本を読もう!!VIVA読書!

【絵本から専門書まで】 塾講師が、生徒やご父母におすすめする書籍のご紹介です。

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

『迷いと決断 - ソニーと格闘した10年の記録』 出井伸之 

2007年04月02日 | ビジネス書・マスコミ関連


迷いと決断.jpg


アメリカ人の中には、ソニーを日本ではなくアメリカの会社だと思っている人がいると聞いたことがあります。それだけソニーのイメージは、グローバル企業そのもので、他の日本企業とは異なるようです。現在のトップは外国人ですしね。


トランジスタラジオやテープレコーダーの時代からの 井深大盛田昭夫 という両カリスマ経営者が去ったあとでも、ソニーのブランドイメージは非常に高いですね。かくいう私も大学3年生になる時、ゼミの試験を受ける時、尊敬する人という欄に、盛田昭夫と書いた記憶があります。

その頃(1980年前後)は、エズラ・ヴォーゲル氏の書いた『ジャパンアズナンバーワン』 という本が象徴的ですが、日本の経済力はそのうちにアメリカを抜くのではないか、欧米は日本式経営に学べ、という時代でしたから、盛田氏のことが英雄のように見えたのでしょう。


その後、結局バブルがはじけ、ついこの前まで、日本経済はデフレに苦しみ、ソニーもいろいろ困難な時期がありましたが、95年~2005年という長期に渡ってソニーの最高経営責任者(CEO)を務めたのが著者の出井氏です。6代目だったそうです。


本書は出井氏の回想録のようなものです。創業者グループに属さない、はじめてのプロ経営者として登場するわけですが、在任中にも、しっかりとプレイステーションVAIOなどの強力なブランドイメージを作ることに成功し、今や従業員16万人、売り上げ総額7.5兆円の巨大企業に育て上げました。


やはり、当然のごとく様々な苦労や失敗談もあるわけですが、本書ではそのあたりを非常に率直に、専門的なことには深入りせずに振り返っています。世界中を飛び回り超多忙なスケジュールをこなすビジネスマン、超人並みの精神力を持っているはずですが、やはり基本的な経営者の悩みは、レベルの違いはあれ、その本質はみな同じだなという気がしました。


笛吹けども踊らず、苦境に追い込まれこのままでは倒産するという危機感が共有できずにいらだちます。短期でしかものを見ない外部の人間。外からは想像もできないような、社内の壁にいくつもぶつかっています。眠れずに、ずっと睡眠薬も服用していたことも告白します。


世界にまたがる企業の経営を、出井氏は 「時速120km以上の猛スピードでハイウェイを失踪する車の運転席にいるようなもの、と思って下さい。一瞬の判断ミスが大きな事故につながります」 と述べています。絶え間ない緊張の連続なんでしょう。

ソニーは、意地とプライドがじゃまして、時に失敗もする企業というイメージがありますが、それを恐れない文化、魅力があります。どこまでもチャレンジを続け、勝つまでやめないという根性が良いですね。


そういう個性の強い会社の中で、創業者グループ以外の人間がトップになったわけですから、自分がどれだけ求心力を保てるかが、巨大組織を動かせるかどうかのポイントになるわけです。企業としてのソニーの魅力というより、副題にもあるように、そのための “格闘” が印象に残りました。

上場企業というのは、組織や業績を維持するだけではなく、絶えず成長させなければならない。そのためには先を読んだ布石も必要だし、常にどこかの変革が迫られるわけですね。現在の成功に少しも安住できない。企業経営は厳しいものだと実感しました。


日本経済が本当に復活したといえるのは、起業しようという若者が大勢出てきた時だと、どなたかが指摘していました。その通りかもしれません。経済・経営学部や商学部などに進もうと考えている高校生には良い刺激、勉強になる一冊だと思います。


迷いと決断

新潮社

詳  細

 ブログランキングです 

『迷いと決断』 受験生にも大人にも付きまといますね。がんばりましょう!がんばる.gif

記事がいくらかでも参考になりましたら、クリックをしていただけるとありがたいです。
 

(2位)

にほんブログ村 本ブログへ (1位)

ブログランキング (2位)

 (6位)
  
 

 (お試し)
http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】




『迷いと決断 - ソニーと格闘した10年の記録』 出井伸之
新潮社:218P:735円

 

このサイトのあなたのレビュー!

 


   個別指導 大学受験 中学受験 予備校 英検 個人指導 受験指導 読書書籍・雑誌ニュースbookおすすめサイト趣味英語東大リスニングリーディング

ジャンル:
経済
コメント (8)   トラックバック (1)   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 『システム英単語Ver.2』... | トップ | 桜 三昧 »
最近の画像もっと見る

8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
米人のソニー信奉 (ysbee)
2007-04-03 11:49:41
VIVAさんご指摘の通り、アメリカ人はSONY大好きですね。
多分トランジスタラジオやウォークマンと言った
時代を画するAV製品のヒットに負うところが多いでしょうし、
最近ではやはりプレステによるティーンへの浸透が
圧倒的な人気のベースでしょう。

ブランドバリューのおかげで、PCショップへ行っても
VAIOが玉座に納まっています。ディスカウントなし。強気~!
ただHDテレビでは、韓国のSAMSUNGがのしてきてますよ。
デザインも性能もいいので、油断大敵です。
Unknown (Shiko)
2007-04-03 12:40:56
なんだかんだで"ブランド力"という感じ。
そういえば、井深大がSONYという社名を考えたそうですね。東通工だと海外では発音しにくい、SONYなら海外でも響きが良さそうだ・・・と。
結局、SONYという単語自体に意味はなく、ただ音が良いだけなんですね。

そんな東通工時代から、海外市場のことを考えているのですから、凄い会社ですよ。

もしかすると、CEOがハワード・ストリンガーになったから、さらにアメリカ人のSONY化が期待できる?!
ysbeeさん (VIVA)
2007-04-03 13:34:57
そうですよね、やはり。日本以上に人気があると聞きました。プレステもやはりそうなんですか。マイクロソフトのXボックスでしたっけ。ダメなんですかね。

そう言えば、出井さんはずいぶんとビルゲイツと親しいようで、私も一度二人が話しているのをテレビで見ました。

実は私も自宅のPCはVAIOです。日本では他のPCメーカーも頑張っているので、特別という存在ではないような気がしますね。値引きもしますし。

また、SAMSUNとソニーは液晶テレビか何かで協力関係にありますよね。国によっても、製品によっても、組む相手、戦略がいろいろあって、大企業は複雑です。(あっ子どもの感想文みたいになっちゃいました)
Shikoさん (VIVA)
2007-04-03 13:41:38
そうそう、SONYの4文字が何よりの財産だと、本書にもありましたね。井深さんか、盛田さんが “Sunny Boy” というイメージから浮かんだというような話しを聞いたことがあります。意味はないんだけれども。

先日も紹介したテキストで、ある日本で英語番組を作っているアメリカ人が、日本人は盛田さんの英語コミュニケーション能力を見習うべきだと言っていましたよ。

決して文法的には完璧ではないけれども…、というよくあるやつですが。とりあえずいまだに盛田さんが見本なんだと思って苦笑しました。

Shikoさん!ど~んと思い切って起業して下さい!
おちょっかい (ysbee)
2007-04-04 07:27:40
こどもの感想文は、もっと直裁じゃないかなぁ。

「どうなんでしょうねぇ~、
SONYも敵がいろいろあってたいへんですねぇ~
ともかく見守るしかないというところでしょうか。
状況はますます複雑になりそうですが、
では、ここでちょっとお知らせ。」(関口宏)
VIVA (VIVA)
2007-04-04 09:55:19
なるほど。

『ソニーにがんばってもらいたいと思いました』
はなまる! (ysbee)
2007-04-04 11:35:33
単純明快。非常に率直で、将来に期待の持てるお子さんですね。
政経へ進まれる事をお勧めいたします。
~進路指導より

(どこまで続くの?この学芸会。)
ysbeeさん (VIVA)
2007-04-04 13:04:15
お付き合いいただき、誠にありがとうございました!心より御礼申し上げます。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
ブログ作成者から承認されるまでトラックバックは反映されません。
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。
"Embarrassment and decision making"/ Nonuyuki Idei (Book Review Blog)
[書評翻訳ブログ] Some people in US think SONY as an American company. This episode suggests that SONY is different from other Japanese company as its image is so global....