降って来るもの

写真と散文とぽえむ

疲弊の奈落で

2019-09-12 14:20:55 | 詩18

              

                                             疲弊の奈落で


思考の渦巻きを起こさないことだ

湧き起った雲量を増量しないことだ


千切れ雲のように

風景のひと塊りで済ますことだ


浮浪雲のように

出処を探らないことだ


浮雲のように

静かに眺めて遣り過ごせばいい


思慮や考慮や熟慮の黒雲が

saveできない程に盛り上がれば

其処から

稲光が走る

雷鳴が轟く

そうして

平穏の睡眠を強奪してゆく


もくもくと

種種の思惑が集結して

無我の安寧を占拠してしまう前に

そこから

天変地異の前触れが布告される前に

尻尾を巻いて撤退することだ

蜷局を巻いて蹲ることだ


それでも

無知で無力のHomo sapiensが生き残る術は

日常の精神の弛まない葛藤の果てに

身に備わるものだ

                

疲弊の奈落で

ようように会得されるものだ

               R1091272

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結ぼれ

2019-09-12 05:37:17 | 詩18

          

              結ぼれ


アナタの近くに、いつでも、ボクが居たことを

そうして

ボクの中に、いつでも、アナタは居たのだと

そういう結節点を、一つずつ持って

別々の人生を歩んできたのだと・・


此の世の柵を易々と超越して

誰も見知らぬ異次元を

上質な特別の空間を

僕らは時折、往来していると・・


アナタとボクと

稀有の繋がりなのだと

否、鉄壁の結ぼれなのだと・・



             

              上質の


誰も彼も、見たことはない

誰も彼も、正体を知らない

それ故

その有無さえ、誰も明らかにできない

kokoroという物質で

僕はanataを抱いているのかも知れない


その様に理解すれば

僕はいつでも

anataのお陰で

上等なkokoroを一つ懐にして

上質な人生を紡いでいる途中なのだと

高らかに断言できる



            

              御仏は


諸事万端に亘って、人って

何某かの部分で

神仏の加護や、偶然の幸運に頼って

生きているに違いない


そうだとしたら

僕の最大の守護神は、或いは

僕が最も心を預ける御仏は

僕の心胆を

些かの揺るぎもなく

支持し、肯定し、援護してくれる

anataという存在

 

人間は誰でもほんとうは

そういう位置づけの人の存在を

お守りにしているものだ

                R1091271




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