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沖縄料理もの語り

「にんじん食堂うずまさ」料理人

家常豆腐

2007-07-22 16:18:19 | オリジナル料理

家常豆腐(ピリ辛チャンプルー中華風)

沖縄料理といえば「チャンプルー」が一番ポピュラーなようです。
朝はおうちでチャンプルー、昼は食堂でチャンプルー、夜は居酒屋でチャンプルーと、連ちゃんチャンプルーというお話も聞くほどです。
そんな、沖縄のシンボルのような「チャンプルー」ですが、料理の名前をどれだけ挙げられますか?

「ゴーヤーチャンプルー」・「マーミナチャンプルー」・「タマナーチャンプルー」・「らっきょうチャンプルー」・「チキナーチャンプルー」・「豆腐チャンプルー」。それに「ソーミンチャンプルー」もこの際、認めましょう。
でも、こうして数えてみると種類は意外と少ないのです。料理の本を見ても、ほかに「いんげんチャンプルー」・「クレソンチャンプルー」・「チリビラーチャンプルー」くらいでしょうか。
野菜と豆腐を組み合わせた炒めものなのですから、もっともっとあってもいいはずです。

白菜・なす・ほうれんそう・ピーマンなどもおいしそうです。しかし、白菜チャンプルーやなすチャンプルーなどは聞いたことがありません。

チャンプルーの料理としての特徴をあげてみましょう。
(1)チャンプルーは、種類があまり多くありません。
(2)味付けは塩と醤油だけで、単調で、味わいに深まりがないと言ってもいいでしょう。
(3)メインになる野菜の名前を付けて呼ぶため、その他に使われる食材数が少なく、栄養素のバランスがあまりよくない…という意外な事実も明らかになるのです。
これらのチャンプルーの欠点を補うために、ここで「オリジナル・チャンプルー」を提案することにします。
(A)食材の種類を増やして、組み合わせも楽しむ。
(B)香りと味付けに少し手間をかける。
以上です。食材が増えるので、当然、栄養素のバランスもよくなります。

具体的には、以下です。
(A)豆腐のほかに、メインの食材は2種類以上にすることをおすすめします。できれば、「五目」や「七色」くらい使うといいでしょう。野菜はもちろん肉・魚介・玉子・きのこ・海藻などなんでもいいのです。「アサリとシメジと島にんじんのチャンプルー」なんて、なんかパスタのようで、名前を聞くだけでおいしそうです。
(B)チャンプルーにも中華料理やイタリア料理などのように、香りの味付けを加えてみましょう。ねぎ・にんにく・しょうがのみじん切りなどを最初に炒めるだけで香りと風味が違ってきます。次に調味料を塩と醤油だけに限定しないで、いろいろ使ってみましょう。油も食材によってラードやオリーブオイルなどを使うのもよいでしょう。
気楽に気軽につくれるのがチャンプルーのよさです。だからこそ、既成概念に縛られることなく自由な発想で、おいしい料理を見つけたいものです。
そのヒントは「オリジナル・チャンプルー」の名前の付け方です。「○○と○○の○○チャンプルー○○風」の○○の入れ方で、広がりは無限です。

今回の「オリジナル・チャンプルー」は「家常豆腐」(ヂアチァンドウフウ)です。
「家常」とは「家庭」のことで「家常菜」(菜=料理)は家庭風の料理なのですが、家庭料理にとどまらずそこから発達した料理を意味しています。
それぞれの家にはそれぞれ違った独特の味わいの料理があります。だから「家常菜」には唯一のレシピはなく、それぞれがオリジナル料理なのです。前置きが長くなりました。

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【つくり方】
(1)ねぎ・にんにく・しょうがは好みの量をみじん切りにします。
(2)豚肉は塊のままゆでて冷蔵庫で冷やしておいたものを、厚揚げは熱湯で油を抜いたものを、たけのこはゆでたものを、それぞれ薄く切ります。干ししいたけは軸を除いて水で戻し斜め半分に切ります。にんじん・キャベツ・ピーマン・赤ピーマンは好みの大きさ・形に切ります。あとは冷蔵庫などに残っているものも使いましょう。
(3)フライパンを熱して油をひき、ねぎ・にんにく・しょうがを炒めます。焦げ付かないように注意します。豆板醤を加え炒め、香ばしさを出します。
(4)豚肉・にんじん・厚揚げをフライパンの面に接触するように並べて順々に焼きます。ゴチャゴチャに混ぜると均等に加熱しにくいのです。
(5)紹興酒・醤油(少なめに)を加えて炒め、出汁(豚肉をゆでたときの汁でよい)を加え、キャベツ・たけのこ・しいたけも入れて煮込みます。ピーマン、赤ピーマンは後で加えます。
(6)醤油を加え、好みの味に調えます。
(7)水溶きかたくり粉でとろみを付けます。できあがり。
(8)冷蔵庫で保存して、温め直すといっそうおいしくなりますから、多めにつくっておくとよいでしょう。

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ナーベーラーとハンダマの酢みそかけ

2007-07-09 11:21:15 | オリジナル料理

「ナーベーラー」は「へちま」のことです。「ハンダマ」は「金時草」、「水前寺菜」など地方・地域によってさまざまな名前で呼ばれています。

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ヤマトゥーでは「へちま」といえば、ヘチマ束子(たわし)かへちま水を思い浮かべますが、沖縄ではへちまは立派な食べものです。
沖縄の食堂などでメニューにただ「へちま」と書かれていることもありますが、これは「へちまのみそ炒め」、ウチナーグチ(島言葉)では「ナーベーラーンブシー」のことです。「ンブシー」は「みそ炒め」です。最近では「へちまチャンプルー」と呼ぶ店も現れていますが、これは「チャンプルー」が全国区の料理名になったことに安易に迎合したためで、好ましいことではありません。
さて、へちまがそもそも「へちま」と呼ばれる理由は何でしょうか? 昔はへちまを「糸瓜」(いとうり)と言っていたのですが、それがいつの間にか「い」が取れて「と瓜」になりました。ところで、この「と瓜」の「と」は「いろは」の中でどこに位置しているでしょうか。
「いろはにほへとちり…」と読んでみると、「…へとち…」で、「へ」と「ち」の間(あいだ、ま)にあります。つまり「へ・ち(の)・ま」で、「へちま」になったそうです。真偽はナゾですが。
では、へちまが「ナーベーラー」なのはなぜでしょうか?

「ナーベーラー」をさかのぼると「ナービーアラヤー」、すなわち「なべ洗い」で、束子に行き着きました。
でも、名前の由来がどうであれ、へちまは沖縄では野菜売り場に置かれた立派な野菜です。

一方、「ハンダマ」は、葉の片方が濃い緑色で、反対側が赤紫色をした不思議な葉野菜です。
この2種類の沖縄野菜を盛り合わせました。暑い夏の食卓に、どこからか涼風が吹いてくる雰囲気の一品です。


【材料】2人分
ナーベーラー(へちま)…細めのもの1本 ハンダマ…4分の1束ほど 白みそ(西京みそ)・酢・砂糖・みりん…各適宜
【つくり方】
(1)ナーベーラーは1・5~2㎝厚さに切って、ごく薄く緑色を残すように皮をむき、水に浸します。
(2)ナーベーラーを弱火でゆでます。種がはずれる寸前で火を止め、冷水にとります。
(3)ハンダマはさっとゆでて、冷水にとります。
(4)白みそ5:酢3:砂糖2:みりん1くらいの割合でよく混ぜて、弱火でひと煮立ちさせて、酢みそをつくります。
(5)ハンダマを酢みそであえます。酸の働きで色素が鮮やかな色に変化します。
(6)ナーベーラーはゆでると中央の部分がやや凹むので、その上に酢みそを乗せ、盛り合わせます。ハンダマの若い芽も生のまま添えてください。

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海ぶどうの生春巻

2007-07-06 17:13:38 | オリジナル料理

沖縄のおいしくて豊かな食材。これを沖縄の家庭料理だけに使っているのは、ちょっともったいないと思いませんか。そこで「沖縄の食材を使った世界各国風料理」に挑戦してみました。「海ぶどうの生春巻(ベトナム風)」。

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生春巻といえば、ライスペーパーで巻きますが、もともとの元祖・ベトナム生春巻は「からし菜」で巻いていたのです。からし菜は沖縄では「島菜」(シマナー)とも言います。つまり沖縄を代表する菜っ葉なのです。それだけで沖縄とベトナムとの不思議な縁(えにし)を感ぜずにはいられません。でも、そのからし菜春巻のレシピが不明だったので、新鮮な海ぶどうの生春巻に変更しました。

【材料】
ライスペーパー(春巻きの皮) 海ぶどう エビ ビーフン 葉野菜 大葉(シソの葉)  ゴーヤー きゅうり もやし 甜麺醤(てんめんじゃん) スクガラスの漬け汁 酢 みりん
*甜麺醤がなければ八丁味噌か、または身近な味噌で、スクガラスの漬け汁がなければナンプラーなどでもOK。

【つくり方】
(1)ビーフンは戻しておきます。
(2)葉野菜、大葉、ゴーヤー、きゅうりを千切りにし、エビともやしはさっとゆでておきます。
(3)ライスペーパーを水にくぐらせて広げ、海ぶどうと(1)(2)をきれいに並べて巻きます。
(4)甜麺醤、スクガラスの漬け汁、酢、みりんでタレをつくり、皿に盛りつけます。
 

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