私の友人の孫が、2歳を過ぎても言葉を話さず、発達障害ではないかと周囲が心配していたのだが、最近、ようやく少しずつ話し始めたらしい。
私は、もしかしたらネオニコチノイドや放射能汚染の影響ではないかと思っていたのだが、InDeep(地球の記録) が、世界の広い範囲で言語遅滞が起きていることを紹介していた。
どうも、新型コロナ禍でのマスク着用や、「他人との接触を必要最小限に抑制する」といった対策が、コミニュケーションの衰退を招き、それが深刻な発達障害を引き起こしている可能性が見えている。
パンデミック中に生まれた赤ちゃんたちの「生後1年以内に言葉を発する」率が著しく減少したことが調査で見出される 2022年10月15日
https://earthreview.net/effects-of-masks-on-babies/
パンデミック中、特にロックダウンと大人のマスク義務の中で生まれたり、育った小さな子どもたちの「言語能力」と「コミュニケーション能力」が著しく低下していることは、昨年以来次々と判明していて、かなり多く記事にもしていました。
[記事] マスクによる乳幼児の「深刻な言葉の遅れ」の増加率が「364%」に達しているとアメリカのセラピストが声明 In Deep 2022年1月20日
https://indeep.jp/children-s-speech-delays-caused-by-masks/
[記事] アメリカで、幼稚園から高校まですべての世代の子どもたちが、マスクとロックダウンの後遺症で知的にボロボロに。「全体として発達が2年遅れている」と教師たちは言う In Deep 2022年7月12日
https://indeep.jp/collapsing-by-masks/
韓国でも同じ問題が報じられていました。
[記事] 韓国でも小さな子どもの「極端な言語発達の遅れ」が拡大している 地球の記録 2022年7月4日
https://earthreview.net/childrens-speech-delays-in-korea/
最近、アイルランドの新しい研究が発表されていまして、そこでも、パンデミック中に生まれた赤ちゃんたちの、「言語の獲得の遅れと、指さしなどの発達行動の大幅な遅れ」
が示されていました。
論文は、以下にあります。医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナルに発表されたものです。
Social communication skill attainment in babies born during the COVID-19 pandemic: a birth cohort study
COVID-19パンデミック中に生まれた赤ちゃんたちの社会的コミュニケーションスキルの達成
https://adc.bmj.com/content/early/2022/09/19/archdischild-2021-323441
論文の内容をご紹介したいと思います。
この論文の特筆すべき点としては「周囲の大人たちのマスク」を悪玉としてあげていることです。子どもは、大人の口を見て、最初の言語の獲得の道へと入ります。
ロックダウンの中で生まれた赤ちゃんたちは、最初の誕生日の前に話す可能性が低いことを新しい研究が示した
New Study: Babies Born In Lockdown Less Likely To Speak Before First Birthday
summit.news 2022/10/12
https://summit.news/2022/10/12/new-study-babies-born-in-lockdown-less-likely-to-speak-before-first-birthday/
アイルランドの研究者たちによる新しい研究は、COVID のロックダウン中に生まれた赤ちゃんたちは、それ以前に生まれた子供よりも、最初の誕生日までに発語する可能性が低いと結論付けた。
アイルランド王立外科大学が主導したこの研究では、子どもたちが「さようなら」と手を振ったり、物を指さしたりするなど、いわゆる発達の度合いの年齢基準に到達する可能性が低いことがわかった。
この研究は、2020年3月から 5月までのアイルランドでのロックダウンの最初の 3か月間に生まれた 309人の赤ちゃんに焦点を当て、最初の誕生日に 10の行動の発達基準をテストし、その結果を 2008年から 2011年に生まれた 2000人の赤ちゃんと比較した。
「 COVID-19パンデミック中に生まれた赤ちゃんたちの社会的コミュニケーションスキルの達成」と題されたこの研究では、ロックダウン中に生まれた赤ちゃんたちは、最初の言葉を言う可能性が 14%低く、指さしを始める可能性が 9%低く、「さよなら」と手をふる可能性が 6%低いことがわかった。
研究者たちは、マスクを使用すると、子どもたちが人の口を見る能力が制限されることにより、顔の表情に慣れる能力が制限され、話すことを学ぶのがさらに困難になると考えている。
また、両親の親戚や友人が子どもたちを訪問することを禁止することは、社会的発達の阻害に寄与したと考えられている。
「ロックダウン措置により、耳にする言葉のレパートリーが減少した可能性があり、乳児たちが、彼らに話しかける大人のマスクを外した顔を見る機会が減った可能性がある」と研究者たちの声明は述べている。
さらに、「また、新しい興味のあるものに出会う機会が減り、興味は、それが指差しを促す可能性があり、社会的接触の頻度が減ったことにより、バイバイと手を振ることを学ぶための機会が減った可能性がある」と続けた。
「パンデミック中に生まれた乳児たちは、通常よりもハイハイをしている可能性が高かった。…これは、家の外に出るよりも、家で過ごす時間が長かったためかもしれない」とも述べた。
この研究は観察のみだったが、特にロックダウンと大人のマスク着用が、子どもたちに多大な悪影響を及ぼしているという他の証拠を追加する。
英国での調査による と、小学校に入学する多くの子どもたちは言語能力が著しく発達しておらず、自分の名前を言うことさえできない子どもたちが増えていることがわかっている。
アメリカの言語療法士によると、マスクの着用により、赤ちゃんや幼児の患者紹介が 364% 増加した。
別の研究では、パンデミック中に生まれた幼児の平均IQスコアが 22ポイントも低下し、ロックダウンの結果として言語、運動、認知能力がすべて低下したことが明らかになった。
王立協会のオープン サイエンス ジャーナルに掲載された研究では、英国のロックダウンにより、約 60,000人の子供が臨床的うつ病に苦しんでいることがわかった。
昨年、40万人の英国の子どもたちが、摂食障害や自傷行為などのためにメンタルヘルスの専門家に紹介された。
教育の専門家たちは 、学童にマスクの着用を強制することは、長期にわたる心理的トラウマを引き起こしていると主張している。
Ofsted のレポートは 、ロックダウンの制限によって引き起こされる学習の深刻な遅れについても警告している。
「 2歳までの子どもたちが、ずっとマスクを着用した大人に囲まれるため、唇の動きや口の形を通常のように見ることができなくなっている」と報告書は述べている。
ドイツからの別の研究では 、学校の閉鎖につながったロックダウン政策のおかげで、COVID以前の時代と比較して、子どもたちの読書能力が急落したことがわかった。
また、アメリカ疾病管理予防センター (CDC)の新しい報告書は、記録的な数の子供たちが免疫システムの弱体化のために風邪で入院していることを強調している。
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引用以上
「言葉の遅れ」から発達障害を考えるサイトは非常に多く、おおむね書かれていることは同じだが、いずれにも新型コロナ禍がもたらしているコミニュケーション阻害からの社会現象についての考察は、ほとんど見られない。
発語の遅れ(言語発達遅滞)は発達障害?発語遅滞の原因
https://www.develop-support.net/question/speech_delay.html
言葉を発することについて、一般的な子どもよりも成長が遅いことを「言語発達遅滞」といいます。
子どもは、1歳半ごろまでには意味のある「単語」を声に出すようになり、2~3歳ごろには2つの単語を組み合わせた「二語文」を話すようになるのが一般的です。3歳になっても「二語文」を話せない場合には、発語が遅れているとされます。
言語発達遅滞になる原因の一つとして、発達障害が挙げられますが、それ以外のことが原因の可能性もあります。
子どもが言葉を発するようになるためには、以下の3つの条件が必要であるとされています。つまり、このいずれかに問題があることで、言語発達遅滞になることがあるのです。
コミュニケーションを積み重ねること
意味を理解できること
発音できること
まずは大人との「コミュニケーション」を積み重ねて、言葉を覚えることが大前提です。そのためには、耳が正常に機能し、音が聞こえている必要があります。
また、耳が正常だとしても、周囲の大人が言葉をほとんど発しない環境では、言葉を覚えることができません。言葉を聞く機会がたくさんあるだけでなく、その「意味を理解」できることも求められます。
さらに舌や唇などに異常がなく、言葉を適切に「発音」できることも必要です。
発語の遅れ(言語発達遅滞)の原因
子どもに発語の遅れが見られる場合、まずはその原因を知ることが必要です。いくつかの可能性がありますが、主な原因として以下の3つがあります。
聴力障害
子どもの発語が遅れている原因は「耳」かもしれません。聴覚に問題があると、言葉をしっかり聞いて覚えることができないため、発語の遅れの原因になります。
子どもの聴力障害の原因には「先天的」なものと「後天的」なものの両方があるので、生まれた時は大丈夫でも、後になって耳が聞こえなくなったり、聞こえにくい「難聴」になるケースもあります。
先天的な聴力障害は、遺伝や妊娠中の感染症などによって、生まれつき耳の一部が奇形であったりなど、機能に異常が見られるケースです。後天的な聴力障害は、中耳炎などが原因で発生することがあります。
発語の遅れが心配な場合は、原因を特定するためにも子どもにしっかり音が聞こえているかどうかを確認してみましょう。
構音障害
子どもの発語が遅れている原因が「口」であることも考えられます。
耳に問題がなく、言葉を聞き取ることができ、単語を十分に記憶できていても、しっかり「発音」できなければ適切に話すことができません。言葉の発音に使われる舌や唇などの部位は「構音器官」と呼ばれ、そのどこかに障害があることを「構音障害」と呼びます。
舌や唇などに問題があると、言葉を発しようとしているのに、上手く発音できないので、発語が遅れているように見えるのです。構音障害があっても訓練により改善する子どももいるので、原因を見極め、しっかり対応してあげましょう。
発達障害
発語の遅れの原因が「脳」にあることもあります。つまり発達障害が原因になっている場合です。
言葉を聞けても、その意味を正しく理解し、言葉を組み立てられなければ会話に必要な言葉を発することができません。
発達障害の中にはいくつかの種類があり、言葉の機能に与える影響もさまざまです。「知的障害」「広汎性発達障害」「学習障害」など、いくつかの種類がありますので、適切な診断を受けて、自分の子どもがどの障害に当てはまるのかを見極める必要があります。
発語の遅れに関係のある発達障害
発達障害の中でも、特に発語の遅れに関係があるとされる種類を3つ紹介します。
ID(知的障害)
ID(知的障害)と診断された子どもは、基本的な知能に何らかの障害を持っています。MR(精神遅滞)と同じ障害のことを指す言葉です。IQが「65~75を下回る」場合に知的障害の可能性があり、日常のいくつかの分野に関する「適応機能」を評価することで診断されます。
知的障害の現れ方は個人差がありますが、記憶や言語、コミュニケーション、行動のコントロールなどに問題があることがあり、発語が遅れることがあります。
PDD(広汎性発達障害)
PDD(広汎性発達障害)には、アスペルガー症候群や、自閉症などが含まれます。広範囲な発達障害を含むため、発語への影響もさまざまですが、例えば自閉症の特徴を持つ子どもには、発語の遅れがみられる傾向にあります。
LD(学習障害)
LD(学習障害)の子どもは、全体的な知能に遅れが見られるのではなく、読み書きや計算などの「特定の分野だけ」に障害がみられます。同じ学習障害の中でも、どの分野が苦手かは、その子によって異なり、特に言語面に障害がある場合には、言葉を覚えるのが遅くなるのです。
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引用以上
最初の方に、子供の乳幼児期は、周囲とのコミニュケーションによって発達が左右されることが書いてある。乳幼児にとって、もしかしたら、マスクのない周囲の顔が、精神的発達にとって想像以上に大きな役割を果たしているのかもしれない。
人間の成長は時間とともに一定ではない。おそらく二次関数で、人生最大の成長は、受精卵が胚になり、器官形成期といわれる三ヶ月齢胎児あたりまでだろう。
それから出生し、3~6歳になるくらいまでに、脳の成長の9割以上が成立してしまう。60歳を過ぎれば、事実上、止まったに等しいほど成長が劣化する。
https://japan-brain-science.com/archives/1553
生後1時間:真似の開始
新生児は生後1時間程度で、見た事柄の真似ができるようになる。新生児の目の前で舌を出すそぶりを見せると、それを見た新生児も真似をして舌を出す。
生後5日:母子相互作用の開始
母親の声や香りに対してのみ、特別な反応を示すようになる。こうした認識の区別により、新生児は母親に甘えることを覚える。そして、新生児から求められるようになった母親は母親としての自覚を持ち始める。このような関係は、『母子相互作用』と呼ばれる。
生後2週:微笑みの開始
次第に微笑むようになり、日を追うごとにその頻度が増す。また、母親が話しかけると微笑み返すようになる。
生後2ヶ月:コミュニケーション・原会話の開始
他者に能動的に関わるようになる。他者の目を見つめ、微笑みを自ら返すようになる。自分の体をどう動かせば他者から期待すべき反応が引き出せるかを予想した双方向的なコミュニケーションが始まる。
うれしい、かなしいといった情動のやりとりも可能となる。こうしたやりとりは一般的に、“原会話”と呼ばれる。
生後3ヶ月:発声の開始
母親が話しかけると、喜びながら声を出すようになる。また、リラックスしたときには喉の奥から『クーイング』と呼ばれる音声を出すようになる。
生後1週~3ヶ月:原始反射の発達
出生後3ヶ月の間は主に延髄や橋(きょう)の一部で神経発達がみられ、反射的な行動がみられるようになる。なお、新生児だけにみられる反応は『原始反射』と呼ばれる。 原始反射の種類には、『モロー反射』や『吸綴(きゅうてつ)反射』などがある。モロー反射とは、大きな音が聞こえたときに、両手を広げて抱きつくような動作をする反射である。吸綴反射とは、口に入ってきたものを強く吸う反射である。たとえば、空腹時に母親を求めて母乳を飲むような反射が該当する。
生後4ヶ月:中脳の神経発達
中脳の神経発達がみられるようになる。神経発達が中脳に達すると原始反射は少しずつ減少し、『立ち直り反射』が生じてくる。立ち直り反射とは、たとえば体を傾けたときに真っ直ぐな姿勢に戻ろうとする反射である。こうした反射は、大人が意識的に行うのに対してこの時期の乳児は反射的に行っている。また、この時期になると支えられることで座れるようになる。
さらに、意識的に物へ手を伸ばすようになる。掴む際の動作は、手のひらを対象にかぶせるような形となる。また、物を握り合ったり引っ張ったりするなど、物を介したやりとりがみられるようになる。なお、この段階では乳児の注意は物か他者のいずれか一方に限定される。すなわち、この段階では乳児は物と他者を同時に意識することができない。
生後6ヶ月:平衡反応・自我・喃語の発生
乳児
大脳の神経発達がみられるようになる。大脳皮質の神経発達が始まると、体のバランスをとって姿勢を保つ『平衡反応』が生じるようになる。また、つかまり立ちや伝い歩き、歩行といった複雑な行動が可能となる。この時期になると、原始反射は概ね消失する。
また、自我と個性の発達がみられるようになる。自身の要求に応えてもらえないことや、新たにできるようになったこと(たとえばお座りなど)をさせてもらえないことに対する不満が、『泣く』という形で表現される。さらに、恐怖心も芽生えるようになる。たとえば、見知らぬ人に話しかけられ場合や、兄・姉が叱られたのを見た場合に泣き出すようになる。
言語の面では、『ダーダーダー』や『バーバーバー』のような、明確な意味はないものの何らかの意図を伝えようとする、複数の音節を持つ『喃語』がみられるようになる。
生後6ヶ月~10ヶ月:悪者の回避
生後6ヶ月を超えると、乳児は良いものと悪いものの区別が可能になり、悪いものを避けるようになる。ある実験で、おもちゃ①がおもちゃ②を丘の上に運び、おもちゃ③がおもちゃ②を丘の上から押し戻すというショーをみせた。その後、「手伝いをしたおもちゃ①」と「邪魔をしたおもちゃ③」をそれぞれ部屋に入れて乳児に選ばせると、大半の乳児が「手伝いをしたおもちゃ①」を選んだ。
生後8ヶ月:単純な統計や確率の理解
知能に著しい発達がみられ、単純な統計や確率であれば理解できるようになる。生後8ヶ月の乳児が確率を理解している様が確認できた実験として、次のような実験がある。
生後8ヶ月の乳児に白と赤の玉を4:1の割合で入れた箱を見せ、そこから5個の玉を取り出す。取り出す際には、『赤玉4つ、白玉1つ』の組み合わせであるパターンと、『白玉4つ、赤玉1つ』の組み合わせであるパターンの2パターンおこなう。
なお、乳児は驚いた際に対象物を長く眺める傾向があるため、白玉の方が4倍多く入っている箱から無作為に取り出した5つの玉のうち4つが赤玉である場合に、驚きの感情があれば長く眺めることになる。
統計・確率実験
この実験の結果、乳児は赤玉4個と白玉1個の組み合わせを見たときの方が、白玉4個と赤玉1個の組み合わせを見たときよりもその状況を眺める時間が長かった。)
この実験では、その後に赤玉と白玉の割合を逆にするなど、設定を変えたさまざまな実験から別の理由(赤ちゃんは赤い玉に興味があるなど)を模索したが、そのような仮定は否定されている。(すなわち、この実験結果が示す結論が正しいことを意味している。)
生後8~9ヶ月:シナプスの密度の最大化
大脳にある、視覚情報を処理する視覚野で神経細胞の繋ぎ目であるシナプスの密度が最大となる。シナプスの数はその後、数年間で60~70%程度にまで減少していく。
|生後9ヶ月①:視線追従・社会的参照・共同注意などの発達
他者とのやりとりの変化が目立つようになる。また、嫉妬の感情をみせるようになる。
母親が何かに対して注意(注目)していることを理解できるようになり、母親が注目している物を目で追う『視線追従』がみられるようになる。また、見知らぬ物や出来事に出くわしたとき、母親とそれを交互に見比べるようになる『社会的参照』がみられるようになる。さらに、自分の興味ある物や出来事を指さし、母親の関心をそちらに引き寄せようとする『共同注意』もみられるようになる。
この時期になると、それまでの“他者(母親)あるいは物との二項的なやりとり”に加え、他者(母親)の視点を通した物との関わりがみられるようになる。すなわち、『三項関係(他者-物-乳児)に基づくやりとりがみられるようになる。たとえば、母親が玩具を振って楽しそうにしている表情を見ることで、『これは面白そうなものだ』と認識できるようになる。つまり、他者(母親)を通して物(玩具)について知ることができるようになる。
身体的な変化としては、つかまり立ちができるようになる。
|生後9ヶ月②:先の行動の予測
幼児がモノに手を伸ばすとき、脳の運動野が機能する。この時期になると、周囲の大人がモノに手を伸ばすだけで、それを目にした幼児の運動野に機能がみられる。2度目にその大人を見たときは、大人がモノに手を伸ばす前に乳児の運動野が行動を予測して機能する。
|生後10ヶ月:『対象の永続性』の獲得
乳児の目の前に、注意を引きつける物(対象)を置いてハンカチで隠した場合、ハンカチを取り払ってその対象を取ろうとする。これは、対象が見えなくなっても存在し続けること(対象の永続性)に乳児が気付いたためである。これに対して生後8ヶ月の乳児の場合は、対象がハンカチで覆われた途端に興味を失う。
|生後11ヶ月:因果関係の理解と記憶
『箱に物を入れて振る』→『音が出る』などの因果的な事象の連鎖を理解し、記憶することができる。なお、この時期では『ウサギの頭に帽子を載せる』→『ウサギに餌を与える』のような因果的でない事象に関しては記憶しておくことができない。
■幼児期(1歳~6歳)
幼児
乳児期を超えると、自己中心的ながらも言語と思考の両面で他者の視点の理解が進み始める。
|生後12ヶ月:向社会的行動の発現
出生時に約400gだった脳は、約800gにまで成長する。身長は約75cm、体重は約9kgとなり、それぞれ出生時の1.5倍、3倍となる。
この時期になると意志や感情の伝達手段として言葉を用いることができるようになり、泣く回数が減少する。また、“他者の利益のために、外的報酬を期待することなく自発的意図的になされる行動”である『向社会的行動』がみられるようになる。具体的には、苦痛状態にある他者(大人)を見た場合に悲しい表情をするだけでなく、その他者を撫でたり触ったりするような身体接触行動を取るようになる。
身体面では、親指と人差し指を使って小さなものをつまむことができるようになる。また、一人歩きも可能となる。
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引用以上
上の解説によれば、新生児は、出生後数日間は、母親の顔を見てコミュニケーションが始まる。このとき母親がマスクをして、口元を見せなければ、言語野の発達に大きな問題が生じることが明らかだ。
その意味で生後、数ヶ月間で、生涯を通じてのコミュニケーション能力が定まってしまう可能性がある。
出生後、数日間、母親は自分の顔を赤ちゃんに見せ続け、話しかけなければ発達障害を起こすことがよく理解できる。
だから、母子関係では、マスクを外さなければならない。マスクは五歳児以上でないとかけるべきではないと思える。