「はじめて子どものための本が書けた」江國香織の詩と、世界中の子どもたちに愛情を注いだちひろの絵の夢のコラボレート。手のひらサイズに優しさと強さを込めて
江國さんがちひろさんの絵を選んでひらがなの詩をつけました。
子供の頃、絵本にでてきた「ぶどう酒」というものに、心惹かれたことを憶えています。なにしろそれは、ごちそうのならぶ場面にきまって出てきましたし、言葉の響きが得も言われずふっくらとして、うっとりするほどいいものに思えたのです。
その後私は大人になって、ワインを飲むようにもなりました。でもそれは、子供の頃にうっとりと思い描いた「ぶどう酒」とは、どうしても一致しません。永遠にしないだろうと思います。私はその不一致が嬉しい。
子供たちに読んでもらえる詩を書こうと決めたとき、私が考えていたのはそういうことです。実物に出会う前に言葉に出会うということ、永遠にのめない「ぶどう酒」のある人生は、ない人生よりずっと愉しいということ。
のめないぶどう酒なんて無駄だと思われるでしょうか。もしそうであるなら、この本が、無駄なものばかりでできた一冊になっていることを願って。
~あとがきより
永遠に手の届かない憧れのきらめき。。
いくつになっても心に持っていたい。
そういうものを大事にしたい。
そして、心の片隅にいつも優しく、そっと、しまっておきたい
そういう、ことばのきらめきが、ちひろさんの絵と一体になって、
散りばめられた素敵な詩集です。
私もぶどう酒って何?
すんごく美味しそうって思って 未だに出会えていないよ
素敵な本・・・・読みたいな♪
なにか、繊細な江國さんの感性と私とでは、
雲泥の差があるのですが…。
でも、そうそう、そんな、
きらめき私の深いところにはやっぱりあるんだ。
と、確認して、
大切なものを、心の奥深くに忘れずに刻んでおきたいなあ。
そんなふうに思います。
これは、おすすめです!!