玉川上水みどりといきもの会議

玉川上水の自然を生物多様性の観点でとらえ、そのよりよいあり方を模索し、発信します

22.9.19 玉川上水にはフン虫がいるよ 4 アイヌの民話

2022-09-22 20:56:06 | 生きもの基礎知識
スケッチが大体できたようなのでスライドを続けました。それはアイヌ民話です。


ある森に乱暴者のクマがきて、森を壊し、森の動物を殺したりしました。それを見た動物たちは困り果てていましたが、小さな鳥であるミソサザイは正義感が強くて、なんとかしないといけないとフクロウやツルなど大きな鳥になんとかしようと相談しました。でも鳥たちは自分たちは鳥だからクマと戦うことなどできないとあきらめ顔で言いました。
 ミソサザイは困ってしまって人の神様であるサマイクルに相談しました。そうしたら「わかったそれでは身支度をしよう」
と言って1日目に右の靴を履き、2日目に左の靴を履くと、なんともゆっくりしているのでミソサザイとしてはじれったくて仕方がありません。サマイクルのかみは1週間もかけて準備をしました。
 それからクマを懲らしめるためにキツツキが目を狙うなど役割を決めて追い詰めて、洞穴の中に追い込みました。そうして弓を放ったら命中して、クマはよろよろと海に逃げましたが、そこでシャチに食べられて死にました。
 ようやく森に穏やかな日々が戻ってきました。サマイクルの神が言いました。
「ミソサザイよ、この手に止まりなさい」
ミソサザイが止まると言いました。
「皆さん、よく聞きなさい。ミソサザイはクマを懲らしめるために勇敢に戦いました。小さな鳥だからといって馬鹿にしては行けません。一番行けないのは人を見下すことです」
みんなはうなづきました。
「ミソサザイも頑張りましたが、実は本当の勇者はこれです」
というとなんと小さなホタルが飛んできました。


「このホタルが暗い洞穴の中でクマの目の近くに行って光ってくれました。だから私はそこを目掛けて弓矢を放ったのです。ホタルは小さな虫ですが、こんなに大切な働きをしました。よく覚えておきなさい。神様が作られた生き物には無駄なものなど一つもいません。みんなが大切な役割を果たしているのです」

大人の人にはこの後レイチェルカーソンの「地球は人だけのためにあるのではありません」という言葉が欧米で衝撃をもって受け止められ、称賛されたのですが、そんなことはアイヌの人にとってはあたりませのことだったのだということを添えました。


写真のは青木計意子さん撮影です。ありがとうございます。

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