赤い水性の部屋

あくまでも赤い水性個人のページですので、吹奏楽とは関係ない内容もあります。みなさんのコメントをお待ちしています。

365分の1

2005年04月15日 | Weblog
 今まで当たり前のように一緒にいた人と別れるということほど寂しいことはない。それから、もうその彼女とは一緒に演奏することはないであろう曲を分かれる最後まで練習するというのも辛い。練習だから、手を抜くことはなく、今までと同じように要求する。そして、いつものように片付けて、いつものようにあいさつし、いつものように下校する。しかし明日、彼女はいないのだ。冷たいと思われるのも承知していた。みんなでお別れ会でもやって、旅立つまで見送ってやりたい。「行くのは止められないのか?」何度も言おうと思ったけれど、言わなかった。言ってはいけないと思った。だから、最後まで精一杯練習しようと思った。
 学校を転勤するとき、お別れ会なんてやらなかった。3月31日の夕方6時まで、最後まで基礎合奏だった。「もっと響きを意識して!」「こんなんじゃ、新1年生を迎えられないぞ!」と激をとばし、終わりのミーティングでも「明日はもっと充実するように!」といつものように話した。そして、次の日、自分だけが違う学校に来ていた。
 僕は、こういう毎日を、365分の1という言い方をする。それは、他の日もあるから今日は特別でないという意味ではない。今日は明日につながり、明日はまた、未来へと続く。だから、自分の進む道を決めたのなら、迷わず進むしかないと、僕は思っている。立ち止まって、過去を思い、悲しんでいても幸せはやってこないのだ。僕たちには僕たちの道があり、彼女には彼女の新しい道がある。彼女の道は彼女自身で切り開き、未来へ向かう。僕たちもまた、未来へとすすむ。
 時間は戻らない。こんな当たり前のことを僕たちは時として忘れてしまうことがある。今という瞬間を、「また次回に・・・」「後は明日に・・・」「今度はがんばりたい」と流してしまう。
 毎日の一瞬一瞬が黄金一粒・・・そんな365分の1を過ごしたい。
 彼女の活躍、幸せを心から願わずにはいられない。そして、いつかまた会おう!

最新の画像もっと見る

コメントを投稿