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続・凹凸~くだらない日々は続く

ヲタク話題だったり、猫話題だったり、愚痴だったり。人にとってはどうでもいいような日常話題あれこれ

びくびく中/短編日記掲載

2007-04-15 21:55:04 | ショートストーリー

 本日、地震がありました。
 震度5弱。

 最初の震度1程度の予震から数分後、ごごごご・・・という地響きに近い音の後に、激しい揺れ。
 ・・・咄嗟に外に飛び出しましたよ。
 何しろ、古い家に住んでいるんで、多少強い震度だと倒壊しかねないので。
 幸い、高い位置に置いてあった物が少し落ちていたくらいですんだんですが・・・怖くて、しばらく震えが止まりませんでした。
 ちなみに・・・うちの猫は、ベット上で「何事?」とでも言いたげに、眠そうに目を瞬かせているだけでした・・・本能って・・・?
 本日予定していた、会社同僚の出産のお見舞いに行くのも取りやめて、しばらく家にいましたよ。買い物は行きましたけどね。
 また、夕方に震度3の余震。それも怖かったです。
 私の住む地域では被害は聞こえませんし、全体的に被害は少なかったみたいですが、震源に近い地域では、倒壊している家とかもあったようです。
 ・・・地震って、怖い・・・。
 これから一週間くらい、余震が続くかもしれないので、注意しないといけません。夜中にあったら、眠れそうもないです・・・。
 防災セットを部屋の入り口に備えておきました。
 猫たちは・・・どこかに閉じ込められるか、ヒドイ怪我さえしなければ、生き延びると思われるので(半ノラか出入り自由猫なんで、外は平気)、地震の時は外に放り出す事にしたいと。

 ・・・これを機に、防災グッズ、見直します・・・。手動で発電できるライト・ラジオ・携帯の充電器、買わないと。

 ・・・と、それやこれや、もあり、誕生日話、あまり進みませんでした・・・書き始めてはいたんですけど・・・。
 先日、日記に何か掲載する! と、豪語しているんで(苦笑)、過去の遺物(書きかけお話)を探していたら、多分、まだ日記に掲載もしてないようなお話を見つけたので、そちらを掲載します。

 書きかけ・・・というか、〆があまり締まってないというか、落ちをつけるつもりで、その落ちとの接続が上手くいかなかったというか(苦笑)。去年の夏頃に思いついて書いたお話だと思われます。ですので、夏のお話です。
 ラブコメバカ話です。
 読み返して・・・タイトルのつけ方も、ねえちゃんの性格も、四季シリーズっぽいなーと、ふと、思いました。多分、そんなつもりなく書いてますが。
 肩の力を抜いて、読んでやってください。阿保ですから。

--------------------

《夏の誘惑》

 夏。
 真上から日差しの照りつける、熱い季節。
 

 俺は、午前中にダチにプール(軟派)に付き合わされた後、昼飯だけ奢らせて、さっさと帰る事にした。
 俺は餌にしかならないよ、って最初に宣言した上での軟派だったからな。
 夏の日差し以上に熱い、女の子達の熱視線を嬉しく思わないでもなかったけど、今は他の女には興味はないから。
 まぁ・・・俺のいなくなった後、あいつらが女に逃げられようが振られようが知ったこっちゃない。

 家には、俺のただひとり愛しい人が待つ。
 ……待っている、というか・・・今日はバイトが休みで、一日家で片付けしてるよ、と、朝起き掛けに、まだ眠そうに俺にしがみついてくる彼女が、ぼんやりそう言ってたっけ。
 

「ただいま」
 住み慣れた家の玄関を開ける。
「おかえりー♪」
 と、キッチンの方から、愛しい声が聞こえてくる。
 いつもの事といえばそうだけど・・・なんか、新婚夫婦みたいだな。やっぱり、嬉しい。
 とたとたとスリッパの足音がして、彼女は玄関に現れる・・・ん、だけど。
「・・・っ!?」
 キッチンのドアを開けて現れた彼女・・・ねえちゃんを見て、息を止めた。
 だって・・・っ!!
 ねえちゃんは、いつか俺とお揃いで買ったエプロンを身につけていた。ふたりで料理を作る時、掃除をする時、使っている普段のエプロンだ。
 淡いピンクの柔らかい綿素材のシンプルかつ可愛らしいもの。
 メイドさんエプロン風に、レースとフリルが使われた、大きなリボンのついたものを俺は見立ててやったんだけど・・・ねえちゃんに却下された。・・・似合ってたのになぁ・・・。
 そして、今、そのエプロンを着ていたとしたら・・・確実に俺は、鼻血を吹いていただろうかと思われる。
 だって、だって、だって・・・!!!
 ねえちゃん、どう見ても。
 裸エプロン
 だったからだ。
 綿素材のピンクのエプロンから伸びでる四肢は素の肌で、そこに纏う衣服は見えない。
 そう、その布地の下は、触れればすぐにでも感じられる柔肌・・・!
 俺の頭の中には、一気に男の浪漫的妄想が駆け巡った。激しい運動直後の血脈のように。
 いや、実際、肉体の律動も、すでに激しい運動直後の状態に近づいている。
 鼓動はばくばくだし、頭に血は上ってきているし。
「・・・尽?」
 不思議そうに俺に声をかけて、小首をかしげるねえちゃんの可愛らしさ。
 いや、勿論、普段からねえちゃんは可愛いんだけど! 朝、寝惚けるねえちゃんもかわいいし、昼、談笑するねえちゃんもかわいいし、夜、肌を重ねてるときのねえちゃんもかわいいんだけどっ!
「ねえちゃんっ!」
 俺は、思わずねえちゃんに飛び掛って、廊下に押し倒した!
「きゃあっ!?」
 んだけど・・・。
 驚きながらも、すでにいつもの俺の行動を把握しているらしいねえちゃんは、心より嫌がるわけでなく、キス寸前まで近づいた俺の顔を、不満そうな表情をしながら両手でぐいぐい押しやっている。
「尽っ!」
「・・・あれ?」
 抱きしめたねえちゃんの体は、素肌にエプロンだけ纏っている・・・はずだったんだけど、なんか違うぞ。
 エプロンの下に、ごわごわした感触が・・・。あれ?
「突然、何よぉ!」
 ぷんつか、可愛らしく頬を膨らませるねえちゃんを上から覗き込んで、さわさわと胸の膨らみに触れれば。
「尽っ!」
 ……この感触は・・・服? 服、着てる、のか・・・?
 はっ、裸エプロンじゃなかったのか!?
 そっとエプロンをめくり上げれば、そこには、素肌を覆い隠す、無粋な布地があって・・・。
「裸・・・エプロン・・・」
 男の夢が、無残に打ち砕かれた俺の、情けない声。
「は、裸えぷろん!?」
 そして、ねえちゃんの素っ頓狂な声。
「ねえちゃん、なんで、こんな格好してんだよ!」
 夢(妄想とも言う)が打ち砕かれ、逆切れした俺に、ねえちゃんこそ眉根を寄せた不服そうな表情。
「裸エプロンって、何よ、もぉ! いくら熱くたって、家の中でだって、服は着ます!」
 エプロンの下は、チューブトップとごく短いショートパンツ、といった格好だった。
 そりゃ・・・その格好でエプロン着けたら・・・前から見たら、裸エプロンにも見えるわな・・・。
 まっ、紛らわしいっ!!
「ねえちゃんって、本当に無自覚小悪魔なんだから」
 俺がぼやくと、ねえちゃんは「はぁ?」というような表情をした。
 ほんと、無自覚・・・。
 これでさ、セールスマンでも来た日にゃ・・・ねえちゃん、貞操の危機じゃね?
 確実に襲われるって・・・!
「ねえちゃんっ!」
 俺は、廊下に正座して、目の前のねえちゃんにも正座を促す。
 ねえちゃん、ワケが分からないながらも、俺の指図に素直にしたがって、俺の前にちょこんと正座した。
 ……カワイイ・・・。
 つか、やっぱりどう見ても裸エプロン・・・。
「いつも言ってるけど、ねえちゃんは無防備すぎ! 俺の前なら全然問題なく、いや、むしろカモン無防備バンザイなんだけど・・・人前でもそれじゃ、いつかエライ事になるって!」
 時々、同じように説教するんだけどね・・・あんまり効果はない。
 今も、一応自分の鈍さや迂闊さを自覚はしているねえちゃんは、殊勝に俺の言葉を聞いてるんだけど。
「来客あった時は、急に扉を開けないで、確認するんだぞ? 知らない人なら、出ない事」
「こっ、子供じゃないもんっ」
「子供じゃないからっ! あのなー・・・」
 目の前で正座するねえちゃんを、上から下まで眺め回す。
 うん、かわいい。そして、ばっちり裸にエプロン。
 こんな時、普通の健全な男ならどうするか。
 それは、もう・・・!
「・・・尽?」
 ねえちゃんが不審げな声を出す。
 俺、自分がどんな表情をしているか、なんとなく自覚はある。
「ねえちゃんっ!」
 俺は、叫ぶと・・・唐突にねえちゃんに襲い掛かった。
 がばっとねえちゃんを抱きしめて、そのまま廊下に組み敷いた。
「尽ぃ!?」
 ああ、もう。
 ねえちゃんってば、ねえちゃんってば・・・すげぇ、かわいい。
 襲いたいたくもなるよ。
 柔らかいねえちゃんの胸を、エプロンの上からまさぐる。唇を、白く細い喉元に押し当てる。
 ああ、もう・・・たまんなく、気持ちイイ。
「やっ、やだ・・・」
 とか言いながら、ねえちゃんは大して嫌がってない。
 ……夏の間の、俺の調教の結果だよな。
 って、言うと、ねえちゃんは「そんな事ないもんっ!」って怒るんだけどな。
 今は、言わない・・・怒らせない。だって、このまま、もっともっと、ねえちゃんを感じたい。
 それから・・・このまま・・・リアル裸エプロンにしちゃる。ふっ、ふふふふふ・・・。
 

--------------------

 まぁ、こんな感じで。
 バカっ話は、ノッて書いているととても和む気がします。
 ラブラブでお馬鹿で、微エロなお話が書きたいです。・・・なんで、書けないんだろ・・・(涙)。
 尽誕生日話も、頭の中ではまとまっていたのに、なんで書けないんだろう・・・(滂沱)。
 

 ・・・お話、書きたいなぁ・・・。

※ウェブ拍手ありがとうございます!
 毎日くださる方も、ここ数日くださった方々も。
 下さった方が、尽好きさんなら、この馬鹿っ話を少しでも楽しんでいただければ幸いですv
 

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イベント事は苦手なの

2007-02-14 21:27:56 | ショートストーリー

 バレンタインです。
 関係ないけど、バレンタインです(笑)。
 職場で男性にチョコを渡すような風習がなくなって(数年前になくしたらしい)、とても良かったデス。←めんどう。
 ただ、チョコはもらいましたv(女性から) わーいvv
 
 
 というわけで?、なんとなくすんごーーーく久しぶりにお話書きました。
 暗いです。短いです。
 故に、日記のみでの掲載にさせてもらいます。
 毎年、バレンタイン又はホワイトデーにはお話書いているので、今年もどうにか書きました。
 妄想は数日前からあったので、30分ほどで書き上げましたよ。

 尽主でタイトルは『憂鬱の花』とでもしとてください。
 タイトルからして暗いでしょ♪うふふvv
 
 

--------------------
 

 バレンタインになると、憂鬱になる。
 ここ数年、ずっと、そう。
 これを、先日、友人に漏らしたら、「・・・尽、おまえ・・・殺していいか?」と、半ばマジに言われたけれど。
 でも、俺に取っては、心より切実な問題。
 それは、決して、義理・本命とりどりに大量にもらいすぎるチョコやプレゼントのせいだけではない。
 下駄箱に、直接、人づて、呼び出し――ほとんどの場合、当日に呼び出しはない。俺がバレンタインに捕まるわけがないと思っているからだろう――あるいは、自宅まで直接とか郵送なんてパターンもある。
 半分が、俺への気持ちだけのチョコ――タレントや作中人物など手の届かない存在に贈るようなもの。後の半分は、友情チョコと、本命チョコ――俺が受けるわけないと分かっていても、少しの可能性を期待しているようだ。
 ……お返しをする事も考えたら、それらも、かなりしんどいのは確かだけれど・・・。
 けれど、俺の憂鬱の最大の原因は。
 

「ねーねー尽ぃ。味見してみて、味見!!」
 バレンタインの数日前の事。
 学校から帰って来て、玄関のドアを開けた途端に甘ったるい香りがしてくると思えば、案の定だ。
 ねえちゃんが、普段滅多につけないくせに、やけに可愛らしさをアピールするような、乙女好みのフリルつきのエプロン姿で、俺まで駆け寄ってくる。
 その手には、香りの元である・・・チョコ。
 今年は、一体、どんなチョコを作ったのだろうか。
 確か昨年はトリュフ。その前が生チョコ、その前がチョコケーキ、更にその前、高校生の頃は普通のチョコをハート型に流し込んだもの。
 そのどれも全て、俺が手伝うか味見役をさせられている。
 今、皿の上に乗っているのは・・・チョコケーキ・・・?
「俺、帰ったばっかだろ。せめて着替え済ませてからにしてくれよ」
 憂鬱な気分がゆっくりと襲ってきていた。
 だから、かなり不機嫌になって、ぶっきらぼうに言い放つ。
 けれど、てんでマイペースのねえちゃんは、そんな事構っちゃいない。
「今食べてくれなきゃ、ダメ! 意味ないっ!」
 少しむくれた顔で、俺をじっと睨みつける。
 スニーカーを脱いで廊下に上がった俺は、自分より少し背の低いねえちゃんの大きな目をじっと見返して・・・根負けする。
 勝てるわけがないのは、分かっている。
「・・・そんじゃ・・・」
 ねえちゃんが差し出したフォークを手に取り、ねえちゃんが支え持つ皿の上のカップケーキ形のチョコケーキをフォークの腹で切り分けた。
 そしたら、中からとろ~りとチョコレートが流れ出てきて、同時に、アルコール含みの甘い香りも・・・って、これって、フォンダンショコラ、ってヤツ?
 目の前のねえちゃんは、やけに自信に溢れた顔で、俺の反応をうかがっている。
 この手のケーキ、結構難しいんじゃないかな。まぁ、ねえちゃんにしては、よくやったな。
 俺は、チョコケーキのスポンジに、とろけ出ているチョコレートを絡めて口に放り込んだ。
 味は・・・悪くない。
 一昨年の分離しかかっていた生チョコに比べたら、格段の進歩だ。
 ねえちゃんは、まだ俺の事をじーっと見つめている。
 味見の感想が欲しいのだろう。
 けど、俺は・・・。
 俺の憂鬱は・・・口の中でほろ苦く広がったチョコと一緒に、喉を通り過ぎて、胃の中にストン、と、落ちる。それから・・・ゆっくりと、全身に広がっていく。俺の何もかもを、憂鬱に浸す。
「・・・苦い」
 呟くように、言った。
 悪くない味だけれど・・・でも、俺には、すげぇ苦く感じるんだ。どうしようもなく。
「え!? うそうそ!? 甘み抑えるのに、砂糖、少なくしすぎたかな!?」
 目の前のねえちゃんが慌てだす。
「それとも、ブランデー入れすぎたかな!? 大人の味に近づけようとしすぎて、失敗!?」
 慌てふためくねえちゃんを押しやるように、俺は、足早に自分の部屋へと向かった。
 背後でねえちゃんが、俺の食べた後のフォンダンショコラを口に入れたようで。
「確かに、甘くはないけど・・・そんなに苦いとも思えないけど・・・」
 超甘党のねえちゃんの、頼りなさそうな声が聞こえてきた。
 俺は、構わず、足早に自分の部屋に入って、ドアを閉めて・・・そのまま、そこで、大きな溜息をつく。
 毎年の憂鬱。
 ねえちゃんが"誰か"の為に作るチョコ。
 その"誰か"は決して俺ではない。
「すげぇ・・・苦い・・・」
 口の中に残ったチョコの味が、消えない。
 全身に広がった憂鬱が、俺を苗床にして蔓を伸ばす。
 俺を締め付けるように伸びた蔓は、いつしか各所で花をつける。
 大輪の、憂鬱の花を。
「苦すぎるよ・・・」
 唇が、濡れる。開花した憂鬱の花のしずくが、唇を湿らせる。
 それは、苦いというより、しょっぱかったけれど。
 俺は、頭を抱え込むようにして、その場に座り込んだ。
 苦くて。苦しくて。
 どうしようもなくて。
 俺は、肩を震わせる。
 

 きっと、これからもずっと、ねえちゃんの作るチョコは、俺の憂鬱の花の栄養源になる。
 毎年、俺は、この時期、憂鬱の蔓に絡まれた苦しさにもがき、その花のしずくの苦さに、唇をかみ締める。
 
 
--------------------
 
 

 ありがち、片想いの尽くん話。
 短時間で書き上げようとしたので、落ちもまとまってません。

 そんな事はどうでもよろし(やけっぱち)。
 
 

※ウェブ拍手ありがとうございます!
いつもいつもくださる方もv
ここ数日くださった方々もvv
バレンタインなので、愛を送信させていただきます(電波)。エーイ~~~♪

 
 

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ホワイトデー

2006-03-14 21:10:16 | ショートストーリー

 今日は本当にホワイトデーでしたよ・・・。
 3月というのに、大雪でした。すぐにやみましたが。

 思いつきホワイトデーネタ。
 思いついただけで、筋はあまりありません。

===============
「ねえちゃん、はい、コレ。やる」
 言いながら、尽が姉に手渡したのは、手のひらサイズの可愛くラッピングされた袋。
「え? これ、どうしたの?」
 きょとんとする姉に、尽は、その袋を開ける催促をする。
 何事か不可思議な表情をしながらも、姉は、尽の促しのままに、ラッピングをそっと解き・・・中から出てきたのは、ふかふかもこもこの・・・マシュマロ。
「・・・って? もしかして、ホワイトデー・・・・だから?」
 そういえば、本日、学校でチョコをあげた友人(オンナ)たちと友チョコのお返しのやりとりはしたけれど・・・・。
「えーと・・・私、確か、あんたには・・・・」
 確か、尽には、バレンタインには何もあげていないハズだ。
 いや、それとも、残ったチロ○チョコでもあげただろうか?
 ひたすら首をかしげる姉に、尽は、にっと笑った。
「うん。もらってない。だから」
「はぁ?」
 姉が尽に何か買ってあげる事はあるけれど、尽が姉に何かをプレゼントしてくれることなんて、せいぜい誕生日くらいのものなのに・・・。
 なんとなく、嫌な予感がしたと思ったら。
「だからさ、来年は、くれよな? 一年先のバレンタインのお返しだ。この場合、倍返し以上をオレは要求する」
 頭の上で腕を組んで、得意げな表情で見つめてくる尽に、姉は盛大な溜息をついた。
「・・・・・・・あんた自身が、忘れてそうだね・・・・」
「大丈夫。ちゃんと、一年間部屋に貼り付けておくし!」
 いいながら、パソコンで作ったであろう『<やくそく>来年のバレンタイン、ねえちゃんはオレにチョコをくれる事』と書かれた紙を誇らしげに見せた。
「・・・・・。」
 ちゃっかり者の尽に、姉はもう、苦笑するしかなった。
 普段大人ぶって、でも、やはり、まだまだ子供で、しかも姉離れできないかわいい弟。
 彼女は、姉との約束が取れたと、うきうきと部屋を出て行った尽の後姿を見て、この子が姉離れをする時がきたら、きっと寂しいだろうなぁ、と、思うのだった。
 実際・・・数年後のバレンタインに、自分の方こそ、弟離れができていない事を実感することになるとは、夢にも思わずに・・・。
===============

 数年後にくっつく予定の姉弟ですが・・・この尽君は、まだ小学生な感じです。
 小学生尽なら、こういう事やりそうだな、と。
 すごーーーーく久しぶりにお話らしきものを打ち込んでみたのですが・・・なんか、思うようになりませんな~。
 いつになったら、復帰できることか(汗)。
 妄想だけはありますが。

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リハビリ創作

2006-02-05 23:03:45 | ショートストーリー

 リハビリ創作、頑張りました。
 できるだけ明るいお話が書きたかったので、下世話話です。13禁くらいな感じで!(笑)
 長さも内容も微妙なので、日記にUP。気が向けば、ウェブ拍手用にするかもしないかも。
 推敲してません。
 ワードからコピペしてるので、明朝体になってますが、気になさらずに。

------------------

『高熱』

 彼女が家に帰ると、玄関に見慣れたスニーカーが、片方が横向き片方が裏側を向いた、相当な乱雑さで散らばっていた。

 しかも、学生鞄が階段の下に無造作に放り置かれている。

「尽・・・? めっずらしい。今日はバイトの日じゃなかったっけ? つか、何よぉ、この靴の脱ぎ方・・・」

 ぶつぶつ文句を口にしながら、彼女は弟の靴をきちんと揃えてあるべき所に並べ置き、尽の鞄を抱えてリビングに向かった。

「母さん。なぁに、尽のあの靴の脱ぎ方! それに鞄も置きっぱなしで!」

 母はキッチンの方で洗物をしているようだった。

「あ、おねえちゃんお帰り。尽ねぇ、熱出して学校早退してきて、ついさっき、病院に連れて行った所なのよ」

「ええ? 鬼の霍乱? バカみたいに元気だけが取り得なのにね」

 キッチンを覗き込めば、母が洗っているのは、一人用の小さな土鍋。普段、病人のお粥を作る時に東雲家では使うもの。なるほど、尽にお粥を食べさせた後なのだろう。

「それがね、インフルエンザ! 学校でうつされてきたみたいね。今流行ってて、もうすぐ学級閉鎖になるみたいよ。おねえちゃんもうつされないように気をつけてね」

 インフルエンザ、ね……。

 彼女は呟いて、尽の顔を思い浮かべる。

 自称自己管理をきちんとしている弟が病気になるのは、ごく珍しい事。以前、彼女が風邪に倒れた時、散々バカにされたものだ。「まったく、ねえちゃんはいい年して、自己管理ができてないんだから!」とかなんとか。

 その時の悔しい思いがふっと彼女の頭によぎる。

 そう、これは……。

「仕返しに……ううん、様子見に行ってあげないとね♪」

 にっこり笑った。

「母さん、私、尽の部屋に鞄置いてきてあげるね」

 

 ドアをノックする事なく、そっと尽の部屋を開け、まずは部屋の中を覗き込む。

 レースのカーテンが引かれた部屋には暖かな日差しが入り込み、加湿器とヒーターのおかげもあって、ぽかぽかと暖かい。

 尽は……当たり前だが、ベッドの上で、氷嚢を頭の下に、額にはひ○ピタを貼って、うんうん唸っていた。

 彼女は弟のその様子に、からかいの気持ちはどこへやら、一応姉らしく同情してしまったのだが。

「尽……?」

 優しい声で呼びかけると、尽は身じろいで、体を起こそうとした。

「あ、いいよ、寝てて。私、あんたの鞄置きに来ただけだから」

 机の足元に鞄を置いて、ベットにそっと近寄れば、真っ赤になった顔、潤んだ瞳の尽が彼女をじっと見上げていた。

 物言いたげな瞳。

 なんだか、それが、弱った小動物のそれに見えて、彼女は微笑んで、尽の目の前に腰を下ろした。

「バカね。あんた、自己管理、ちゃんとできてるんじゃなかったの?」

 優しく、冗談含みに言ってやると、尽は少しむっとしたように眉を寄せた。

 そんな弟が可愛く思えて、彼女は真っ赤になった尽の頬に手を添えた。

「わ、やっぱりすごい熱だね。インフルエンザだって? かわいそうだね」

 姉の手の冷たい感触に、尽はほっとしたように瞳を閉ざしたものの、続くからかい口調の言葉に、またむっとした。

「あんた、しばらく、ベットの住人? かわいそうだけど……私には、うつさないでね? テスト乗り越え大学生の長い春休み、バイトでガンガン稼いで旅行に行く予定なんだから、インフルエンザで寝込んでる暇ないのよね」

 多分、それなりに愛情含みのからかい口調だったろうに、熱で思考回路に異常をきたしている尽は、さらにむっと頬を膨らませて、姉を睨みつけた。

 かわいい……という言葉が、弟の逆鱗に触れる事を熟知している姉は、さすがに、その言葉は飲み込んだが……普段、大人ぶっている弟の、こんな姿を見られる機会は滅多になく、心の中でそのかわいらしさを愛しいと想うのだった。

「……誰と、行くんだ?」

 尽が、やっと口を開いた。

 けれど、その声は、かすれ、とても重苦しく感じる。

 喋るのも、結構辛いようだ。

「大学の友達と、よ」

 彼女は、弟の額に貼られたひ○ピタがかなりぬるくなっているのを確認すると、それをそっとはがし、代わりに自分の冷えた手でそこを押さえた。

 尽は、少しだけ嬉しそうに瞳を細めたけれど、すぐにむっとした表情に戻って、姉を睨みつける。

「……ねえちゃんは、俺より、その大学の友達の方が大事なのか?」

 尽の口からは、結構子供っぽい言葉が飛び出した。

 熱の、せいなんだろう。

 まるで幼稚園や小学生のような幼い愛情確認の言葉。

 それがあんまり可愛くて、くすっ、と、思わず笑ってしまったのが……悪かったようだ。

 それを嘲笑とでもとったのだろうか、尽の癇癪が爆発した。

「ねえちゃんは、俺なんかどうでもいいんだ!」

 額に添えられた姉の手を払いのけ、布団から半身を起こした。

「俺より、その友達の方が好きなんだ!」

「つ、尽……ちょ、ちょっと、あんた」

 悪化しては大変と、慌てて尽を布団の中に押し込もうとするけれど、もうすでに、尽の力には適わないから……。

 逆に、尽を静止する腕を取られて、抱きしめられる形になってしまった。

「ひゃ、ちょ、ちょっと……!」

「俺が、熱だして、苦しんでるのに……ちっとも心配してない!」

 昂ぶった感情の為か、半泣きになって、わめきたてる。

「そ、そんな事ないよ!」

 尽をなだめ、落ち着かせようとするけれど、彼女の言葉は、まったく耳に入っていないようだった。

40度近い高熱だぞ!」

 無理やり抱きしめられて感じる尽の体は、確かに、とても熱く、その高熱具合が分かる。

 こんな高熱出している状態で、興奮したら……絶対、体にもよくない。

 心配だからこそ、彼女は、尽をどうにかなだめようとするのだけれど。

「尽、尽、ね……お願いだから、落ち着いて。余計悪くなっちゃうから!」

 尽はやはり、彼女の言葉を聞く事はない。

 そして、とんでもない事を言い出した。

「こんな高熱だして、子種が死んじゃうとか、心配しないのかよ!」

「…………………は?」

「男はなぁ、40度の高熱出したら、子種が死んじゃう恐れがあるんだ。この年で、んな事になってみろ! お先真っ暗だぞ!? ねえちゃんは、それを、分かってるのか!!」

 本人、かなり真剣な様子だ。

 彼女は、心配するより……飽きれた。

 子種……そう、子種といえば、いわゆる男性の精子の事で……。そういや、いつか、女友達との下世話な会話で、その手の話は聞いた事がある気もするけれど……。

「ちょ、ちょっと、待って、尽……そーいう事、私に言っても……」

 なんで、姉が弟の子種を心配しなきゃならないのか……。

「ねえちゃんだから、心配すべきだろ!」

 そりゃ、そういう事態が本当だったら、エライ事なのは確かだけれど……確かなんだけど……。

 どういう反応を弟に返すべきかひたすら呆然としている姉に、熱とそれゆえの怒りに浮かされた尽は、ここぞとばかりに。

「俺は、ねえちゃんが好きなんだ! だから……っ!!」

 激しく激昂した、告白。

 彼女こそ、高熱を出しそうな状況、だった。

「俺の、子種、なくなってたら、ねえちゃん、責任とってくれよ!」

 涙目で睨みつけられて……睨みつけられても……彼女は、あくあくと唇を開け閉めするだけで精一杯。

 しかも、極限状態らしい尽は、そのまま、姉の体に覆いかぶさってきて。

「ちょ、ちょ、ちょっと、ちょっと! 尽、尽っ!?」

 彼女の唇に唇を寄せようとして…………。

「つ、尽……!?」

 そのまま……意識を、失った、ようだ。

 彼女を抱きしめる力が失われ、彼女の肩に頭をもたせ掛けてきた。

「尽………」

 呆然としていたのもつかの間、尽をどうにかしなきゃ、と、思う姉らしい思いで、意識を失った尽をちゃんと布団に寝かしつけると……大きく溜息を吐き出した。

「……子、子種って……この子は、一体、何を……つか、アレって……」

 カーッと顔が火照ってきた。

 まるで、自分も高熱を出しそうなほどに。

 尽の想いの吐露……それは、姉に対してでなく、勿論、彼女を女と見ての告白で……。

「ひゃ、も……尽の、ばかっ」

 頬の火照りが引きそうにない。

 熱に浮かされての事とはいえ、尽のあの告白が、一時的なものではないと、分かる。

 すぅすぅと、苦しげながらもやっと寝息を立て始めた尽の顔をじーっと見て、彼女は困惑した表情をした。

「尽……私も……」

 呟いて……。

 けれど、最後まで口にせずに、赤い顔のまま、微笑んだ。

 案の定というかなんというか、数日後、姉もインフルエンザでダウンした。尽が学校に復帰しようとする前夜である。

「う~うう~~」

 高熱に唸りながら、姉は、彼女の看病と称して部屋に入り浸る尽を睨みつけた。

 けれど、睨まれた当の尽は、とても嬉しそうなニコニコ笑顔。

「残念。これで、旅行はお流れ、だな!」

 あの日の出来事を、自分が高熱に浮かされて口走っていた諸々全てを覚えてはいないようだが、姉の旅行計画については、後に母親から聞いたようだ。

 ひどく恨めしい気分になった彼女は、やはり、熱に浮かされた思考で、尽に八つ当たりを、した。

「あんた……」

「ん?なんだ、ねえちゃん」

「もし、私が、この高熱で子供の産めない体になったら、ちゃんと責任取ってよね!」

「…………………は?」

 尽の反応は、あの時の彼女とほぼ同じで。

 彼女は、なんとなく満足したような気持ちで、微笑み……そのまま、眠りに落ちた。

 意識が眠りに囚われる前に、尽の言葉が耳に入ってはいたけれど、きっと、熱が冷めた彼女は、覚えて、いまい。

「ねっ、ねえちゃん!? それって、どういう意味!? あ、ちょっと、もう、寝ちゃってる! ああ、ねえちゃん! そっ、そういう責任なら、俺、喜んで取るけど……つか、子供産めない体にならなくても、責任取りたいんだけど……ぉ! ねえちゃ~~ん!」

 その後、尽の子種がなくなったとか、姉が子供を産めない体になったとか……幸いにして、そういう事態にはならなかったようだが……。

「責任、取らせて?」

 問題なく健康な状態で囁く尽に、姉は、いっそ、高熱がずっと続けばよかったのに、と、思ったとかなんとか。

おしまい

------------------

 高熱が出ると、男性の精子が死んじゃうという話を聞いたので。正確には、おたふく風邪による高熱が危ないらしいです。つか、精子は熱に弱いらしいですね。だから男性の睾丸は女性の卵巣と違い体外に出ているとかなんとか。
 ・・・って、何の話をしているんでしょうね~(笑)。大人な話題でした。

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小話

2005-11-01 00:11:21 | ショートストーリー
 ハロウィン妄想を形にしてみました。
 イベントにはのってみないとね。
 眠くて普段よりも頭が働いていないので、駄文。更新できるようなものではないので、日記にのっけてみました。
 読み返しも推敲もなしです~。

------------------------
《悪戯orお菓子》

 舞が仕事から帰ってくると、家には誰もいなかった。
 電気もつかず、鍵がかかり……。
 いつもの事だ。別に寂しいとも思わない。
 両親が忙しいのは昔からの事で、友人付き合いとアルバイトで忙しい弟がいないのも……。
「ま、予想はできてたけど。……とりあえず、ひとで食べるか」
 寂しくはないけれど、微かに期待もあった分、落胆はする。
 静かな闇に満たされた家の中、自室で着替える気分でもなく、玄関を入ってすぐのリビングに入り、荷物を足元に放り投げて、ソファに深く体を沈めた。
 ふぅ、と、息を吐き出した。
 薄暗いリビングの天井を見るともなく見つめ続けていると、目は闇に慣れてくる。
「あれ……?」
 見慣れた部屋の一角に、見慣れないものがあった。
 写真立てや小物で少々雑然としたキャビネットの上だから、普通は気づきにくいのだろうが、それは少々異彩を放っている。
「母さん、かな……?」
 ソファーから立ち上がって、それに近づく。
 子供の頭くらいの大きさはある……黄色いかぼちゃ。
 今日という日……ハロウィンのシンボルらしく、目・鼻・口が切り抜いてある。
 微笑ましい気分でそれに視線を合わせるように、腰を低くした………途端に。
「………っ!?」
 気配を、感じられなかった。
 室内には誰も、いなかったはずだ。
 なのに、今、舞は背後から誰かに抱きすくめられて、口元を強く押さえ込まれていた。
 舞を押さえつけるその力強さから、相手は男だと分かる。
「っ!! っ!」
 突然の驚きが、恐怖に塗り変わる。
 けれど、口がふさがれていて、悲鳴は出せない。
 恐怖で暴れる事もできず、体を硬直させるだけだ。
 パニックになる舞の耳元に、背後の男のやけにくぐもった呼吸の音が聞こえる。
 そうして、やはりくぐもった低い声が、した。
「……トリック・オア・トリート?」
 抑揚のないその声でそんな事を言われても、逆に恐怖が募るだけだ。
 お菓子なら、ある。
 けれど、それを言ったって、聞くような相手だろうか?
 口を塞がれたまま、背後の男が舞の体を操り、己の方を振り向かせる。
「……っ!!」
 薄闇に見えたのは……狼。狼のマスクを被った男だった。
 恐ろしさに、ぞくっとする。
 男の手が、舞の口元から離れた……けれど、舞は悲鳴さえ上げられない。男の問いに答える事もできない。
 ただ、がたがた震えている。
「トリック・オア・トリート?」
 押し殺した低い声で、ごくゆっくりと、再度口にする。
 答えなければ、と、思う。
「お、お菓子、なら、ある……ある、からっ」 
 震える声で必死で口にする。
 ハロウィンの決まりごと。お菓子をあげれば、モンスターは去っていく……そのはずだけれど……。
 狼男は、彼女を抱きすくめる手を緩める事はなかった。
「トリック……決定」
 低い声が言う。
「なっ、なんで、お菓子、あるのに……あっ、あげるから……」
 舞も恐怖で混乱している。
 半泣きになって言い募るばかりで、この状況のおかしさに気づいていない。
 狼男の手が、舞の体を這う。
「っ、や……っ!?」
 脇腹から這い上がってきた手が、そっと胸の膨らみに触れ……最初こそやわやわと触れていたけれど、突然。
「っ、ひゃあ!?」
 ぐっと鷲づかみにされ、もみあげられ……。
「やっ、やだぁ!」
 嫌悪に涙をぽろぽろこぼして、身をよじる。
 狼男の手は、舞の抵抗などものともせずに、舞の体を弄りながら這い回る。
 胸だけでなく、スカートをたくし上げて、その裾から手が入り込んで、脚に、触れる。
「っ、くっ!」
 ぞくん、と、悪寒が走る。
「やっ、やあぁ!」
 そんな所、大好きなあの人にしか、触らせたことがないのに。
 狼男の手は、無遠慮に舞の柔らかな体を弄り続ける。舞の抵抗などおかまいなしに。
「やだ、やだぁ!」
 泣きながら、みじろぐ舞は……完全にパニックになっている。
 そうして……助けを求めるように叫び出す。
 それは……大好きなあの人……。
「……くし……尽……尽、尽ぃ! や、やだ、尽!!」
 大好きな……たったひとりの人。
 弟だけれど、弟じゃない、大切な男性。
「尽ぃ!!」
 夢中で叫んでいる舞は気づかなかったけれど……狼男の彼女を戒める手が緩んだ。
 そうして、狼男の体が、舞からゆっくりと離れたのだ。
「……ごめん……」
 一歩、二歩……後ずさりして……ぼろぼろに泣きながら振り向く舞の前で、狼男の仮面がはずされた。
「……っ!?」
「悪戯、すぎたな……」
 聞きなれた声がした。
「っ!! つ、くし……?」
 舞は、目の前に見知った相手を見て……崩れるようにその場にしゃがみこんでしまった。
「ホント、悪戯のつもりだったんだけど……ねえちゃんの反応が楽しくて、調子に乗りすぎた……」
 狼男の正体、弟の尽は、呆然と座り込む舞に視線を合わせるようにしゃがみこんで、その顔を覗き込み…………しっかりと、お返しをもらった。
 バシン、と、軽快な音が響いた。
 舞が、尽の頬を張ったのだ。
「ばかっ! 尽の、おおばかっ!!」
 予想はしていたらしい、尽は、張られた頬を押さえて、苦笑いを浮かべていた。
「本当に、怖かったんだから。驚いたんだからっ!」
 目を険しくする舞に微笑み、「ごめん……」と、そっと囁いた後、唇を、寄せた。
 舞は拒まなかった。
 口付けは拒まなかったけれど……。
「っ!? ちょっ……!?」 
 尽の手が、先ほどの続きのように、舞の体を這い回り始めた。
 座り込む舞の背中に回りこみ、背筋のラインをなぞり、柔らかなお尻を揉み……。
「ばっ、ばかっ」
 思い切り、手を突っ張って、尽の体を拒もうとするけれど……。
「お菓子もらえなかったから、悪戯続き……」
 まだ涙で濡れる舞の瞳を覗き込んで、尽はくすっと笑った。
 その尽の悪戯っ子の笑顔に、舞は弱い。
 が……。
「お菓子上げるから、悪戯はおしまいっ! 折角、パンプキンパイ買って来たの、寂しくひとりで食べなくてよかった」
 舞が尽の両の頬を抓りあげて言うのに、尽は不満そう唇を尖らせて、諦めの悪いことを口にする。
「……お菓子は明日にしよう。今日は、お菓子なしの方向で……悪戯、させてよ」
「いっ、悪戯だけならいいけど、あんたの場合、それ以上行っちゃうでしょう!?」
「悪戯のそれ以上って……?」
「ばっ、ばか!」
 会話をしながら、尽は舞の柔らかな体に触れ続け、舞はそれから逃れようと尽の胸や顔を突っ張ってみる。
「悪戯なら、さっき、十分したじゃないよぉ! もうおしまい!」
「いや、もっと、悪戯させてよ! 折角のハロウィンなんだし、正面きって、悪戯を……」
「いつも、してるでしょう!?」
「まだまだ足りないね! 狼男尽の悪戯は、いつもの尽くんよりも全然……」
 逃げる舞と、迫る尽。
 結果、壁際ギリギリまで追い詰められた舞。
「ほぉら、ねえちゃん、狼男が襲ってあげるから」
 にやけながら、覆いかぶさってくる尽に、舞は、一応の抵抗を試みるけれど……それも虚しい労力となる。
 悪戯は……結局、いつもの“悪戯のそれ以上”になってしまったようだ……。

「トリック・オア・トリート?」
 くすくす笑って囁く尽に、舞は頬を膨らませた。
「もう、どっちでもいいわよ! どっちにしたって、結局、あんたはっ……」
「お菓子よりも、悪戯、だよなぁ?」
 尽は、狼男の仮面をいじりながら、舞の体を抱き寄せた。
 トリックであろうがトリートであろうが……結局、尽は舞に悪戯以上を仕掛け、舞もそれに逆らえないらしい。
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 締まりのない締めですね。
 尽に悪戯をさせたかったのです。そして、尽のねえちゃんへの悪戯はどこまでなのか、その境界線を知りたかったのです(笑)。
 ・・・結局、どこまででしょうね・・・? おさわりはまだ悪戯のうち・・・(笑)。

 眠い~だるい~。まだ月曜日なのに~。
 ・・・すこんと寝ます。

コメント
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