきゃ、自分が将来子供を持つ事さえ考えなかったよ。むしろ、男を愛している間は、自分の血を引く存在なんて不要だと思っていた。」
「・・・彼女が夏目くんの妹だから、だけじゃないのよね?」
「当たり前。こいつを好きになったのは、それだけが理由じゃない。自分の遺伝子を持つ子供を愛せるかは分からない・・・でも、それがこいつの子供なら、きっと愛しいに違いない。例え、こいつが夏目と血を同じくする妹ではなくても。」
 何か、話が相当に飛躍して思える。
 というか、ここで何故兄夏目の名前が出てくるのかも、良く分からない。確かに、百合子が自分に興味を持ったのは兄夏目がきっかけだけれど、子供の話と夏目の話がどうして結びつくというのか。
 鳥貝は、また戸惑いに戸惑いを重ねる。頭の中が混乱して来つつある。
 戸惑いに目が虚ろになってきている鳥貝を見て、なお美はくすくす笑う。
「あなたの子供はね、あなたの次に、夏目くんに近しい血筋になるのよ。近しい遺伝子をもったその子はきっと、どこかが夏目くんに似ている・・・可能性がある、という話。」
「おまえの子供として生まれる存在は、夏目の遺伝子を持っているのと同じなんだよ。あいつに子供はいないけど・・・おまえの子供は、あいつの命を繋ぐ存在になる。あいつの存在をこの世に残すものになる。」
 少しだけ切ない声で百合子は云う。
 そして、鳥貝の戸惑いはいや増す。
 例えば、ふたりの母である美和子が今子供を産んでも、それは坂井の血が入った時点で夏目から遠ざかる。夏目と両親を同じくする鳥貝だから、より血が近い。
 なんだか、とても重い使命を課されたような気分にもなる。まるで、兄夏目の血を繋ぐ責任を課されたような。
 百合子は混乱して、硬直している鳥貝の耳元でくすくす笑う。
「難しく考えるなよ。まだずっと先の話だし、実際おれとおまえが子供を作るとは限らないだろ。そうであればいいとは心から思うけど。・・・おれとおまえが夏目を産んで育てる・・・、それって、すっげ魅惑的だよな。」
 難しく考えるなと云っておいて、またプレッシャーをかけるように畳かける百合子は、どうあっても鳥貝と子作りする気らしい。
「そんな云い方するのも愛情表現だとは思うけど、もし、あなたと春海ちゃんに子供ができたとして、もし、それが男の子でも・・・夏目くんとは全然別人なのは分かるわよね?」
「二重に仮定を重ねてきたか。・・・そりゃ、もちろん。ただ、可愛さは倍増だろうな、と思うだけだよ。」
 子供を作るとか作らないとか。
 まだ付き合いだして半年も経たないのに、そういう話が出てくる時点で何かがおかしいのだけれど。
 そもそも、避妊に気をつける、という所が話の根幹だったはずだけれど。
 困惑して、混乱して、しまいには小さく唸りだした鳥貝の頭に、百合子はくすくす笑いながら頬ずりする。
 鳥貝が可愛くて、愛しくて仕方ないと・・・態度で云っている。
 母親としては、初めて見る息子の激しい愛情表現に、笑うしかない。
 だからこれは言葉に出さずに、心の中で呟いた。
『愛しすぎると逃げられた時が辛いわよ。・・・でもね、春海ちゃんも逃げるつもりもないみたいだから・・・近い将来、あなたの望みは叶うかもしれないわ。そして、それは諦めていたわたしの望み。・・・夏目くんを失った悲しみ以上の喜びが手に入るといいわね。』
 きっと・・・母の想いは、いつか叶えられる。
                    ※おわり※
--------------------------------------------------

 将来鳥貝ちゃんが生む子は、夏目さんの遺伝子も引き継いでいます。
 夏目さんを愛していた人たちからしたら、それはきっとどこかに夏目さんを宿す愛しい子になるのでしょうね。各所からかわいがられそう。
 ・・・で、百合子さんと子作りするんですかね。
 何にしろ、いっちゃいっちゃなふたり。母親公認。というか、お互いの家族公認。
 真面目で堅実な鳥貝ちゃんは将来の事は分からないと考えていますが、百合子さんの中では家族計画までばっちり組み立てられているようです。鳥貝ちゃんを手放す気は毛頭ないというか。
 鳥貝ちゃんに気づかれない程度に、その意識操作を色々としていそうです。極悪。

 あー・・・さて。
 明日から・・・辛いだろうなぁ・・・考えるだけでげっそり。
 そういえば、この一月、定時で帰ったのって3日くらいだ。
 頑張ってるなぁ・・・このままいって、ほぼ丸2ヶ月、残業ぶっ続け。はぁ・・・体力・精神力の限界だ・・・。
 紅葉見に行きたい・・・。


※ウェブ拍手ありがとうございます!
 頻繁に下さっている方も、本日くださった方も。
 秋です。
 良い季節です。
 寒くなるまえのこのひと時をどうぞ楽しんでお過ごしくださいませ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

白いひつじが一匹二匹

2011-10-15 22:39:31 | 白いひつじ断片SS
<script language="javascript" src="/.shared-blogzine/decokiji/deco1003_line/deco.js"></script>
 やっとお休みです。
 しんどかった・・・でも、多分、来週の方がもっとしんどい。とほん。

 今日は雨天という事もあり、マオウ様も比較的大人しかったので、たっぷり遅寝した後、買い物にふらついて散財してきました。
 数年ぶりにジーンズを新調したり、月末にある会社行事用の服を買ったり。・・・私は、臙脂・赤系の色が好きで、服もそういうのが多いのですが・・・会社のイベントで悪目立ちするのはイヤなので、地味色系(グレー)のを選び・・・欲求不満。色違いの赤い方が可愛かったのにな~、と、ちょっととほほんな気分。
 滅多に服は買いませんが、見始めると色々と欲しいものができるものですね。今年はゆったり系の服が多くて、体型を隠したい自分には嬉しいですわ。
 前の冬に欲しくて欲しくて、でも諦めたポンチョもかわいいのがあって、未練タラタラ中。結構高いしな・・・。
 座椅子も新調するつもりだったものの、悩んだ末に買えず。
 スニーカーも欲しい。ショートブーツも欲しい。・・・物欲いや増し中。
 欲しくても買えないと、欲求不満が溜まるものですね(苦笑)。
 ま、でも座椅子は必要だし、スニーカーも半年前に買っただけなのに、すでにぼろぼろなので必要。あと、仕事用の眼鏡もね。
 残業代が全部費えますが、残業してないと完全マイナスだからねー。某茄子が普通に出ると良い。

 しんどいと云いながら、またも仕事中に短編のお話を書き上げました。
 まぁ、完全に現実逃避ですけどね。
 前後編で日記UPします。
 とにかく、ひたすらいっちゃいっちゃなお話。バカップルっぽい。
 梅雨期のお話で、産科医の百合子母に色々と心配されます。

--------------------------------------------------
<オリジナル小ネタ8>
『Mom』<前編>
 梅雨。この鬱陶しい季節にも楽しみはある。
 鳥貝は百合子に誘われて、彼の地元のK市を訪れていた。この季節にこそ美しく栄える花、紫陽花を見るためである。
 百合子の自宅のあるK市にはこの春から何度か訪れて、半ば嫌々気味の百合子にお願いして観光名所を案内してもらった。この春、自分の出生を尋ねる為にこの地に訪れるまで、鳥貝は一度もここに来たことはなかったから何もかもが物珍しくて、まさしく観光気分で各所を見て回った。
 とはいえ。
 子供の頃から住む勝手知った地元であり、人混みが苦手である百合子は、わざわざ観光地の裏側に回り込むような案内ばかりをしてくれたのではあるけれど。
 それでも、観光案内とはいえ鳥貝とのふたりきりのデートには違いなく、その都度百合子が上機嫌だったのは云うまでもない。
 その日も、やはり観光客の多さにうんざりしていたかと思えば、そのうち観光名所から離れた住宅地の方に入り込んでしまった。けれど、そこにも、雨に打たれて彩りを増す紫陽花の低木が、各家の庭やちょっとした土手から、赤や紫、青、色とりどり、様々な形の顔を覗かせていて、鳥貝は隠れた名所で目を楽しませた。
 紫陽花を見た後、直接寮に帰るのではなく、百合子の自宅に立ち寄った。この春から、もう何度もお邪魔して気安い場所になっている。
 日曜日だというのに、自宅には誰もいなかった。
 いや、日曜日だからかもしれない。
「ばぁさんは友達と観劇、千早はY市までショッピング、親父とお袋は休み関係なく仕事だよ。ターシャが留守を守ってくれてるから、この家は成り立っている。」
 云いながら、足下に纏わり付くアフガンハウンドのターシャの頭を撫でてやる。
 ちゃんと家族の動向を把握しているあたり、やはり百合子は家族を大切にしているのだと、鳥貝は微笑ましくなって、こちらに顔を向けたターシャの耳元をくすぐりながら笑う。
 鳥貝にとって父母が大切なように、百合子にとってもそうであるのは嬉しい。色々と違う価値観を持ち合わせているけれど、こういう部分で価値観が合うのは、嬉しい事だ。
「おじさま達、大変ですね。お休み、ちゃんと取れているんですか?」
「出産は土日祝、盆も正月も関係なくやってくるからな。じぃさんが引退してから、ふたり揃っては休みは取ってないと思うぜ。それでも、おれがまだ進路を決めていない頃は、おれが跡をついでくれるようになったら、ふたりでゆっくり旅行に行きたい、あと10年の我慢だ。とか云ってたけど・・・それも不意になったしなぁ。」
 悪気無く云う。
 やはり元々は百合子に跡を継いでもらうつもりだったようだ。
「どうして、医学部に進まなかったんですか?」
 多分、頭脳の面ではまったく問題はないだろう。現役でどこの医大でも受かっていただろうと思われる。
「・・・前も云ったかもしれないけど、おれに医者が向いていると思うか? まして、産科医だぞ?」
「・・・そう、ですよね・・・、」
 医者に必要なのは頭脳だけではない。むしろ頭脳よりも、医師に向いた性格や本人のやる気の方が必要なのだろう。
 あの両親の息子と思えない、この百合子の性格では・・・難しいかもしれない。
 鳥貝が自分の云った言葉に納得した事に対し、理不尽にもむっとしたらしい百合子は彼女の頭をくしゃくしゃっとなで回した。
 湿気でまとまらない髪を気にしていた鳥貝は、その行為で髪が更にまとまらなくなって・・・頬を膨らませた。
「千早が医者になるまで更にあと十数年我慢すればいいだけさ。仕事できるうちはぼけない。ばぁさんも病院の手伝いがあるからこそ矍鑠としていられる。」 
 憎まれ口はきくけれど、家族を大切に思っている気持ちは疑いようもなく本物だと知っているから、鳥貝は髪をくしゃくしゃにされたお返しに、お茶を用意している百合子の背後に近づいて、背筋に指を走らせてみた。
 一瞬だけびくっとした百合子は、すぐに般若の形相で振り返る。折角の美形が台無しである。
「は、る、み、」
「お返しですっ、」
「春海のくせに生意気、」
「なんですか。わたしだって反撃くらいします、」
「じゃあ、反撃の反撃、」
 云って、危機感に身を翻した鳥貝の身体を背後から素早く捕らえて、そのままぎゅっと抱きしめる。
 本人達がどうあれ・・・どう見ても、いちゃいちゃなカップルのじゃれあいである。
 春先・・・つきあい始めの頃に比べて、コミュニケーションが濃密になったのはきっと・・・身体を重ねて、素肌の互いを知ったから。
 特に、鳥貝に関してそれは顕著だった。以前は手を握るのや抱きしめられるのを、ふたりきりの時でさえ恥ずかしがっていたのに、最近はふたりきりだと、自分からこんなコミュニケーションを求める事もある。
 百合子にきつく抱きしめられて抵抗しながらも、くすくす笑っている。その表情は幸せそのもの。
 少しだけ力を抜いた百合子の腕の中から、同じように笑う百合子を見上げて、更に表情を笑みに崩した。
 それが殊更にかわいかったらしく、百合子は躊躇いなく、鳥貝の唇に自分のそれを重ねる。鳥貝は、少しだけ躊躇いながらも・・・それでも、受け入れる。
 雨に覆われた少しだけ肌寒いこの季節に、互いの体温を確認するのは、幸せだった。
「な、今日は寮まで一緒に帰るから・・・、泊まっていって、いいよな?」
 キスの後の耳元での囁きに、鳥貝は顔を真っ赤にした。
 こういう事を昼間っから確認取らないで欲しいと思う。
 キスくらいではあまり動じなくなったけれど、さすがに、これは恥ずかしい。
「そっ、そんなこと、いちいち聞かないでくさいっ、」
「・・・いちいち聞かなくてもいいのか? 同意取らずに押しかけてもオーケィしてくれる?」
「そっ、それは、その時次第です・・・、」
「・・・ちぇ。でも、今日は・・・いいんだよな?」
 耳まで真っ赤にした鳥貝は、しばらくどう答えようか考えた後・・・こくんと頷いた。
 百合子の素肌の熱を感じるようになってから、まだ二ヶ月も経っていない。その間、肌を重ねたのは片手の指で数えられるくらい。
 鳥貝にとってその行為はまだまだ恥ずかしいことだらけ。けれど、普段聞けない百合子の熱気をはらんだ声とか、吐息とか・・・表情とか。素肌に感じる素肌の体温とか。それから、眠る百合子の顔とか・・・それらを実感できるのが、幸せだった。
 何より恋する男を間近に感じられる事が、こんなにも嬉しい事なのだと思うようになっていた。
 だから・・・鳥貝も、百合子の誘いを拒めない。
 百合子は、「かわいい、春海、」と呟きながら、再び鳥貝を強く抱きしめてくる。
「ゆ、百合子さん、その・・・お湯、涌いてますから・・・、」
 家人がいないとはいえ、百合子の自宅台所でのいちゃつきはさすがに恥ずかしくなってきて、鳥貝は百合子の腕の中で身をよじって、顔を上げて・・・。
「ひゃっ!?」
 思わず素っ頓狂な声を出してしまった。
 だって、顔を上げた視線の先、台所の入口に・・・百合子の母が立っていたのだ。
 面白いものを見るように、口元に手を当てている。口元は見えないけれど、目は完全に笑っている。
 怒っている風でないのはいいけれど・・・そういう風に楽しげに見られているのは、相当に恥ずかしい。
「ゆ、ゆゆゆ、百合子さんっ、」
 おかしな声が出た。けれど、構わず百合子の腕をふりほどいて、どうにかそこから逃れた。
「・・・お袋?」
 百合子の方は、母親がいた事に気づいても、平然としている。
「面白いわねぇ、あなたたち。」
「お、おばさま、お邪魔してます。それから、えっと、ごめんなさいっ、」
 半分パニックになっている。何故かぺこんと頭を下げて謝る。・・・多分、家族に声も掛けずに上がり込んで、百合子といちゃついていた事が後ろめたかったからだろう。
 その鳥貝の様子がおかしかったのか、百合子の母なお美は声を立てて笑い出した。
「どうして謝るのかしら。千里と仲良くしてた事は、別に全然構わないから。仲が良いのはいい事よ。千里、お茶、わたしにも入れてね、」
 言葉の最後は百合子に云いながら、なお美はターシャを足下に従えて居間のソファに座り込んで、大きな溜息をついた。
「・・・おばさま、お疲れですか?」
 ティーカップの用意をしながら問いかける鳥貝に、なお美は嬉しそうに笑う。
「朝から出産が2件あったのよ。1件はごく安産だったんだけどね、あと1件が中々出てきてくれなくて・・・少し前にやっと。恥ずかしがり屋の女の子だったわ。どちらも健康に問題なさそうだから一安心。」
 嬉しそうに云うなお美には、自分の仕事に対する誇りのようなものも感じられる。
 こういう人だから、産婦人科医になり、その仕事を続けていっているのだ。
「人にもよるけれど、初産はやっぱり大変よね。春海ちゃんも、覚悟しておいた方がいいわよ。美和子さんも、夏目くんの時、結構しんどかったから。」
「・・・はい?」
 急に何をふられるのだろう。
 鳥貝は思わず動きが固まってしまう。
「大丈夫。そん時はおれがずっと春海の手を握りしめておくから、」
「・・・。・・・はい?」
 しかも、百合子は何を云い出すのだろう。
「いやだ、千里。あなたの子供とは限らないわよ。そりゃ、そうであってくれればこの上なく嬉しいけれど。春海ちゃんを無理に束縛しちゃだめよ、ね?」
「・・・はぁ、」
 冗談か本気か分からない親子の会話に、鳥貝はどうやって口を挟むべきか戸惑うばかり。
 でも、実際・・・百合子とは子供のできる行為をしているものだから・・・まったく現実味のない話でもないのだけれど。
「まぁ、何にしろ春海ちゃんの出産なんてまだ何年も先の事には違いないわ・・・千里、気をつけるのよ?」
「そりゃ、もちろん。でも、春海になら、おれの子産んでもらってもいい。というか、近い将来に産んでもらいたい。・・・いや、むしろ春海じゃなきゃ、ヤだな、」
「・・・っ!」
 そういう話は鳥貝にはまだ早い。たとえ、そういう行為をしていたとしても。
 顔赤くして無言を貫くしかない。
 母息子の会話に口を挟まず、入れ終わったお茶をなお美の前に置く。
「ありがとう。・・・あ、そうそう、春海ちゃん、保険証、ご実家から持ってきてる?」
「・・・保険証、あ、はい。一応何かあったら困るので、いつも鞄の中に・・・、」
「あら、えらいわね、さすがだわ。じゃあ、ちょうどいいわ。処方したい薬があるのよ。保険証、貸してもらってもいいかしら?」
「え? おばさま、どうして・・・、わたしはどこも・・・?」
「料金はもらわないから、大丈夫よ。だって、春海ちゃんに迷惑かけてるのはこっちだから。あ、それと、一応簡単な問診もさせてもらうわね。ちょっと待っててくれる?」
 戸惑いながら差し出された鳥貝の保険証を手に、なお美は病院へと続く廊下を歩いて消えた。
「・・・百合子さん、一体なんでしょう?」
 戸惑う鳥貝に、母の言動に思い当たる節のある百合子は小さく笑う。
「ま、おれの信用がないからだよな、」
「・・・え?」
 百合子の言葉の意味もさっぱり分からない。
 ただ、百合子に促されて台所の椅子に座り、目の前に缶ごと出されたお茶請けのクッキーを囓って、首をかしげた。
                    ※つづく※
--------------------------------------------------

 百合子さんの住むK市・・・鎌倉市といえば、紫陽花。そんなイメージをもってます。
 紫陽花の季節に散策に行きたいなぁ~。
 というか、鎌倉そのものに一度行ってみたい(行った事がない)。
 旅がしたいよぅ。←現実逃避。
 よし、冬の由比ケ浜をふらつきにでかけよう!(←云ってるだけ)

 明日は、眼鏡屋さんに行って仕事用の眼鏡作ってきます。どーしても欲しいお気に入りのフレームの眼鏡は、年内に考えるとして、仕事眼鏡は必須。・・・レンズセットで一万円以内のものでよし。
 ああ、散財。


※ウェブ拍手ありがとうございます!
 頻繁にくださっている方も、ここの所くださった方々も!
 冬の足音が確実に近づいてきていますね。
 買い物に出かけても、冬物が店頭に並んでいます。本屋さんで家計簿とか手帳が並んでいるのを見ると、年末はあっという間だろうな、と実感してしまいます。
 年末まで駆け足。
 けれど、生き急ぐのだけは辞めましょうね。
 マイペースにしっかり地に足をつけて日々を送ってくださいませ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

白いひつじと血液型

2011-10-10 19:35:13 | 白いひつじ断片SS
<script language="javascript" src="/.shared-blogzine/decokiji/deco1002_line2/deco.js"></script>
 秋は人恋しくなるのか。
 買い物にふらついてきたショッピングセンターで、珍しく店員さんに捕まって接客されてきました。普段ならするりと逃げるのに・・・メンドクサイから。そして、冷やかしだけで、結局何も買わず。・・・一番ヤな客ですね(笑)。
 先日行ったのとは別の眼鏡屋さんも行って、欲しいフレームの在庫を見てもらったりもしました。・・・やっぱりあの眼鏡、欲しいなぁ・・・(物欲の塊)。

 図書館で借りてきた本、読んだ事ないハズなのに、最初の数頁に妙に既視感があって、読み進めるにしたがって、読んだ事のある確信に変わりました。・・・うーん、いつ読んだものやら記憶にない。手元にもない本だしなぁ。
 いや、たまに、手元にあるの忘れて買ってしまったり、借りたりする事がままあるので。
 まぁ、懐かしく読み返せたのでよし。
 このGWから図書館通いしていますが・・・どれくらいの本を読んだか記憶になし。書き留めておこうかな、と。
 理想は週一冊。・・・月4,5冊。無理か(苦笑)。そもそも、読む作家さんが偏っているからなー。偏執読書なので。今の作家さんがあまり分からないから、古典文学に手を出しましょうか。

 さて。
 昨日UPした白いひつじもの、後編UPします。
 鳥貝ちゃんと百合子さんのいちゃいちゃな会話です。
 鳥貝ちゃんの性格設定がイマイチ定まらない感じがもどかしい。原作の鳥貝くんの淡白で可愛らしい感じをそのまま引き継がせているつもりなんですがねー、うーむ。かわいらしい外見、喜怒哀楽が平坦な性格、一見穏やかで人当たりの良い雰囲気、割合勝気で頑なで、それから、割り切れる女。
 そんな鳥貝ちゃんを、矛盾なく表現できているとよい。
 そういえば、百合子さんの容姿についての表現もあまり出せないでいます。原作には整った容姿とかスタイリッシュとか細身とかの形容しかないので。個人的には切れ長の目のクールな容姿だと想定。髪型もショートでストレートのさらさら系かな。自分の見た目にはそれなりに気を使っていそうなので、自分の容姿を生かせる格好をしていそう。
 身長や血液型、誕生日等の設定も勝手に妄想しています。
 血液型は鳥貝ちゃんは生真面目で本音を漏らさないAで、百合子さんは奔放でストレートなBかな、と。鳥貝ちゃんが苦労する組み合わせ。・・・まぁ、本来血液型で性格が決まるわけがないでしょうが・・・どうだろ、個人的には結構信じてますので(苦笑)。
 どうでもいい話ですが・・・
 私は思い切りA型ですが、初対面の人当たり(外面)はいいらしいので(精神的な調子や機嫌が良いときはね)よくO型に間違われます。個人的にはやはり同じA型が付き合いやすいですが、B型の人との付き合いも楽ですかね。意外と、一般に好かれているらしいO型の人は苦手かな(友人関係にもこの血液型の人いないし)。AB型の人はこれまで数えるほどしか接点がないですが、気が合えばいいかもですね。
 そんな、血液型観。

--------------------------------------------------
<オリジナル小ネタ7>
『彼』<後編>
 その後、友人達と履修科目を相談して、さらにそれを先輩でもある百合子に相談しようと思って夕食の買い物だけ済ませて寮に帰った。
 もちろん寮には百合子がいて、居間で暇そうにミス・ノーラのブラッシングをしていた。
 他の寮生は誰もいない。
 夕食は一応全員が食べる予定になっているけれど、多分、みんな遅いだろう。
 院生の多飛本や安羅が忙しいのは当然として、研究室所属になった白熊や時屋も色々と忙しいらしい。
「やっと帰ってきた。おかえり、」
「ただいま。・・・暇、なんですか?」
 膝の上のミス・ノーラをソファの上に下ろしてから、台所に向かう鳥貝の後を着いてくる。
「暇暇。今日はバイトもないしね。ターシャの散歩は最近ダイエットを意識している思春期の千早に任せてきた。」
「ダイエットって・・・サーフィンもしてるし、全然太ってないのに。」
「そう、体重が増えたのは、筋肉のせいだと思うけどね。でも、まぁ、ウォーキングとでは筋肉の使い処が違うのは確か。」
 鳥貝が食材を片付けている間、夕食の下準備をしている間、百合子はそうやって鳥貝に纏わり付く。まるで、母親に構われたい子供のようだ。
 想像力が乏しいくせに、たまに突飛な想像を働かせる鳥貝は、母親の自分のエプロンの裾をつかんでいる幼児な百合子を想像してこっそり笑った。見せてもらった百合子の幼い頃の写真は、記憶にしっかり焼き付いている。
「ね、百合子さん、履修科目の相談に乗ってくれませんか? 大体は決めてきたんですけど、時間が重なっちゃうのとかどうしようかと思ってるのもあって。」
 当然、百合子は快く応じて、しばらくは素直に相談に乗ってくれた・・・のだが。
 百合子の言葉を真面目にメモする鳥貝に、百合子は思い出したように問いかけた。
「なぁ、本当に今日はあの男と示し合わせていたわけじゃないんだよな?」
「え? なんですか、また・・・。違います。本当に偶然です。」
「おまえの方はそうだろうなぁ。でも、あいつ・・・、」
 云っておいてから、口をつぐみ、それから真っ直ぐに鳥貝を見る。
「おまえ、いつもはぐらかすけど、ちゃんと答えてくれよ。じゃないと、おれ嫉妬心で何するか分からないから。」
 唐突にこの前置きは何だろうか。
 鳥貝は、首をかしげ疑問を顔に描く。
「質問次第だと思うんですけど・・・、何ですか?」
「おれの前置きは頭に入ったよな。じゃあ、云う。」
 正面きって鳥貝の目をのぞき込む。嘘偽りのひとかけらも見逃さないように・・・そもそも、鳥貝は基本的に嘘偽りのほぼない人間なのだけれど。
「あの男とは、本当にキスまでの関係だよな?」
「・・・。・・・。・・・はぁ?」
 何を今更、といった鳥貝の態度。
 鳥貝が初めてだったのは百合子がよく知っているハズだ。そういう事を演技で誤魔化す女もいるらしいが、鳥貝がそんな器用なマネができる女ではないと、百合子も熟知しているはずなのに。
 と、思った後に、やっと思い至る百合子の言葉の裏の意味。
 色恋ごとに疎い鳥貝も成長はしているのだ・・・一応。
「・・・なんですか、もしかしてわたしを疑ってるんですか?」
 むっとした口調。
「わたしが、Nくんと浮気してるんじゃないかって?」
 さらにむっとした口調。
 もちろん、口調と同じだけ表情もむっとしている。
「してるのか・・・?」
 今度は百合子がしかめっ面をした。
「してないから、疑われて怒ってるんですっ!」
「や、ごめん。そこは疑ってない。この一年のおまえの動向はほぼ把握してる。他の男に抱かれた痕跡はない。」
「・・・っ!」
 どうやって把握しているのかも気になるけれど、そういう事をチェックされていたのがむかつくし、云われるのももちろん腹が立つ。
「じゃあ、百合子さんは何を疑ってるんですか!」
 完全なけんか腰でそう云い放つ鳥貝だったけれど、唐突に百合子に腕を取られて、キスをされていた。
 何を思ったか突然キスをしてくるのは、ある意味百合子の癖のひとつなのだと諦めて人前でなければ受け入れるようにしている鳥貝だけれど・・・。
「・・・っ、やっ、」
 百合子の胸を突き飛ばした。
「・・・キスして、黙らせようとしてるっ!」
「違う。確認したんだ。」
 云いながら、百合子は鳥貝に触れてくる。優しい指の動きで鳥貝の唇をなぞる。その眼差しも優しくて、怒っていたはずの気持ちが、ゆっくりと落ち着いていく。
「最初のキス、随分拙かったから・・・キスだってまだだと思ってた。」
「あ、あれは、突然知らない人にされて、驚いて・・・、」
「その後何度かも拙かったのは、おれを受け入れてなかったからだよな。でも・・・それからのキスは、いつも優しかった。おれは、おまえのキスも好きになったよ。」
 何を今更確認するというのか。
 キスで何が確認できるというのだろう。
 誕生日祝だと云って抱き合った後に、付き合って一年記念だと主張して再び肌を重ねたのは少し前の事。百合子の中で鳥貝との付き合いは、あの日・・・鳥貝の誕生日にして、歓迎会の夜からだと認識されているらしい。
 一年付き合ってきて、数え切れないくらいのキスをした。百合子はキスをする行為が好きだし、鳥貝は百合子のキスが好きだ。
 それを、今どうして・・・?
「おまえの初めてのキスはあの男だったんだよな。付き合っている間、2年、おまえはあの男に独占されていたんだ。おまえのキスも気持ちも、全部。身体だけでも・・・奪われて無くて良かったけど・・・、」
 百合子は、過去にまでやきもちを妬く。
「おまえの優しいキスも、あの男として身につけたものだったんだよな、」
「今は百合子さんに毒されてますよ、」
「失礼な。毒したんじゃないだろ。染め上げている所だ。おまえから、あいつの匂いを全部消したい。」
「・・・もう、消えています。今は百合子さんだけです。」
 疑われてるのではなく、妬かれていてるのだ。
 理解して、鳥貝は笑う。
 百合子の深くて重い愛情同様、嫉妬さえ、鳥貝は受け止める。
 鳥貝が百合子に目に見えた愛情表現はしないかわり、自分に向かう百合子の気持ちを拒絶することなく受け入れて、受け止めている。
 極端な性格の百合子のその感情が重いと云って別れた過去の恋人もいた。けれど、鳥貝はそれらを全て受け入れられる精神的な容量が広いらしく・・・受け入れて、さらに百合子を抱きしめる。
 普段は危なかしいと百合子に心配されているけれど、精神的には鳥貝の方が随分しっかりしているかもしれない。
 求められる深い口づけに鳥貝も応えて、今度はちゃんと百合子を抱きしめる。
 百合子のキスと、体温と、香りと・・・全てに鳥貝は幸せを感じる。
 今の鳥貝のキスは百合子から学んだ、百合子に合わせたそれだ。だから、もうNのキスさえ思い出せない。彼の身体のぬくもりも、覚えていない。・・・思い出す必要もない。
 鳥貝にとってNはすでに記憶に遠い過去の男だ。現在、目の前に現れた彼は、ただの同郷の友人。
 彼女は完全にそう割り切って考えている。
 けれど、百合子はなかなかそうもいかないらしい。
 何事につけ、別段の執着を見せない百合子が、唯一おかしなくらいに執着するのが・・・鳥貝。何事にも執着しないからこそ、彼の執着心は全て鳥貝に収斂されているのかもしれないけれど・・・。
 ゆっくり離した唇。吐息のかかる位置から問いかけてくる。
「なぁ、あいつとのキス、どんな風だったんだ? 初めての時は? 最後の方は?」
「・・・どうして、」
「全部、教えて。でないと、胸が苦しい・・・、」
「知る方が嫌じゃないんですか・・・、」
「知りたいんだ。おまえの事全部。」
 鳥貝の頬を捕らえて、細めた瞳で見つめてくる。
 間近にある百合子の顔。改めて、綺麗な顔立ちを実感する。これでは、女の子達が騒いでも仕方がないと思う。顔立ちで人を判断しない鳥貝だけれど、やっぱり百合子には見とれてしまう。・・・それは、彼に、恋しているから。
 以前から何度か聞かれた、過去の男とのキス。百合子に云わないでいたのは、はぐらかしていただけでなく、もう思い出せないでいたから。そう、今は百合子と付き合っているのだから、思い出す必要もないと思っていたけれど・・・少しだけ、記憶を掘り起こす。
「・・・初めては、確か付き合って二ヶ月目くらいです。唇が触れるだけの、すごく軽いキスでした。学校からの帰り、だったかな。・・・最後の方は覚えてません。でも、別れたのが卒業前の春だから・・・多分、受験が終わった後くらい・・・、」
 鳥貝の言葉の終わりを待たずに、百合子は唇を重ねてくる。ゆっくりと唇を重ね、鳥貝の舌を優しく絡め取る。いつもよりも、穏やかなそれは・・・鳥貝の過去の記憶を塗り替えようとしているのだろうか。
「・・・はぁ・・・。ねぇ・・・春海・・・、それ以上のことは、されて、ない?」
 優しいキスに、満足したようなため息をついて唇を離した後、百合子は聞いてくる。
 キス以上の事。
 質問が元に戻っている。けれど、それは百合子と初めてした事ではなくて、もっと手前の事を指すのだとやっと鳥貝は思い至る。
「そっ、そういう事も、聞きたいんですか?」
「聞きたい。全部。春海の隅から隅まで、知りたい。」
「っ、う・・・あの、でも全部知っちゃったら・・・飽きちゃいませんか?」
 例えば、読み終わった本に興味をなくすように。
 自分に興味を無くされて、百合子が飽きてしまって・・・別れの時が早くなるかもしれないと、鳥貝は心配して云うけれど・・・もちろん、百合子はきっぱり否定する。
「あり得ない。・・・だから、教えて?」
 鳥貝の頬を両手で包み込んで、切ない眼差しを向けてくる。
 百合子が時々するこのおねだりの眼差しに、鳥貝は弱い。
「・・・胸、触られました・・・、」
「感じた?」
「・・・っ。く、くすぐったかった、くらいです、」
「学生らしく、彼の部屋かおまえの部屋で?」
「っ、もぅ、ばかにしてますね。・・・でも、そうです。彼の部屋で勉強している時・・・、何となくそういうことに・・・、」
「それから? ・・・触られた?」
「・・・、そこまで、です。それ以上してません、」
 今の恋人に昔の恋人との事を語るなんて、滑稽も良いところ。
 鳥貝は、顔を赤くして俯いて云う。
「キスして・・・胸を揉まれて、舐められた・・・?」
「っ、そっ、そこまで、しませんでしたっ・・・、」
「でも、揉まれはしたんだろ? で、押し倒されたの? そういう事、する雰囲気になってたんだ。」
「っ、あの・・・、聞いて、楽しいんですか?」
「楽しいわけないじゃん。」
「じゃ、止めましょうよ。」
「やだ・・・、あいつが知ってて、おれの知らない春海の顔があるのが、嫌だ。」
 怒ったような口調。
 過去の事に嫉妬して腹立ちを覚えている。・・・なんてどうしようもない我が儘を口にするのだろう。
 今の鳥貝の全ては百合子のものなのに・・・百合子が望めば、余程の無理難題でなければ、何でもしてあげたいと思うくらいに、百合子に捕らわれているのに。
 鳥貝は、百合子の我侭に苛立ちを覚えるどころか、幸せを感じてくすりと笑う。・・・だって、百合子に嫉妬されるのが、この上なく嬉しいのだ。
「Nくんとは2年付き合いましたけど、でも・・・多分、百合子さんの方が、わたしの事、沢山知ってますよ? 年月じゃないんです。それに、百合子さんと一緒に過ごした時間の方が、もう長くなってます。」 
 鳥貝の微笑みに、百合子も笑う・・・けれど。
「おまえからあいつの記憶、全部消し去ってしまいたいな・・・、おまえの中にあいつとの記憶がある事も、嫌なんだ。」
「また、そんな無茶を云う。それじゃあ、わたしも同じ事云いますよ? 昔の恋人の事、全部忘れ去ってください、って。ね、無理でしょう?」
 くすくす笑う鳥貝の頬に手を添えて、ついばむだけのキスをする。それから、そっと胸に触れてくる。いつもは、もっと遠慮なしに触ってくるのに、やわやわと、あるいは恐る恐るといった風に服の上から鳥貝の胸の感触を確かめている。
「んっ・・・百合子、さん?」
「・・・おれも、おまえが初めてだったらよかったのに・・・、」
 今の百合子は、初めての相手に触れるように、鳥貝に触れているのだ。
「初めて同士でするんですか・・・?」 
 少し笑い含みに云ってやると、百合子もくすっと笑う。
「無茶苦茶だろうな・・・多分、おまえも痛くて泣きわめいてる。」
「わめきません。でも、泣きはしますよ・・・きっと。経験豊富な百合子さんにしてもらっても・・・痛かったですもん、」
「女とは数える程しかないぞ。・・・って、おれの過去話、聞きたいのか?」
「わたしは聞きたくないです。・・・だって、聞いたら多分、しばらく落ち込みます。・・・云わないで、くださいね?」
「云わない。・・・そもそも、おまえといる時に、思い出さないから、」
 今度は、いつものようにキスをして・・・いつものように胸に触れてきた。
 やっぱり鳥貝は、いつもの百合子がいい。過去とか関係なく・・・過去があるからこその現在の百合子がいい。
「んっ・・・ふ・・・、や・・・ダメ・・・、」
 ゆっくりと百合子の胸を押しのけて、鳥貝は力なく呟いた。
「いいだろ、誰もいやしないし・・・、」
「・・・。・・・ここじゃ、ダメです・・・だからね・・・、」
 顔を真っ赤にしながら、百合子に身体を寄せて、その耳元で囁いた。
「・・・お部屋で、しましょう・・・?」
 珍しくの鳥貝からの誘いに、百合子は上機嫌で笑った。
 鳥貝だって、たまには自分から百合子が欲しくなる。
 こういう風に、目一杯やきもちを妬いて、鳥貝に恋している事を主張する百合子を感じたら・・・嬉しいのだ。
 鳥貝にとって今は百合子だけ。
 だから、百合子が嫉妬心をむき出しにして、独占しようとしてくるのが、嬉しくて、幸せで・・・心と体が百合子を求めるようになる。自分もこの腕の中に百合子を抱きしめて、独占したいと、思ってしまう。自分しか知らない百合子の表情を・・・全てを、感じたいと思うのだ。
 
 鳥貝に未練を残す昔の恋人Nが登場したとしても、鳥貝と百合子の繋がりが弱まる事はなさそうである。
 ただ、しばらくは百合子がやきもきして、更に鳥貝を腕の中に囲い込もうとしそうなのは確かで・・・鳥貝にとって少々厄介な日々になるのも確実かと思われる。
                   ※おわり※
--------------------------------------------------

 嫉妬する男がうざいと思うか、愛されているの実感して嬉しいと思うか。
 ・・・いやぁ、嫉妬=愛情表現、とは限らないか。利己的な理由で嫉妬する輩も多い。
 鳥貝ちゃんの場合は、自分も百合子さん一筋なので、嫉妬が嬉しいようです。普段、鳥貝ちゃんも数多嫉妬してますからな・・・滅多にそれを表に出しませんけれど。

 さんれんきゅう・・・疾風のように過ぎていきますね。
 はぁ。明日から残業の日々ですよ、また・・・とほ。
 無理しない程度にがんばります。


※ウェブ拍手ありがとうございます!
 本日15時頃にたくさんくださった方、ありがとうございます。
 何がお気に召していただけのか分かりませんが・・・楽しんでもらえたのなら幸いです。
 日々寒さが増してきます。どうぞお体ご自愛くださいませ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする