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気まぐれ読書・映画・音楽の記録。本文に関係のないコメントについてはご遠慮させていただきます。

江國香織「パンプルムース!」

2009-02-23 | 詩、短歌、俳句

 「はじめて子どものための本が書けた」江國香織の詩と、世界中の子どもたちに愛情を注いだちひろの絵の夢のコラボレート。手のひらサイズに優しさと強さを込めて

江國さんがちひろさんの絵を選んでひらがなの詩をつけました。

 

子供の頃、絵本にでてきた「ぶどう酒」というものに、心惹かれたことを憶えています。なにしろそれは、ごちそうのならぶ場面にきまって出てきましたし、言葉の響きが得も言われずふっくらとして、うっとりするほどいいものに思えたのです。

 

その後私は大人になって、ワインを飲むようにもなりました。でもそれは、子供の頃にうっとりと思い描いた「ぶどう酒」とは、どうしても一致しません。永遠にしないだろうと思います。私はその不一致が嬉しい。

 

子供たちに読んでもらえる詩を書こうと決めたとき、私が考えていたのはそういうことです。実物に出会う前に言葉に出会うということ、永遠にのめない「ぶどう酒」のある人生は、ない人生よりずっと愉しいということ。

 

のめないぶどう酒なんて無駄だと思われるでしょうか。もしそうであるなら、この本が、無駄なものばかりでできた一冊になっていることを願って。

~あとがきより

 

永遠に手の届かない憧れのきらめき。。

いくつになっても心に持っていたい。

そういうものを大事にしたい。

そして、心の片隅にいつも優しく、そっと、しまっておきたい

そういう、ことばのきらめきが、ちひろさんの絵と一体になって、

散りばめられた素敵な詩集です。

 

 

 



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2 コメント

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Unknown (あや)
2009-02-28 23:09:59
すごい♪おんなじ おんなじ・・・

私もぶどう酒って何?
すんごく美味しそうって思って 未だに出会えていないよ

素敵な本・・・・読みたいな♪
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いいよ (mint)
2009-03-01 16:03:31
この詩のすべてが、心に深く、感じられます。
なにか、繊細な江國さんの感性と私とでは、
雲泥の差があるのですが…。

でも、そうそう、そんな、
きらめき私の深いところにはやっぱりあるんだ。
と、確認して、
大切なものを、心の奥深くに忘れずに刻んでおきたいなあ。
そんなふうに思います。

これは、おすすめです!!
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