降って来るもの

写真と散文とぽえむ

自負

2024-05-08 06:09:01 | 詩30

     自負

 

気懸りが有れば

それを無視したりしない

どんな微細な瑕疵も

一編を成立させる妨げになる

 

凡そ、古今東西に

未完の大作など無く

未完の大器など居ない

どんなに些かの舞台でも

それを等閑なおざり

如何なる作品も無いのだ

 

どんなに細やかな作品だとしても

どんなに無名のポエトだとしても

 

 

     一握の

 

好きと嫌いを

なかなか制禦できない

それが一種

本能に根差しているからかも知れない

 

体の何処かの細胞が

胸の何処かの組織が

命の何処かの血流が

忌避するのだ

拒否するのだ

混ざることを

 

”人類皆兄弟”の標語が

時折り、耳障りになる

けれど、それでいい

誰もがMessiahに成れる筈も無く

誰もがBuddhaになる筈も無い

我等皆

一握りの人間と関わって

一握りの人生を生きる

 

 

     動機

 

活動を開始した脳の思惑は

容易に抑圧できない

switchがonに入ってしまうと

寝不足を取り戻せなくなる

何かしらの拘りを

後生大事に抱え込んだ記憶は

繰り返し

あぶくのように思惟の対象となって

眠りの時を削る

 

動機は、日常の修羅

或いは、何気ない想念の棘

 

 

     蓄積

 

時間も、その澱も滓も

すべては

蓄積してゆく

時も、その滋味も養分も

すべては

心の裡に蓄積される

 

時間と時と

あらゆる、良も否も、優も可も

己の血肉として

己の成分として

一生を形成する堆積物となるのだ

 

それゆえ

個個人の優劣も成否も

良く生きたのか

良く生きなかったのかも

その評価も

その蓄積物の分析によって

後世、他人の口の端に上る

 

 

     表裏

 

今更だが

生きる!とは

生かされる!と表裏一体

僕らは

生かされ!を生きる!

生命に関して

何一つ自由にできるものはない

それは生まれつく事と同様に

神秘極まる出来事

それ故、死の時も

その奇蹟に委ねる他ないと言う事

 

案ずる勿れ

その時が至れば

誰も彼も、一人残らず

無事に死去できる

 

 

      木香薔薇

 

 北西のフェンスに誘引したモッコウバラが5/2満開に成った

 

  

   

   

これだけ群れ咲いてくれると流石に見応えがある

 5/8 08:22 まんぼ

コメント (1)
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