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気まぐれ読書・映画・音楽の記録。本文に関係のないコメントについてはご遠慮させていただきます。

伊坂幸太郎「バイバイ、ブラックバード」

2010-12-27 | 小説
「理不尽なお別れはやり切れません。でも、それでも無理やり笑って、バイバイと言うような、そういうお話を書いてみました」(伊坂幸太郎)。

太宰治の未完にして絶筆となった「グッド・バイ」から想像を膨らませて創った、まったく新しい物語!
太宰治の未完の絶筆「グッド・バイ」から想像を膨らませて創った、まったく新しい物語。1話が50人だけのために書かれた「ゆうびん小説」
読みながら笑った小説は、久々だな~。
面白かった~。
憎まれ役の超人間。クマか、怪獣か。この世の生物と考えにくい!!繭美!「私の辞書には○○の文字はねえんだよ」のきめセリフ。ボロボロの辞書の黒く塗りつぶされた言葉の数々。金の耳かき。アイテムが、また魅力的だ。
色気、常識、気遣い、マナー、悩み、想像力、占い、霊感、被害妄想、迷惑、気配り、福
文句なしに。この小説の魅力は。繭美でしょ。
しっかし…星野君。なんて、優柔不断な5股。優男。けど、こんな、隙だらけの男に女ごころを盗まれてしまうんだろうな。こういう男性心理が分からぬでもないが…。
~想像力が豊かな奴は生き残れねえよ、いまどき。やりきれないことが多すぎる世の中なんだから、何も考えない方がいいさ。繭美
~あんまり人生に期待していないんですよ。毎日、まじめに生きていても、そんないいいことってないですし、大変なことはあるけど、それもまたしょうがない。いちいち何かに期待したり、落胆したり、そういう感覚もだんだん、なくなってきているんです。りさ子
~そうは思わないか?星野。残念ながら全く思わないねえ。繭美
~13日の金曜日。あの映画の中で、ジェイソンに追われている奴らが、そういえばねえだろ。他人の心配なんてのはな、平和な奴しかしてらんないんだよ。繭美
論理的な説明であったり、常に訴えた懇願であったり、そういうことより、全く理屈に合わないむちゃくちゃな言い分の方が繭美は乗ってくる。芸能リポーターと繭美との共通点。タフさ。君たちは生き物として強い。
そういう。繭美の魅力?分析。星野は、どんな女であれ、気づいて、知らず知らずに、女にその類い希な魅力で惹きつけてるカンジだ。どうしようもなく、ばかで、純粋で。ありえない男だ。繭美にだって。どこかに隠されていた。母性本能っていうのが、もしかして、あって。封じ込めていた心の金庫の鍵を。こじ開けるのが星野という男なんだな。見方によっては、こういう男が女の敵かも?でも、だれだって、星野君にあったら、であえてラッキーだったなっておもっちゃうかもしれませんね。
ターミネーター2の登場人物のような有須睦子のマネージャー佐野が口ずさむ表題。
~悩みや苦しみを全部詰め込んでいくよ。僕を待ってくれているところへ。ここの誰も僕を愛してくれないし、わかってもくれない。って歌詞。
冷静沈着なかれが、思わずもらい泣きするシーンもちょっと感動だったり。
~やだなこわいなって、思って越が引けてると、やっぱりやられちゃう。かかってこいってぐらいに真正面から受け止める方がダメージは少ないんだ。ケンカも病気も、何もかも、へっぴり腰なんかじゃ絶対負ける。星野母。
~心は決まっているんだけど、からだが勝手に、震えている。星野
~いいか、人間が棹後の最後に見捨てられないためにはな、「自分は必要な人間です」「役に立てます」と主張するしかないんだ。繭美
ラストシーン。巨漢の繭美が学生からぶんどったバイクにまたがり、キック。。
このしーんも。。
終わり方も、映像となる。
フレンチコネクションGene Hackmanよろしく不知火刑事の登場とか。要所要所に面白すぎます。
ネット社会。ツイッター、電子書籍、携帯小説といった社会現象に。反骨する。全国にたった50人に送られたゆうびん小説っていうのも。伊坂さんらしくて、素敵すぎだ。
私も応募すれば良かった。
けど、いまだかつて、宝くじなど、よいほうの当選はない。から、無駄なことだね。


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