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道尾秀介「カササギたちの四季」

2012-03-29 | 小説
リサイクルショップ・カササギは、店員二人の小さな店だ。店長の華沙々木は謎めいた事件に商売そっちのけで首をつっこむし、副店長の日暮はガラクタを高く買い取らされてばかり。でも、この店には、少しの秘密があるのだ――。あなたが素直に笑えるよう、真実をつくりかえてみせよう。
 
開店して2年。店員は2人。「リサイクルショップ・カササギ」は、赤字経営を2年継続中の、ちいさな店だ。店長の華沙々木は、謎めいた事件があると、商売そっちのけで首を突っ込みたがるし、副店長の日暮は、売り物にならないようなガラクタを高く買い取らされてばかり。でも、しょっちゅう入り浸っている中学生の菜美は、居心地がいいのか、なかなか帰ろうとしない。
 
日暮くんから語られるリサイクルショップをとりまく四季
小さな事件がつぎつぎ起こる。店長の道楽とも言える推理ごっこに振り回されながらも。家庭が巧くいっていない中学1年の女の子菜美に笑顔でいてほしいと、奮闘する日暮君。
 
「ボールドリッジの法則『何に巻き込まれるか事前に知っていたら、我々は何も始められないだろう』人生に必要なのはまず行動力なんだよ」などとのたまって翻弄する華沙々木君。本来その法則は~~人生のあらゆる場所には失敗が待っていると言うものだろうとマーフィーの法則を言い返すとかれのご機嫌を損ねると黙る日暮君。
それでも、菜美ちゃんのために様々な偽装工作を巡らし。ひたすらがんばる日暮くんが、いい人過ぎますねえ~
また、毎回出てくる黄豊寺の住職がいい味出しています。
 
こういうやさしい物語。道尾さんのお得意分野かな。ほっとするわ~。
 
ちいさな優しい物語がいっぱいつまっています。
 
案外、女は強いものです。
 
結局、菜美ちゃんはすべてお見通しだったのかもしれないです。すべて分かった上で、二人のまぬけなオジサンが営むリサイクルショップが居心地よく。
家庭での息のつまる環境から抜け出して、ほっとする時間を過ごしていたのかもしれません。
 
親子は、お互いを大切に思いすぎるから、かえって鬱陶しく上手につきあえないのかもしれない。
一人の人間として尊重し合い。適度な距離感を持つことによって、ひとって心地よさを感じるのではないかと思うのだが。
 
大人もそうかも。仕事と家庭。。そして、もしかして、ちょっと息抜きできる空間。お気に入りの飲み屋。カフェ。であったり。図書館。公園。海や山など。
そこにいてホットできる空間を持つことは、精神的に安らぐことですね。
たったひとりじゃなく。そこにいて気どらない人がいて…。


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