A：そもそも何故あなたは完全無欠なんて目指したんですか。
B：たぶん称賛を浴びたかったというより怒られたくなかったからだ。
A：つまりベースに恐れがあった訳ですね。
A：私は完全無欠の人間を目指してきた。
B：それのどこが悪いんです？
A：許すことはあっても許されることがなくなってしまった。
B：大丈夫、あなたもいずれ老いますから。
たとえそれが本当で美しいことだとしても善意の入り込む余地がなければ正しいこととは言えないんじゃないだろうか。
正しいことができないからといって善人でなくなるわけではない。
ただそこに本当のことか美しいことが欠けていただけ。
たぶん善が正義になるにはそこに真と美も加えねばならないのだろう。
「善いこと」は感情と「本当のこと」は思考と「美しいこと」は感覚と結びついていて「正しいこと」はそれらの総合と思われる。
