遣心使.Ⅰ-hissuのもの-
人生にとって必須のものは
恐らく数えるほどにしかなくて
大方の人間は
その無駄を拾っては捨てている
生きる途上で
一番大切なものは何か?は
恐らく右往左往し
定まらぬ視線の行先のように
明確な像を結ばない
イノチを永らえるのに
如何すれば最適か?は
恐らく死者に訊ねるしかない
数学者に要り様なのは
puzzleのような一連の方程式
哲学者が求めるのは
spiritの無限に広がる宇宙
poetが書くのは
何時でも日常を剥がした日常の事
我ら数多の凡庸が身に着けるものなど
それぞれが手にする
tissue-paperのようなものだ