疲弊の奈落で
思考の渦巻きを起こさないことだ
湧き起った雲量を増量しないことだ
千切れ雲のように
風景のひと塊りで済ますことだ
浮浪雲のように
出処を探らないことだ
浮雲のように
静かに眺めて遣り過ごせばいい
思慮や考慮や熟慮の黒雲が
saveできない程に盛り上がれば
其処から
稲光が走る
雷鳴が轟く
そうして
平穏の睡眠を強奪してゆく
もくもくと
種種の思惑が集結して
無我の安寧を占拠してしまう前に
そこから
天変地異の前触れが布告される前に
尻尾を巻いて撤退することだ
蜷局を巻いて蹲ることだ
それでも
無知で無力のHomo sapiensが生き残る術は
日常の精神の弛まない葛藤の果てに
身に備わるものだ
疲弊の奈落で
ようように会得されるものだ
R1091272