XLⅦ「一年で一番」
一年で一番短い昼間が始まる前の
一年で一番夜が長い一日の
二番目に長い夜のそろそろ終わりに向かおうとする
何とも微妙な時間割に紛れ込んで
如何でもいいという人や
それがどうした!という人には
何の意味もないだろう文章を
暗がりに小さな明かりの穴を開けて綴っている
書いている此の僕でさえ
意図してその時間の価値や意味を
詳細に記述しようと思っている訳ではないのだが・・
ふと
一年で一番短い昼の事を思って
その続きにある
一年で一番長い夜を経験する前夜の
漣のように幽かに揺れる感慨が生じたので
その日脚の長短の事を面白可笑しく
言葉に移植してみたのだが・・
だから
それが如何した?と詰問されれば
一たまりもない
*
「思惑を抱いて」
僕は膨大な数と量の書き物を残してきたから
愚作も駄作も
取るに足らない
或いは
殆どがその範疇に分類されるかも知れない凡作や
その他の雑文に評価されそうな類も・・
けれど
若しかしたらその中に
幾篇かの佳作や偶には秀作に値するのも
混じったり埋もれているかも知れないと自讃して
是は
独り善がりで我儘な僕の望みだけれど
アナタと生活を共にできるような
アナタと昼夜を同居できるような
アナタの胸に届く傑作が含まれているとしたら
其の玉石混淆から
アナタの一行や一篇が見つかったとしたら
ボクは半世紀に亘って倦みもせず
日捲りを更新してきた甲斐が有ったというもの
云わばその分厚さが
そのページの枚数が
何万字にも折り重なる言葉の重さと味が
此の僕の
再生し続ける昨今の記念碑
戌年の水無月を目途にして
一つの集大成を為したいと
思惑を温めている
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます